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地主の一人息子のための相続対策① 母親名義のアパート建築

今回は、地主の一人息子のための相続対策として、母親が「自分名義」のアパートを建築する方法と、その具体的な効果を検証します。※本連載は、相続専門税理士、田中誠氏の著書、『お金持ちのための モメる相続 モメない相続』(実務教育出版)の中から一部を抜粋し、地主の相続対策の成功のポイントを、具体例を挙げながらクイズ形式で解説します。

土地を「貸家建付地」として評価額を圧縮する方法

 

本田家の相続事情

幸子さんには、自宅と土地合わせて2億円、預貯金1000万円の資産があります。この資産に課税される相続税は5260万円。相続人は茂さん1人。子どももいない状態で、どのように節税すればいいのでしょうか?

 

 方法1  自分名義のアパートを建てる

 

幸子さんはA銀行からの提案に乗らずに、B銀行からの提案で自分の土地にアパートを建て、土地の評価を下げて相続対策を取ることにしました。

 

幸子さんの土地に幸子さん名義でアパートを建築すれば、その土地は貸家建付地の評価となり、土地の評価を大きく減らすことができます。

 

貸家建付地の評価の減額の割合は、「借地権割合×借家権割合」です。

 

仮に借地権割合が70%とした場合、1億5000万円の土地は1億1185万円まで評価を下げることができます。たとえば、5000万円の融資を受けて建物を建てる場合は、建物の評価減も行うことができます。

 

建物の相続税評価は、固定資産税評価を用いるため建築価格の60%ほどで、貸家の場合は30%の借家権割合を控除されることから、自宅などの70%で評価されます。つまり、評価額は5000万円×60%×70%で、2100万円です。

 

遺産総額は、幸子さんの預金1000万円と小規模宅地の特例を活用し、評価を下げた自宅1000万円に貸家建付地の土地1億1185万円、建物が2100万円です。ここから借入金の5000万円を差し引いて、課税総額は1億1750万円となります。相続財産に課税される相続税は、1745万円となります。

相続税は減額できたが、アパート経営の今後が懸念事項

相続税を大きく下げられたことで、大喜びの幸子さん。これからアパート経営を順調に行っていけば、納税資金を貯めることができるはずです。しかも、建築費用として借りたローンを返済できれば、収益源を遺産として残すことができます。でも、すべては「賃貸経営がうまくいったら」の話。賃貸経営がうまくいくよう、幸子さんは毎日祈るような気持ちで過ごしています。

 

 選択結果  中 策 

 

銀行から5000万円の融資を受けて自分の土地にアパートを建て、評価を下げる。借入金を抑えることはできたが、相続税は1745万円となった。今後のアパート経営が心配。

税理士法人エクラコンサルティング
株式会社エクラコンサルティング 代表社員
税理士

長野県生まれ。昭和54年横浜国立大学経営学部卒業。平成3年株式会社タクトコンサルティング入社。平成15年税理士法人タクトコンサルティング代表社員に就任。平成23年税理士法人エクラコンサルティング・株式会社エクラコンサルティングを設立。税理士法人タクトコンサルティングで20年にわたり、全国の税理士・会計士との共同案件を実践してきた経験を生かし、現在も同様に相続、譲渡、交換、事業承継、土地活用、M &A等に関する実務および企画研究、講演、執筆等、日本全国で活動している。

著者紹介

連載アパート建築 vs.不動産法人設立…地主のための相続対策のポイント

 

お金持ちのための モメる相続モメない相続

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田中 誠

実務教育出版

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