確定申告書を使った「不動産の収入・経費」の計算レッスン

今回は、確定申告書を参考に、不動産の収入・経費の計算方法を解説します。※医師は一般のサラリーマンより高収入であるにも関わらず、日本の高所得者に対する重い税負担と医師特有の複雑な資産背景が影響し、多くの医師の貯蓄額は一般家庭と比べても低水準にあります。本連載では、給与所得を中心とした日本の所得税の仕組みから、減価償却を利用した不動産投資による節税策、資産を次世代へ引き継ぐ相続税対策まで、医師が行うべき節税について網羅的に解説していきます。

賃料だけでなく「管理費・礼金・敷金」も収入に該当

今回から、確定申告書を参考に、不動産所得の収入・経費に関して各項目を解説していきます。なお、確定申告書に記載の各項目数値は、購入初年度のみ計上できる数値を含んでおり、計算をわかりやすくするための概算値です。

 

[図表1]記載例①(収支内訳書1ページ)

[出典]国税庁ホームページ
出典:国税庁ホームページ

 

[図表2]記載例②(収支内訳書2ページ)

[出典]国税庁ホームページ
出典:国税庁ホームページ

 

●不動産所得の収入

 

①賃貸料
総収入金額には貸付けによる賃貸料収入の他に、管理費・共益費などの名目で受け取る電気代、水道代や掃除代などがあります。

 

(例)賃料6万円 管理費7500円
   月額6万7500円 × 12カ月分 = 年額81万円

 

②礼金・権利金・更新料
賃貸事業用の建物の賃貸借契約の締結や更新に伴う保証金、権利金、敷金または更新料などのうち、返還を要しないものは総収入金額に含めます。

 

③名義書換料・その他
名義書換料とは、借地権者等の変更に伴って支払いを受けるものをいいます。

 

④小計
 ② + ③ = ④

 

⑤計
 ① + ④ = ⑤

不動産投資において重要な経費となる「減価償却費」

●不動産所得の必要経費

 

⑥給料賃金
賃貸している建物などの管理や賃貸料の集金に従事している使用人に支払う給料です。よって、管理会社に支払う管理委託手数料とは異なります。

 

⑦減価償却費
減価償却とは「時間の経過によって建物などの価値が減少するため、減った分を費用として損失計上する金額」を指します。この経費は不動産投資をするうえで大変重要な経費となります。詳しくは本書(『医師のための節税の教科書』)第3章の111ページにて解説します。

 

ここではどのような計算根拠となるのか、例をもとに見ていきたいと思います。

 

購入価格 2700万円(100%) ※鉄筋コンクリート造(耐用年数47年)


うち土地価格 1080万円(40%)
うち建物価格 1620万円(60%) とした場合

 

建物価格 1620万円 × 償却率0.022=償却費35万6400円

 

⑧貸倒金
すでに収入金額とした未収賃貸料(事業として行われる不動産の貸付けによるものに限る)などのうち、回収不能となった金額を指します。


※事業として行われない不動産の貸付けによる未収賃貸料が回収不能となった場合については税務署にお尋ねください。

 

⑨地代家賃
賃貸している建物の敷地の地代(借地料など)です。

 

⑩借入金利子
賃貸している土地建物等を取得するために金融機関等から借入れした借入金の利子(金利)の年間合計額です。

※借入金の返済額のうち元本に相当する部分の金額は必要経費になりません。
※ ここでは、借入金額2700万円、金利1.64%、期間35年、元利均等返済とし、1月〜 12月までの金利相当分を43万8473円として計上しています。

相続した不動産は、不動産取得税の課税対象外に

イ 租税公課

 

●固定資産税


固定資産税は、土地、家屋(建物)及び償却資産(これらを「固定資産」という)の所有者に対し、一般的な財源に充てられる普通税として課税する税金です。

 

多摩、島しょ地域にある固定資産については市町村が課税しますが、23区内にある固定資産については、都が都税として課税しています。

 

納税義務者は、毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋(建物)または償却資産の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方です。

 

●都市計画税


都市計画税は、都市計画法による都市計画区域のうち、原則として市街化区域内に所在する土地及び家屋(建物)に対し、都市計画事業または土地区画整理事業に要する費用に充てるために、目的税として課税する税金です。

 

納税義務者は毎年1月1日(賦課期日)現在の土地、家屋(建物)の所有者として、固定資産課税台帳に登録されている方です(償却資産は課税の対象にはならない)。

※ここでは、固定資産税・都市計画税を年額5万円(概算値)として計上しています。

 

●不動産取得税(取得時1回限り)


土地や家屋(建物)を購入したり、家屋(建物)を建築するなどして不動産を取得したときに、登記の有無にかかわらず課税となります。ただし、相続により取得した場合には課税されません。

 

納税義務者は、土地や家屋(建物)を有償・無償の別、登記の有無にかかわらず、売買、贈与、交換、建築(新築、増築、改築)などにより取得した方です(個人、法人を問いません)。

※ここでは、不動産取得税を15万円(概算値)として計上しています。

 

●登録免許税


不動産の登記において登録免許税が課税されるのは、新築建物などで最初に行われる所有権の保存登記、土地や建物の売買による所有権の移転登記、贈与や相続による所有権の移転登記、金融機関からの借り入れによる抵当権の設定登記などをはじめとして、不動産の権利に関する登記のほぼすべてで課税されます。

 

なお、土地の地番・地目・地積、建物の家屋番号・構造・床面積などを記載する登記記録の表題部を作成するための登記(表題登記)には、原則として登録免許税が課税されません。


※ここでは、登録免許税を25万円(概算値)として計上しています。

 

●印紙税


印紙税は、印紙税法に基づき、課税文書(不動産売買契約書・金銭消費貸借契約書・領収書など)に対して課される税金です。


※ここでは、印紙税を5万円(概算値)として計上しています。


東京不動産投資株式会社 代表取締役

■運営サイト:「勤務医ドットコム」(https://kinmui.com/


22歳で不動産ベンチャー企業に入社し、わずか3年後、社内最年少の25歳で取締役に就任。
その後、不動産デベロッパーにて取締役副社長に就任。2015年、東京不動産投資株式会社を設立。長年のキャリアの中で、医師をはじめとした高所得者に対する重い税負担が「不動産投資」によって軽減され、労働収入だけに頼らない効率的な資産形成となることに気づく。
その運用方法を解説する東京不動産投資株式会社主催のセミナーに参加した医師は、実に700人を超える。

著者紹介

連載医師のための節税の教科書

医師のための節税の教科書

医師のための節税の教科書

秋葉 侑輝

幻冬舎メディアコンサルティング

診察、事務処理、学会準備・・・ 休む暇なく働いているのにお金が貯まらないドクターへ 手取り額を増やして資産を築くために、押さえておきたいマネーリテラシー

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧