低金利の長期化で魅力が高まるローリスク・ミドルリターン型

米国の利上げ、米中貿易摩擦、トルコショックなど、金融マーケットの先行きが混とんとするなか、株式や債券、通貨などの相場とは連動せず、着実にリターンを稼ぐことを狙うヘッジファンドへの注目度が高まっている。本企画では、独立系証券会社として、他の証券会社や銀行では買えないプレミアムなヘッジファンドを取り扱う、エアーズシー証券株式会社の取締役・営業本部長兼営業推進部長の渡邊英利氏と、同社金融商品開発部長の高橋文行氏に、その最新事情を伺っていく。第2回目のテーマは「絶対的リターンを追求するヘッジファンドの具体例」である。

複数のヘッジファンドへの投資を可能にしたファンド

前回は、「ヘッジファンドとはどういう金融商品か?」「ヘッジファンドが目指す絶対的リターンとは?」などについて解説した。今回は、エアーズシー証券が提供する商品を例に挙げながら、ヘッジファンドの魅力や実力をより詳しく検証していこう。

 

ヘッジファンド取扱い専門の独立系証券会社エアーズシー証券では、『ハーベストクロップ 』というファンドを販売している。これは、複数のヘッジファンドを組み入れて運用する、国内ではまず目にすることが無い珍しいタイプの金融商品だ。

 

エアーズシー証券株式会社 取締役 営業本部長 兼 営業推進部長 渡邊 英利 氏
エアーズシー証券株式会社
取締役・営業本部長兼営業推進部長
渡邊英利氏

「『ハーベストクロップ 』には、『ビクトリー・アーケイディア・ファンド』『LQIクォンタム・ファンド』という2つのヘッジファンドを組み入れています。これまで限られた富裕層しか購入できなかったヘッジファンドが、手の届く金額で、しかも複数のヘッジファンドに分散投資ができるようになった画期的な商品です」と語るのは、エアーズシー証券の取締役・営業本部長兼営業推進部長の渡邊英利氏である。

 

ひと口にヘッジファンドと言っても、その「投資戦略」は千差万別である。前回解説した両建てを主な戦略とするファンドのほかに、コモディティや株式、債券などの先物に機動的に投資するCTA(コモディティ・トレーディング・アドバイザー)、連動性の高い価格を持つ商品間の価格差(歪み)に着目するアービトラージ(裁定取引)など、さまざまな戦略によって絶対的リターンを目指す商品がある。

 

このうち、『ハーベストクロップ ~実りと収穫~』に組み入れられている『ビクトリー・アーケイディア・ファンド』はアービトラージ、『LQIクォンタム・ファンド』はCTAを戦略とするヘッジファンドである。

 

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エアーズシー証券株式会社 金融商品開発部長 高橋 文行 氏
エアーズシー証券株式会社
金融商品開発部長
高橋文行氏

「『ビクトリー・アーケイディア・ファンド』の特徴は、欧州の株式投資信託と、それに組み入れられている株式と関連性のある先物などの一時的な価格の歪みに着目して、両建てのポジションを数多く持つ点にあります。独自のアルゴリズム(コンピュータを使って定式化された処理手順・算出法)を活用したシステマティックな定量的アプローチにより、500以上の投資信託を対象として価格に歪みが生じているものをピックアップし、一度に数十銘柄のポジションを取る戦略です」と、エアーズシー証券・金融商品開発部長の高橋氏は説明する。

 

1つのポジションを持ち続けるのは長くても10日間前後。短期売買が基本なので相場の影響は受けにくい。しかも、数多くのポジションを同時に持つことでリスク分散効果が高まるのだという。

 

「1回当たりの取引の勝率は約6割程度ですが、時間を掛けてコツコツ勝ちを積み上げていくことで収益率が上がり、これまでは1年間の収益ではどの12ヵ月を切り取ってもマイナスの期間がゼロの運用パフォーマンスを示しました。つまり、絶対的リターンを実現できるわけです」(高橋氏)

 

一方、『LQIクォンタム・ファンド』は、株式、債券、通貨、コモディティの先物を中心に、統計的分析モデルとAI(人口知能)を活用したマシーン・ラーニング(機械学習)を組み合わせて投資するヘッジファンドである。

 

「統計的分析モデルによる取引とは、過去の値動きに基づいて『こう動いたら、こう取引する』という厳格なルールを定め、それに沿ってポジションを持つ伝統的な取引です。そしてAIによる取引では、過去の値動きとその結果のパターンを徹底的に教え込ませ、超高速取引(ハイ・フリークエンシー・トレード)を行わせます。現在、統計的分析モデルによる取引とAIによる取引の比率は約5対5ですが、段階的にAIの比率を高めていくことで収益率の向上を目指しています」(高橋氏)

 

こちらもポジションを持つ期間を短くし、1回ごとの収益をコツコツ積み上げていくことで絶対的リターンを目指しているのが大きな特徴だ。

 

→相場の影響を受けることなく「絶対的リターンを追求するヘッジファンド」とは?

 

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余裕資金の運用にも適したヘッジファンド

『ハーベストクロップ』は、現在のところ『ビクトリー・アーケイディア・ファンド』の組み入れ比率を高めにして安定収益を目指す一方、『LQIクォンタム・ファンド』を組み入れることで、より大きな収益を目指す運用方針を定めている。

 

といっても、「資産を長期にわたって確実に増やしていただくための商品なので、あくまでもローリスク・ミドルリターンを大前提にしています。相場の動きにかかわらず、年5%以上のパフォーマンスを目指すのがこの商品の目標です」と渡邊氏は語る。

 

日本では低金利が続く中にあって、余裕資金の運用に悩んでいる企業経営者も多いと思われる。「ハーベストクロップ」のローリスク・ミドルリターン特性を考慮すると、余裕資金の運用にも適したヘッジファンドであることがわかる。

 

実際、下のチャートを見てもわかるように『ハーベストクロップ』の純資産価額(試算値)は2004年12月以来、着実に増加している。注目すべきは、2008年のリーマン・ショックや2011年ごろから深刻化した欧州債務危機の期間も価額が上がり続けたことだ。大きな金融危機が起こっても資産が減らず、むしろ増え続けてきたのは、絶対的リターンを追求するヘッジファンドだからこそだと言える。

 

[図表] ファンドの純資産価額 試算値(シミュレーション)の推移

※2004 年12 月末を100として指数化 (出所)ビクトリー社、アルテラ社等のデータをもとにエアーズシー証券 作成
※2004年12月末を100として指数化
(出所)ビクトリー社、アルテラ社等のデータをもとにエアーズシー証券 作成

 

高橋氏は、「今後、米利上げによって世界中の相場が不安定化すれば、『ハーベストクロップ』の収益率はさらに大きくなる可能性があります。なぜなら、相場の急変動によって一時的な価格の歪みが大きくなり、『ビクトリー・アーケイディア・ファンド』および『LQIクォンタム・ファンド』の収益機会が増えると思われるからです」と語る。

 

その意味でも、今後、ヘッジファンドの資産運用ポートフォリオへの組み入れの重要度は、増していくのではないだろうか。

 

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【図表の使用データについて】 ■ファンドの運用資産:10億円で運用を開始し、資金の追加および引出しが無いと仮定■データの範囲:2005年1月〜2017年12月までの投資 対象ファンドの月次リターンデータ■アセット・アロケーション:ビクトリー・アーケイディア・ファンド63%、LQIクォンタム・ファンド32%、現金 5%を維持するように毎月リバランス■費用について:投資対象ファンドにかかるすべてのコスト、ハーベストクロップ匿名組合にかかる営業者報酬、 運用者報酬、業務受託者報酬、販売会社報酬等の想定される諸経費を差し引いて試算■使用データの条件:ビクトリー・アーケイディア・ファンドの 2005年1月〜2008 年2月(期間①)のデータは、同ファンドのチームが前の投資顧問会社で同じプログラムで運用していたファンドの実際のリター ンでアーンスト・アンド・ヤング社の監査済み。2008 年3月〜2008 年10月(期間②)は、シミュレーションに基づくリターン。2008 年11月〜 2011年5月(期間③)は、米ドルクラスの実際のリターンで、期間①、期間②および期間③は、米ドルクラスのリターンから円ヘッジ・ベースのリター ンを算出。2011年6月以降(期間④)は、日本円クラスの実際のリターン。LQIクォンタム・ファンドの2005年1月〜2013年 4月(期間⑤)のデー タは、シミュレーションに基づくリターン。2013年5月以降(期間⑥)は実際のリターン。同ファンドのリターンはすべて日本円評価に換算した円ベー スのリターン。すべてのデータはシミュレーション数値または過去の実績値であり、将来の成果を示唆または保証するものではありません。

エアーズシー証券株式会社 取締役 営業本部長
兼 営業推進部長

大手システム開発会社を経て2004年に野村證券に転職。資産運用コンサルタント職として個人富裕層や企業オーナーの資産運用相談に従事。在職中にファイナンシャル・プランナーの国際ライセンス(CFP®)を取得した後、2009年に独立。ファイナンシャル・プランナーとして事務所経営に携わり、投資家側に立った資産運用コンサルティングを実践する。活動の中で顧客の資産を守る手段としての海外ヘッジファンドに出会い、その魅力をより多くの投資家に伝えるべく、2015年11月ヘッジファンド取扱い専門の証券会社であるエアーズシー証券に入社し、現在に至る。顧客の視点に立ち、ライフプランに沿った多角的な資産運用アドバイスに定評がある。

著者紹介

エアーズシー証券株式会社 金融商品開発部長

野村総合研究所、モルガン・スタンレー証券、バークレイズ証券などを経て、2018年7月より現職。
金融・証券および資産運用に関する分野において、30年近くの経験を積む。伝統的な資産運用に加え、オルタナティブ資産運用に関する研究や実践を行う。最近では人工知能を利用した資産運用やトレーディング戦略に関するコンサルティングにも携わってきた。
現在は国内外のオルタナティブ・ファンド運用会社と密接な関連を築きながら、金融商品の開発とマーケティング活動に従事している。

著者紹介

連載今後、起きると予想される「金融危機」「経済ショック」…マーケットの不確実性に備える「ヘッジファンド投資」の底力

取材・文/渡辺 賢一 撮影/佐山 順丸(人物)
※本インタビューは、2018年8月7日に収録したものです。