健康住宅の管理…従来の「シロアリ対策」が引き起こす問題

今回は、間違ったシロアリ対策が引き起こす問題を見ていきます。※本連載は、住医学研究会名誉顧問・ウエッジグループのオーナーの澤田升男氏の著書、『新版 住宅展示場では教えてくれない本当のこと。』(株式会社ザメディアジョン)の中から一部を抜粋し、本当に良い家を見極めるポイントを紹介します。

日本のシロアリ対策に使われてきた、有機リン系の薬剤

ニセモノの健康住宅の問題点として最後にご紹介するのは、床下に施されるシロアリ対策についてです。

 

日本の住宅のシロアリ対策は、住宅の床下(地面から1メートルまでの範囲)に防腐・防蟻剤を散布する方法が一般的で、その薬剤として有機リン系の農薬が使われてきました(有機リン系は、和歌山毒物カレー事件に使用されたものです)。

 

最近では、人に毒性の高い有機リン系農薬に代わり、タバコのニコチンと似た成分のネオニコチノイド系農薬が防腐・防蟻剤として使われることが多くなっています。一般的な健康住宅でも、シロアリ対策については、このネオニコチノイド系農薬を使っている場合がほとんどだと思います。

 

ネオニコチノイド系農薬には、昆虫の神経を興奮させ、最終的に死に至らせる作用があります。害虫駆除には効果的ですが、実は、害虫だけでなく益虫にも影響を及ぼすことが問題になっているのです。

 

全米50州のうち25以上の州で大量のミツバチが消えるという現象が起こり、その原因が農作物などにネオニコチノイド系農薬を多用したことだと話題になりました。ミツバチがネオニコチノイド系農薬に曝露(ばくろ)すると脳の神経が狂い、帰巣できなくなってしまうというのです。

 

農作物の受粉に欠かせないミツバチにダメージがあるということは、私たちの食生活にとっても深刻な問題です。

 

こうした現象はすでに世界各地に広がっており、ヨーロッパでは使用規制などの対策が広がりつつあります。特に農業大国フランスでは、近い将来ネオニコチノイド系農薬の使用が全面禁止になることも決まっています。

 

では日本はどうかというと、世界の動きとは正反対に、国内のネオニコチノイド系農薬の使用は今でも拡大しているというのが現状です。

 

そして、こうした発表からネオニコチノイド系農薬が人体に影響することも分かったのです。害虫駆除の濃度で人が死ぬことはないにしても、胎児や小児にはごく少量でもさまざまな影響を及ぼすと言われています。近頃キレる子どもが多いのも、このネオニコチノイド系農薬の多用と関係があると考えられています。このように危険な薬剤を床下に散布するとは、なんとも恐ろしいことです。

 

さらに最悪なのは、「薬剤の有効期間は5年間」との保証期間を設け、5年ごとに無料で点検を行い、シロアリが存在しなくとも処理をしたほうがいいという営業を行うことで、危険な薬剤が5年ごとに繰り返し床下に散布されていることです。しかも、薬剤自体はとても安価なはずなのに、散布料金はなぜか非常に高額に設定されています。

 

最近では「ホウ酸」を使う業者も増えたが・・・

ちなみに、「0宣言の家」では、シロアリ駆除剤として、ホウ酸を使っています。人体に影響がなく安全で、しかもホウ酸は無機物であるため、その効果は半永久的に続くことから、5年ごとに駆除する必要はありません。

 

ただし、ホウ酸も全て良いわけではないのです。

 

「0宣言の家」で使っているのは、100%純粋な、ピュアホウ酸です。人体に悪影響のない不純物ゼロのホウ酸を使用しています。

 

最近では、ホウ酸を使う業者も増えましたが、その中身は、人体に害のある有機系の薬剤にホウ酸を混入しているものを使用している場合がほとんどです。

 

なぜピュアホウ酸を使用しないかといえば、ピュアホウ酸は高額であり、有機系薬剤に混入したほうが、安価で利益を得やすいからです。人の健康を奪ってでも、自分の利益には執着するという姿勢は、いかがなものでしょうか。

住医学研究会名誉顧問
ウェッジグループオーナー

1963年、岐阜県の工務店の2代目として生まれる。大学で建築工学を学び、卒業後、ゼネコンに入社するが、家業を継ぐため1年で退社。23歳にして沢田建設株式会社の経営を引き継ぎ、年商4000万円の会社をわずか3年で年商10億円まで成長させる。その後、全国に「本物の家造り」を広めたいという思いで、自然素材のパッケージ住宅やオリジナル工法「ダブル断熱」などを提供する株式会社オーパスを設立。全国の工務店にノウハウや資材を販売するほか、営業サポートなどを行い、全国のお客様に会員工務店を通じて「本物の家造り」を提供。設立後、わずか7年でオーパス会員工務店800社まで育てる。2007年に上場企業に売却後、現在は建築業界だけでなく、幅広く異業種に向けてのコンサルティングも行っている。

著者紹介

連載住宅展示場では教えてくれない「本当の健康住宅」を見極めるポイント

 

 

新版 住宅展示場では教えてくれない本当のこと。

新版 住宅展示場では教えてくれない本当のこと。

澤田 升男

ザメディアジョン

住まいの新築やリフォームを検討する時、新聞やテレビCMでよく目にしている会社や国の補助金や優遇制度の対象となる住宅など、知名度が高く、しかも国の認定基準を満たしていると聞くと、「それなら安心」と納得し、選択肢に加…

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