きわめて高い節税効果…「住宅ローン控除」のしくみ

前回は、配偶者控除・配偶者特別控除等の所得控除について解説しました。今回は、住宅ローン控除を見ていきます。

住宅ローンを組むと、一定要件のもとで所得税額が軽減

「住宅ローン控除」は所得控除ではなく、所得税額控除となるため、これまでの連載を通じて説明した「14種類の控除」(関連記事『医療費、生命保険料…納税額が減らせる「所得控除」とは?』参照)とは別の性質のものになります。

 

具体的にいえば、マイホームを購入するために住宅ローンを組んだ場合、一定の要件のもと所得税額が軽減されます。

 

控除額は、居住を開始した年や控除を受ける年によって異なりますが、住宅ローンの年末残高に対して一定割合の税額控除が、原則10年にわたって受けられます。

 

ただし、この住宅ローン控除制度は、各年の税制改正によって適用範囲なども変わっていきます。利用する際は、適用要件などチェックを怠らないように注意してください。この制度はリフォーム工事でも利用でき、とりわけ3世代同居に対応したリフォームには特例が設けてあります。

 

なお、この制度を利用する場合は、初年度に確定申告が必要です。給与所得者は、2年目以降は、年末調整で手続きを完了することができます。

 

給与所得から所得控除を差し引いて所得税額を計算したあと、所得税額自体から、さらに差し引けるものになります。それが「税額控除」です。これは所得控除ではなく、税額そのものから控除できる控除である点に注意してください。これまで解説してきた各種所得控除と比較しても非常に効果の高い控除になります。

適用要件は「新築・中古・増改築」によって違いあり

住宅ローン控除適用条件

 

【新築住宅】


ア  新築または取得の日から6カ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること

 

イ この特別控除を受ける年分の合計所得金額が3000万円以下であること

 

ウ  新築または取得をした住宅の床面積(登記簿に表示されている床面積)が50平方メートル以上であり、床面積の2分の1以上の部分が、専ら自己の居住の用に供するものであること

 

エ 10年以上にわたり分割して返済する方法になっている新築または取得のための一定の借入金または債務(民間の金融機関や住宅金融支援機構等の住宅ローン等)があること

 

オ  居住の用に供した年とその前後の2年ずつの5年間に、居住用財産を譲渡した場合の長期譲渡所得の課税の特例等の適用を受けていないこと

 

【中古住宅】


上記新築住宅の要件の他に、

 

ア 建築後使用されたものであること

 

イ 次のいずれかに該当する住宅であること


A  マンション等の耐火建築物の建物の場合には、その取得の日以前25年以内に建築されたものであること


B  耐火建築物以外の建物の場合には、その取得の日以前20年以内に建築されたものであること


C  A またはBに該当しない建物の場合には、一定の耐震基準に適合するものであること

 

ウ  取得のときに生計を一にしており、その取得後も引き続き生計を一にする親族や特別な関係のある者等からの取得でないこと

 

エ 贈与による取得でないこと

 

【増改築等】


上記新築住宅の要件の他に、

 

ア  自己が所有し、かつ、自己の居住の用に供する家屋について行う増改築等であること

 

イ 次のいずれかの工事に該当するものであること


A  増築、改築、建築基準法に規定する大規模の修繕または大規模の模様替えの工事


B  区分所有する部分の床、階段または壁の過半について行う一定の修繕または模様替えの工事


C  家屋のうち、居室、調理室、浴室、便所、洗面所、納戸、玄関または廊下の一室の床または壁の全部について行う修繕または模様替えの工事


D  建築基準法施行令の構造強度等に関する規定または地震に対する安全性に係る基準に適合させるための一定の修繕または模様替えの工事


E 一定のバリアフリー改修工事


F 一定の省エネ改修工事

 

ウ  増改築等の工事費用の額が100万円を超えており、その2分の1以上の額が自己の居住用部分の工事費用であること

 

[図表] 住宅借入金等特別控除率(新築・中古・増改築等)

(注1)平成19年又は平成20年中に居住の用に供した方は、AまたはBのいずれかの控除率・控除期間を選択できます。 (注2)年末残高の合計額は住宅の取得等が特定取得に該当する場合であり、それ以外の場合の年末残高の合計額2,000万円となります。 ※「特定取得」とは、住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額)が8%の税率により課されるべき消費税額等である場合におけるその住宅の取得等をいいます。 [出典]住宅支援機構ホームページ
(注1)平成19年又は平成20年中に居住の用に供した方は、AまたはBのいずれかの控除率・控除期間を選択できます。
(注2)年末残高の合計額は住宅の取得等が特定取得に該当する場合であり、それ以外の場合の年末残高の合計額2,000万円となります。
※「特定取得」とは、住宅の取得等の対価の額又は費用の額に含まれる消費税額等(消費税額及び地方消費税額の合計額)が8%の税率により課されるべき消費税額等である場合におけるその住宅の取得等をいいます。
[出典]住宅支援機構ホームページ

 

なお、一定のバリアフリー改修工事または、省エネ改修工事を含む増改築等をしたときには、特定増改築等住宅借入金等特別控除を選択できる場合があります。詳しくは国税庁のホームページを確認するとよいでしょう。

 

 

秋葉 侑輝

東京不動産投資株式会社 代表取締役

 

東京不動産投資株式会社 代表取締役

■運営サイト:医師のための不動産投資メディア「不動産投資アカデミー」(https://ft-academy.jp/


22歳で不動産ベンチャー企業に入社し、わずか3年後、社内最年少の25歳で取締役に就任。
その後、不動産デベロッパーにて取締役副社長に就任。2015年、東京不動産投資株式会社を設立。長年のキャリアの中で、医師をはじめとした高所得者に対する重い税負担が「不動産投資」によって軽減され、労働収入だけに頼らない効率的な資産形成となることに気づく。
その運用方法を解説する東京不動産投資株式会社主催のセミナーに参加した医師は、実に700人を超える。

著者紹介

連載医師のための節税の教科書

 

医師のための節税の教科書

医師のための節税の教科書

秋葉 侑輝

幻冬舎メディアコンサルティング

診察、事務処理、学会準備・・・ 休む暇なく働いているのにお金が貯まらないドクターへ 手取り額を増やして資産を築くために、押さえておきたいマネーリテラシー

 

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧