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「日本の不動産市場」が他のアジア各国に比べて伸び悩む理由

今回は、日本の不動産市場が他のアジア各国に比べて伸び悩む理由を見ていきます。※本連載は、風戸裕樹氏の著書『初心者のための東南アジア投資ガイド 2018 プロが教える5カ国の不動産投資環境(タイ、マレーシア、フィリピン、ベトナム、カンボジア)』(インターメディアジャパン株式会社)から一部を抜粋し、東南アジアへの投資について解説します 。

バブル崩壊後、投資を怖がるようになった日本人

ここ数十年、日本経済は大した動きを見せていない。ほぼ休止状態だ。20年前に起こったバブル崩壊のせいで今はほとんどの人が投資、とりわけ不動産投資を恐れている。当時、期待が高まりすぎていた。価格がかなり高騰していたにも関わらず、人々は不動産を買い続けた。中には敢えて険しい道を選び融資を受けた人もいる。貸付金は決して少なくない額だったが、それでも彼らは思い切ってローンを組んだ。希望、夢、未来を投資に託したのだ。

 

そしてバブルが崩壊した。

 

同じことがアジアの多くの国にも起きた。東南アジア諸国は何とか持ち直すことができたが、日本はできなかった。少なくとも他の国と同様の持ち直し方ではなかった。

 

そういう訳で人々はお金で何か重大なことをするのを怖がっている。バブル崩壊後に不動産投資するなどもっての外だ。大抵の人がバブル崩壊に苦しんだ人を最低1人は知っているため、皆慎重にならざるを得なかったか、単純に怯えているという可能性が大いにある。

 

人間とは怯えている時、何であろうとあるものにしがみつこうとする生き物だ。バブルが崩壊して以来、人々は必要な時にお金が払えないのではないかと恐れて貯蓄という古い考え方に逆戻りし、それが続いている。当然の不安だ。目に見えるものを持っておきたいという考えに素早く戻ってしまったのだ。理解できることだが、これを続ける訳にもいかない。それでは経済が回っていかない。

 

この考えや現実を理解するのは今は難しいかもしれない。確かに現金のほうが信頼できるが、お金を貯め込んでいるだけでは経済は動かない。すぐに他の産業や経済の他の側面にも影響が出始めるだろう。何もかもが鈍化し、経済は不景気、破たん寸前になるだろう。支出の欠如は様々な産業を停滞させ、お金を失い始める人や職を失う人も出てくるだろう。遅かれ早かれ、お金そのものの価値にマイナスの影響が出る。また、為替レートが急落したとなればさらに多くの問題が生まれることになる。

 

つまり日本人の多くが経済の仕組みを理解してないということなのか? そうではないが、彼らが怯えているという現実は残されたままだ。これを読んでいるあなたも怖びえているに違いない。経済が回り、再び活発になるにはお金を賢く使わなければいけない。そのことはほとんどの人が知っている。お金をある程度手放すなら、その分を取り戻すだけでなくそれ以上の金額を確実且つ予測可能なペースで得たい。彼らにはそれを保証してくれるものが必要だ。

不動産投資で経済の活性化を実現したフィリピン

アジアの他の国、特に東南アジア諸国は20年前の経済崩壊から回復し、現在も好調なのは良いことだ。中にはバブル崩壊直後も開発をやめない国がいくつかあった。人々はまたバブルがはじけるのではないかとか、投資すれば状況がさらに悪化するのではないかなどと言っていたがそうはならなかった。実際、注目に値する当時の有名なサクセスストーリーがいくつかある。

 

例えばフィリピンのボニファシオ・グローバル・シティ(BGC)がいい例だ。そこはかつては軍事基地だったところで私有地に転換された地区だ。開発が始まったのは20世紀の終わり頃。ビルは建っておらず、代わりに大きな穴が地面に開いていた。地域初となる数軒のビルの基礎用に掘られたものだった。当時人々が知っている建物は少ししかなかった。マンションやオフィス用として建てられた大きなビルが4つあり、ムードや好みに合わせた様々なレストランのあるナイトスポットがあった。これらのナイトスポットはいち早く導入され稼働していた。人々をその場所に引き寄せることで投資に興味がある人がさらに多く集まってくるようにしたのだ。

 

それが功を奏した。そこには開発用の土地が多数あり、また、開発する準備が整った状態となっていた。フィリピンの景気はアジア地域で一番良かったとまではいかないにしても、特にその当時は出かけて行って投資をする明確な理由があった。どのみち古くからある中心的な商業地区はますます混雑していたのだ。BGCはそれにとって代わる素晴らしい案だった。徐々に多くのビジネスがそちらに入ってきた。

 

今はどうか? 大きな成功を納め、今もどんどん発展している。数軒しかなかったビルはかなり増え、この地域は今では国内外の多くのビジネスにとって主要な場所となっている。建設に携わった全ての人やこの地区に投資した外国人は今、その恩恵を受けている。アジアの経済危機が終焉を迎える頃だったにも関わらず、彼らは再び投資することを恐れなかった。はっきり言ってこれがあるべき姿だ。もちろん慎重になることは必要だが、恐れてはいけない。

 

経済を活発にしたいならお金を使わなくてはいけないが、賢く使わなくてはいけない。お金や経済の仕組みについては理解しているのかもしれない。それでも何かに投資することが怖いか、少なくとも不安に思っているだろう。それは理解できるし、恥ずかしいことでも何でもない。アジアの他の国々が成長し、それが継続しているのは良いことだと思う。その地域における投資の可能性や投資機会を示してくれているから。状況がさらに良くなることを願う理由がそこには本当にあるのだ。その上、市場もITも成熟している。新たなサクセスストーリーをスタートし、現実のものにする方法がたくさんあるのだ。

 

世の中にはどの投資が良くてどの投資が悪いかに関する情報があり、それは見つけるしかない。日本人がまず気付くべきは、もう他人事ではないということだ。つまり自分でストーリーを作ることができ、自分もその登場人物になれるということ。自分もその一部として関わることができるのだ。

 

本連載を読むことでトンネルの向こうに光が見えればいいなと思っている。した方がいいと言われるから投資をするのではなく、必要な指標の見方が分かり、安全且つ上手に投資できるようになるからだ。

Property Access 株式会社 CEO 創業者

2004年、早稲田大学商学部卒業。不動産仲介、不動産投資ファンドの購入担当を経て、2010年、不動産仲介透明化フォーラム(FCT)を設立。米国型の売却エージェントサービス「売却のミカタ」を開始し、全国展開。2014年にソニー不動産にFCT社を売却、その後、ソニー不動産で営業を開始。ソニー不動産の執行役員、売却コンサルティング事業部長兼コンサルティング事業部長として創業に携わるとともに事業を拡大、不動産取引の透明化を加速。2017年、シンガポールにてProperty Access 株式会社を共同創業。日本では不動産売買の専門家として広く知られる。
著書に、『マンションを相場より高く売る方法』(ファーストプレス、共著)、『初心者のための東南アジア投資ガイド2018』(インターメディアジャパン株式会社)がある。

著者紹介

連載シンガポール在住のプロが教える「東南アジア不動産投資」の基礎知識

 

初心者のための東南アジア投資ガイド 2018

初心者のための東南アジア投資ガイド 2018

風戸 裕樹

インターメディアジャパン株式会社

海外投資はリスク? それともチャンス? 日本の不動産のプロである風戸裕樹が東南アジアを1年間飛び回り調査。初めての海外投資の前に伝えておきたいことを公開。 各国の不動産投資規制や税制、価格比較つき!

 

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