▲トップへ戻る
長時間勉強しても身につかない!? 日本の英語教育の問題点

前回は、国際競争力への影響も懸念される、日本人の英語能力の現状を探りました。今回は、日本の英語教育の問題点を探ります。

文法中心の座学ではコミュニケーションは身につかない

たいていの日本人は、中学・高校の6年間、さらには大学進学後にも、なんらかのかたちで英語を勉強しています。

 

一般的な学校で平均的に英語の授業を受けてきた人の場合でも、中学校で265時間、高校で約360時間――6年間で合計約625時間も、英語を学んできたことになります。

 

書かれている英語を見ればなんとなく意味がわかり、英語で話しかけられれば内容の見当はつく。しかし、いざ自分が話そうとすると、言葉が出てこない、外国人とまともにコミュニケーションを取ることができない・・・。

 

その原因としてしばしば指摘されているのが、文法中心の英語教育です。

 

「三人称単数現在のときは動詞にsがつく」「受動態はbe動詞+過去分詞」といった文法を一生懸命覚え、動詞のsを書き忘れようものなら、テストでは減点。

 

単語はつづりと意味を正確に覚えることが求められ、受験用に何百ページにもおよぶ単語帳をまるごと覚えることに必死です。

 

日本の学校の英語教育では、テストで評価する際に採点者によってブレがでないように平準化することに重きが置かれています。

 

そのため一単語あたり、一つの日本語の対応語をあてがって指導することが多く、単純な単語でもほかの意味で使われると途端に文章全体の意味をとらえられなくなってしまうということが起こりがちです。

 

そもそも英語と日本語では使われる文化的背景が異なりますから、一対一で対応できるはずがありません。英単語と日本語を一対で覚えると、ほかの英単語と組み合わせた熟語の意味も、一つひとつ個別に覚えなければならなくなってしまいます。

 

漢字を覚える学習だったら、新しい漢字が出るたびに熟語をいくつか挙げ、熟語を使った例文を書いて覚えたはずです。日本語と同じく英語を「使う」という前提で学べば、英単語も漢字と同じように学習したほうが効率的です。

 

また、英語は日本語に直訳するとニュアンスが異なることも多く、座学だけでなく、会話するといった実践を積み重ねながら微妙な違いを理解していくことが大切です。

「正しく英語を使いこなすこと」にこだわる日本

英語を「使う場」をつくるべく、日本の学校教育では、実際の会話を想定して授業にリスニングを取り入れたり、ALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)と呼ばれる外国人が授業に参加したりと、さまざまな工夫がなされています。

 

しかしそれでも、試験や受験となれば、「正確な知識があるかどうか」のほうが重視されることに変わりはありません。

 

こうした教育を長年受けてきたことで、英語とは「間違った使い方をしてはいけない」「正しい方法で話したり書いたりしなければならない」ものであると思い込んでいる日本人は大勢います。

 

正確な知識を身につけることは重要ですが、実際の英会話の中では、少々時制を間違えたり、前置詞が抜けたりということは、頻繁に起こります。教科書にあるとおりの話し方をしなければ、会話ができないというわけではありません。

 

正しく英語を使いこなすことに多くの労力と時間が割かれ、実際に使ってみる、英語でコミュニケーションを取るといった部分が犠牲にされてきた――それが、勉強時間が多い割に日本人の英語力が向上しない原因です。

 

国の教育体制がすぐに変わることは期待できないことを考えれば、学校教育だけでバイリンガルになることは不可能といってよいでしょう。

幼児英語教育研究家

ヒューストン生まれ。4歳で日本に帰国したのち、12歳でカナダへ。慶應義塾大学理工学部入学後、環境情報学部へ転籍。フランス語(第一外国語)、イタリア語(第二外国語)を学び、語学への理解を深める。卒業後は、日本アイ・ビー・エムシステムズ・エンジニアリング株式会社勤務、フリーランスで翻訳・通訳の仕事に携わるほか、日本の英語教育学者の第一人者である東京大学名誉教授の岡秀夫教授に師事。
現在は、敬愛大学でSkype英会話の講師を務めるほか、幼児英語教育研究家として子どもたちの英語教育に携わる。日本人男性との間にもうけた一女をバイリンガルに育て上げた。

http://life-produce.jp/

著者紹介

連載バイリンガルに育てるための「5歳までの英語習慣」

本連載は、2016年2月25日刊行の書籍『バイリンガルは5歳までにつくられる』から抜粋したものです。本書で紹介している書籍、DVD、アプリ、WEB動画等の各種コンテンツは、2016年2月のものであり、今後予告なく変更することがあります。

 

バイリンガルは 5歳までにつくられる

バイリンガルは 5歳までにつくられる

三幣 真理

幻冬舎メディアコンサルティング

グローバル化が叫ばれている昨今、世間では英語力が問われる風潮になりつつありますが、日本の英語力は依然として低いまま。学校での英語教育も戦後間もない頃からのスタイルとほとんど変わらないのが現状です。そのためか、日…

 

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

登録していただいた方の中から
毎日抽選で1名様に人気書籍をプレゼント!
会員向けセミナーの一覧