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法人名義の「医療保険・がん保険」を活用した資産移転術

前回は、逆ハーフタックスプランの経理処理について解説しました。今回は、法人名義の医療保険やがん保険を個人名義に変更する資産移転スキームを見ていきます。

GHTスキームは、営業担当者選び・代理店選びに注意

GHTスキームについては、満期保険金受取人を個人に設定することで、法人から個人への移転が可能となりましたが、契約時に満期保険金受取人を個人にすることは、基本的にどの保険会社でもできません。次の契約形態にあるとおり、いったん、ハーフタックスプランで変更した契約の「受取人変更」を行うことで、逆ハーフタックスプランとして保有するケースが大半です。

 

<契約時>

 

●契約者・・・法人

●被保険者・・・経営者、役員、従業員

●死亡保険金受取人・・・経営者、役員、従業員の遺族

●満期保険金受取人・・・法人

 

    ↓

 

<契約後すぐ>

 

●契約者・・・法人

●被保険者・・・経営者、役員、従業員

●死亡保険金受取人・・・法人

●満期保険金受取人・・・経営者、役員、従業員の遺族

 

この手続きは保険会社に依頼をかければ、大方どの保険会社でも可能ですが、現場レベルや代理店レベルでは、この取扱いを行わない、受け付けないということにしているところもありますので、営業担当者選びや代理店選びが非常に重要になります。

医療保険・がん保険を使った資産移転の流れ

ここまで、逓増定期保険や養老保険による資産移転の主な方法を見てきました。他にも、効果はやや薄れるものの、資産を効率的に移転できる商品はあります。

 

たとえば、低解約返戻金型の終身保険は、低解約返戻金型の逓増定期保険とは違って、解約返戻率がある時期を境に大幅に上昇するということはありません。逓増定期保険の場合、「4年目の返戻率が18%、5年目の返戻率が97%」といった具合に、「はじめは低くても突然急激に上昇する」というタイプでした。終身保険は9年目が70%、10年目が100%といったように、逓増定期保険に比べて伸び率がやや緩やかです。また、逓増定期保険は、法人が加入している期間であれば保険料の全部または一部を損金に算入できますが、終身保険は損金算入ができません。効果は薄れるものの実際には多くの事例があります。

 

また、法人名義で加入した医療保険やがん保険も、法人から個人に名義変更をすることでメリットを得られます(図表参照)。

 

[図表] 資産移転の方法の例

法人名義で掛け捨ての医療保険やがん保険の契約をすれば、保険料の全額が損金に算入されます。また、解約返戻金がゼロのため、無償で移転することができます。その後は個人で、非課税で給付金を受け取ることができます。

 

法人で給付金を受け取ると「雑収入」として益金計上されてしまいますが、個人で受け取ると非課税です。保険料を損金にできる法人契約と、給付金を非課税で受け取れる個人の「いいとこ取り」の仕組みになります。

 

いずれも解約して現金化することはできませんが、法人で加入しておけば損金算入の税効果を享受でき、名義変更によって将来の医療費に備えるお金を実質的に無償で移転することができるので、検討する価値のある商品だといえます。

医療保険・がん保険の利用は、ロス発生への理解が必要

ただ、医療保険やがん保険というものはそもそも「ムダ保険の王様」といわれ、どんなに病気をしたとしても、入院したとしても、支払った保険料が戻ってこないケースが大半です。保険業界における情報弱者向け商品として代表的なものです。

 

医療保険やがん保険を利用する場合は、厚生労働省のデータなどもしっかり調べ、今の日本の社会保障や医療現場の状況からは、資産のロスが出る確率が圧倒的に高い商品であることをしっかり理解して取り組む必要があります。

幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載法人から個人へ…生命保険を活用した資産移転術

本書籍は、保険会社の中枢にいて、商品開発をはじめ、銀行・証券・税理士事務所をはじめとした全国の販売代理店支援やトラブル対応の経験を持ち、保険業界の裏事情をよく知る吉永秀史氏に監修をしていただきました。

本資料は、取材・調査に基づき、現実に存在している一般的な生命保険活用事例を示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投信元本の利回り等を保証するものではありません。また、本書籍は、平成30年1月1日現在の法令に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。記載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本書籍で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険を掛けられる人、その対象となる体を提供する人をいいます。

 

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

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監修 吉永秀史
編著 幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

節税、相続対策、会社から個人への資産移転…… 法人保険を使って税金を極限まで減らす方法を徹底解説! 日本の法人課税は諸外国に比べて高い水準にあり、税引き前所得に対して35%程度の実質的な法人税率が課されます。 いか…

 

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