逓増定期保険(50%損金タイプ)の解約返戻率の比較

前回は、性別・世代別に見る逓増定期保険100%損金保険の解約返戻率の比較について取り上げました。今回は、逓増定期保険(50%損金タイプ)の解約返戻率を比較していきます。

「CFが悪化する」ことを念頭において活用する

次に、法人保険のうち、「保険料の50%を損金に算入でき」「解約返戻率が高いもの」について、各年齢でメインの商品比較をしていきましょう。

 

仮に年間の保険料が1000万円である場合、100%損金では1000万円が損金に算入されますが、50%損金は500万円しか損金に算入されません。

 

そのため、「やっぱり1000万円経費をつくりたい」という法人だと、年間の保険料を2000万円にする必要があります。しかし、キャッシュアウトが1000万円→2000万円となり、キャッシュフローが悪化します。そのため、一般的な中小零細企業においては、資金が潤沢でないケースが大半のため、50%損金を活用する場合は、「キャッシュフローが悪化する」ことを念頭において活用する必要があります。

 

保険営業担当者から「税金対策になりますよ」と50%損金商品を勧められ、言われるがままに契約した方の大半は、「節税したはずなのにお金がない」と不満を漏らします。当然です。節税をするのに、2倍のコストをかけるのが50%損金商品です。お金がなくなるのは当たり前です。よく考えずに、言われるがままに契約するとこうなるのです。

 

50%損金を活用する場合は、キャッシュフローに気をつけ、後述する「借入制度」を活用するなど、キャッシュフローが傷まない範囲で実行したいところです。

性別・世代別、50%損金保険商品の返戻率の比較表

特に使う四つの50%損金は、100%損金でも出てきた「長期平準定期保険」と「逓増定期保険」に加え、「養老保険」「終身がん保険」です。

 

まず初めに、「逓増定期保険」から見てみましょう。前述のとおり、逓増定期保険は、一定の契約条件に該当すると、1/2損金、1/3損金、1/4損金のいずれかになってしまいます。

 

そんな逓増定期保険ですが、次の2パターンに大別されます。

 

●解約返戻率がなだらかに上昇する「通常タイプ」

●一定期間まで解約返戻率が低めに設定されている「低解約返戻金タイプ」

 

それぞれ比較しながら見ていきましょう。今回、5年目の解約返戻率の高い順に比較します。

 

●30歳男性・30歳女性の「50%損金・逓増定期保険」比較表

それでは、最初に、30歳男性と30歳女性の比較表を見てみましょう(図1、2)。

 

[図1]50%損金保険の比較表 ①

[図2]50%損金保険の比較表 ②

 

●40歳男性・40歳女性の「50%損金・逓増定期保険」比較表

それでは、次に、40歳男性と40 歳女性の比較表を見てみましょう(図3、4)。
通常、年齢を重ねると、解約返戻率は落ちていくのが一般的です。30代と比較するとほとんどの会社で解約返戻率が減少傾向になります。

 

[図3]50%損金保険の比較表 ③

[図4]50%損金保険の比較表 ④

 

●50歳男性・50歳女性の「50%損金・逓増定期保険」比較表

次に、50歳男性と50歳女性の比較表を見てみましょう(図5、6)。

 

[図5]50%損金保険の比較表 ⑤

[図6]50%損金保険の比較表 ⑥

 

50歳になっても、それほど解約返戻率の落ちが大きくなっているわけではありません。

 

●60歳男性・60歳女性の「50%損金・逓増定期保険」比較表

最後に、60歳男性と60歳女性の比較表を見てみましょう(図7、8)。

 

[図7]50%損金保険の比較表 ⑦

[図8]50%損金保険の比較表 ⑧

 

60歳となっても5年目で90%台をキープしている保険会社はあります。どの年齢帯でもそれなりの効果を取りにいくことができます。

 

また、低解約返戻金タイプについては、4年目までは非常に解約返戻率が低く、5年目に一気に90%台に上昇するものがあります。このタイプは、解約返戻率の低い時期に個人へ譲渡するというスキームで活用されることのほうが多く、ここ10年続いた大人気スキームです。このスキームは「MHPスキーム」と呼ばれます。

幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

連載法人保険の活用術…解約返戻金による節税で手元の資産を残す方法

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

監修 吉永秀史
編著 幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

節税、相続対策、会社から個人への資産移転…… 法人保険を使って税金を極限まで減らす方法を徹底解説! 日本の法人課税は諸外国に比べて高い水準にあり、税引き前所得に対して35%程度の実質的な法人税率が課されます。 …

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