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高収益を実現する「一棟貸切旅館」の経営…開業までの流れ

今回は、「一棟貸切旅館」の投資計画から開業までの手順を解説します。※本連載では、ハウスバード株式会社代表取締役の浅見清夏氏、マーケティングチームリーダーの鈴木結人氏、建築デザインチームマネージャーの竹内康浩氏が、「古民家」投資の最新事情をお伝えします。

初期段階からの綿密な計画が「利回り」を左右する

前回の記事では、一棟貸切旅館が高利回りを実現できる理由を詳細に解説しました。今回は、「一棟貸切旅館」をプロデュースするための手順を<STEP1~5>に整理し、私たちの経験も交えながら説明していきます。

 

<STEP1>:投資計画策定

<STEP2>:物件調達

<STEP3>:コンセプト/デザイン策定

<STEP4>:施工&許可取得

<STEP5>:運営準備

 

<STEP1>:投資計画策定

 

まず、本投資の根幹となる考え方を整理します。株や保険への投資は、購入/売却や、加入するかどうかの一度の意思決定が重要になりますが、旅館業の場合は、約6~8ヵ月の期間をかけていくつかの意思決定を積み上げた「どんな旅館を作りあげるか」という最終判断が、その後の利回りに大きく影響していきます。そのため、本投資を行う目的を最初に整理しておかないと、その作り上げる過程で判断基準が揺れ動いてしまい、当初想定した目的を達成できない可能性があります。

 

例えば、「何のために本投資を行うのか」。徹底的な利回りを追求するのか、自分のセカンドハウスとしての活用も期待するのか、相続税/所得税対策として投資するのか(※税金対策は第3回で詳述する予定です)。これらによって、展開地域は東京なのか、京都なのか、または、金沢や福岡を狙うのかといった方針が決まってきます。

 

また、「どの程度を予算上限とするか」を予め決めておかないと、ついつい家具選び等にこだわりすぎ、必要以上に予算を投じてしまうことも起こり得ます。そうすると初期投資が増えてしまい、これもまたその後の利回りに影響してきます。そのため、投資の初期段階から、目的や期待水準を整理した投資計画を立てることが重要になります。

 

<STEP2>:物件調達

 

投資計画が完成したら、それを実現するエリア決定・物件の調達です。弊社では、全国主要都市において、REINS上の公開情報はもちろん、地場の提携不動産が保有する非公開物件、人脈で集めた物件などデータベースがあります。そのデータベースから旅館業を取得可能な物件を選び、①規制の動向、②個別物件の周辺環境、③競合物件の収益の観点から物件を絞り込んでいきます。京都では本年6月15日の条例改正で、緊急時対応のために物件から800m以内に拠点を設け、スタッフを24時間常駐させることが義務化されました。収益性に大きな影響を与えるため、多くの投資家に大きな動揺を与えました。

 

その他、宿泊客が食事できるレストランの充実度や、観光スポットへのアクセスなども重要になります。最後に、近隣の競合物件の稼働率/宿泊単価を調査することで、より現実的な収益シミュレーションを組み立てて、物件購入の意思決定を行うことができます。

こだわりの「設計」で競合物件と差をつける

<STEP3>:コンセプト/デザイン策定

 

具体的な物件が決まれば、「一棟貸切旅館」作りで一番楽しく、夢の膨らむSTEP、コンセプト/デザイン策定になります。ターゲットは外国人観光客に絞るのか、日本人ファミリー層も狙うのか。純和風な落ち着いた内装にするのか、または女性的な明るい内装にしていくか・・・などを、既存物件の特長が生きるように提案していきます。そして、Airbnbなどの予約サイトに載せた際に競合物件より目立つよう、いかに魅力的な写真が撮れるよう設計するかも重要です。京都の物件に、紅葉の名所・東福寺の「通天橋」の廊下を模した設計をしたこともあります。

 

それと同時に、宿泊客が気持ちよく滞在できるように、インテリア・家具だけではなく、使用する内装資材、リビング・寝室からトイレへの動線、絵画の設置、コンセントやローブフックの位置など、一つ一つこだわって設計します。これらがすべて設計に織り込まれることで、競合物件と大きな差別化を図ることができます。

 

<STEP4>:施工&許可取得

 

デザイン・設計が完成したところで、後はそれを形にするだけです。しかし中古物件/築古物件の場合、雨漏りやシロアリ等のトラブルが発生することも多く、また、期待と違う仕上がりになるリスクもあります。いかにコスト/スケジュールを順守しながら、品質を高めていけるかが重要になります(建築用語で「設計監理」といいます)。

 

また、物件選定時に精査していたとはいえ、旅館業が取得できないと大問題なので、施工前から何度も行政に赴いて間取りを確認し、許可取得を進めます。また、工芸品とのコラボレーションをしたいという投資家さんの物件では、地域の工房と協業を進めたこともあります。このSTEPでは、近隣住民の方々へのご挨拶回りや運営方針のご説明も実施します。

 

工事前

 

工事中

 

工事後

 

<STEP5>:運営準備

 

施工が完了し、家具家電も設置されれば、運営開始・完成まであと一歩です! 施設は完成ですが、あとは、お客さんの宿泊に向けて、アメニティの準備や、予約サイトに掲載する写真撮影、ハウスルールなどを準備します。アメニティは最低限にして低価格で訴求するのか、高級ホテルと同等のアメニティを設置して気持ちよく過ごして頂くのか、なども一つ一つ決めていきます。

 

また、予約サイトに掲載する写真は、いかに魅力が最大限に伝わるかも細かく吟味して撮影し、作り上げていきます。そして、近隣の方々とのトラブルが起きないように、滞在時のハウスルール作りもこのタイミングで行います。これで、高収益を実現する「一棟貸切旅館」が完成です!

 

 

物件完成後の運営は、投資家自身で運営されても良いですが、企業に一括委託することも可能です。その際は、いかに宿泊客への接遇を大事にしているかだけでなく、同時に、投資家視点での収益性改善に向けたプロモーションや価格設定などを二人三脚で取り組んでいける企業を選ぶのがポイントです。

ハウスバード株式会社 代表取締役社長

●青山学院大学 卒(在学中、上海・復旦大学に留学)
●アクセンチュア(株)戦略コンサルティング本部勤務
●中国・上海にて、幼児教育事業 レインボーバード幼児教室を起業後、ヤマトキャピタルパートナーズに売却
●政府系VC・産業革新機構にて投資サイドで勤務

著者紹介

ハウスバード株式会社 マーケティングチーム リーダー

●早稲田大学 卒
●ハウスバード株式会社でのインターンシップを経て、新卒第1期生として同社に参画
●近隣住民対応や運営対応を経て、現在マーケティングチームのリーダーに就任

著者紹介

ハウスバード株式会社 建築デザインチーム マネージャー

日本工業大学建築学科修士号。
株式会社アーキディアックに入社し、公共施設の設計・施工管理に従事。
2017年、ハウスバードへ建築デザインチーム マネージャーとして参画。

著者紹介

連載高まるインバウンド需要、税効果への期待・・・「古民家」投資の最新事情

 

 

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