2017年から2018年頭にかけて仮想通貨で“億り人”の仲間入りを果たした投資家が続出した。なかでも界隈を盛り上げた投資家として知られるのが、「ゲス仮想通貨投資家」を名乗るニシノカズ氏。あっという間に億を超える資産を手に入れた氏は、昨年10月にマレーシアへ移り住んだ。国際税務のスペシャリストである柳澤賢仁氏による仮想通貨対談企画第2弾「ニシノカズ」編・第4回目のテーマは、「仮想通貨投資にかかる税金を合法的に減らす方法」…!?

柳澤 日本にいながら節税したいとなると法人を設立する以外にないでしょう。法人ならば仮想通貨で発生した利益も、法人税の対象になりますから、税率を引き下げることができます。もっと節税したいという人は、やはり海外移住しかありませんね。

 

ニシ 赤字企業を買ってきて、そこに仮想通貨取引で発生した利益をぶつけて節税する方法があるって聞きましたけど……。

 

「赤字企業を買って、そこに仮想通貨の利益をぶつけて節税する方法があるって聞きましたけど…?」(ニシノカズ)
「赤字企業を買って、節税する方法はどうですかね…?」(ニシノカズ)

 

柳澤 「繰越欠損金の引継ぎ制限」というのがあって、今は赤字会社を買ってきても、そう簡単には利益を相殺することはできません。租税回避のスキームは昔からいろいろ考えられていますが、まさにイタチゴッコで消えていくんですね。

「マレーシア移住」はグレー?

ニシ そうなると、やはり海外移住がベストの選択肢になるわけですね。

 

柳澤 国によりますね。実はニシノカズさんが移住されたマレーシアも少々グレーかなと。シンガポールや香港、マレーシアはイギリス系の国家なので、イギリス同様、判例主義なんです。過去の判例に則って当局が判断するので、通常の法解釈と異なる判断が下されることも少なくありません。実際、私も商標権を巡るトラブルでマレーシアの判例に悩まされたことがありました。仮想通貨に関してはまったく判例がないだけに、マレーシア当局がどのような判断を下すか、読めないところがありますね。だから、私の立場上、マレーシア移住は不確実性がありますと言わざるをえない。

 

ニシ 僕も「マレーシアは絶対に安全」とは思っていません。僕はひとり身だから、過去にさかのぼって課税されるようなことがあっても別の国に移住するなどの対応策を取れますが、家族でマレーシアに移住されるような人たちは逃げられませんよね。

 

柳澤 ただ、マレーシアの税制は面白い。私が現地の専門家に聞いたところでは、マレーシアは「キャピタルゲイン原則非課税」で、不動産の譲渡益などの課税枠を設定しているんです。この課税枠に盛り込まれていないものは、全部非課税。だから、現時点では仮想通貨も非課税だろうというロジックです。さっき言ったように「不確実性」はありますけどね。

 

 

 

ニシノカズ

ゲス仮想通貨投資家

地元・名古屋でホストを経験し、その後キャバクラを買収して経営者に。その時に稼いだ資金を元手に、海外を放浪。なかでもマレーシアには半年以上滞在。2017年1月に仮想通貨を知り、元手0円(クレジットカード決済で10万円入金)から投資をスタート。同時に「ニシカズのゲス戦略日記」というブログを開設して、日々のトレード成績を公開。ビットコインバブルに乗っかって、2017年11月には資産1億円超えを達成。10月にはマレーシアへ移住。2018年2月には9億円まで膨れ上がるが、バブル崩壊に伴い、資産は半減。現在は、世界を放浪しながらツイッターやYouTubeで情報を発信中

 

柳澤賢仁

柳澤国際税務会計事務所代表/柳澤総合研究所代表/税理士

慶應義塾大学大学院経済学研究科修士課程修了後、アーサーアンダーセン税務事務所、KPMG税理士法人を経て2004年に独立。独立後に支援したスタートアップのなかからすでに2社がIPO。起業家の海外支援やビジネスモデル構築、ベンチャーファイナンス、M&A、海外税務のアドバイザリー業務など幅広く手掛ける。主な著書に『お金持ち入門』(共著)、『資金繰らない経営』などがある

 

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