法人保険の「逆ハーフタックスプラン」の経理処理方法

前回は、法人保険の「GHTスキーム」の活用法を解説しました。今回は、「逆ハーフタックスプラン」の2種類の経理処理方法を見ていきます。

給与勘定タイプ・・・「給与」という損金算入で処理

まず一つめに、「給与勘定タイプ」について見ていきます。

 

図表1を見てください。今回、3年満期の養老保険を活用します。契約形態は、逆ハーフタックスプランの契約形態です。保険料の経理処理が、50%分は「支払保険料」という損金算入処理、残50%分は「給与」という損金算入の処理になっています。結果的に、支払う保険料の100%が損金に算入されている形になります。

 

[図表1] 逆ハーフタックスプラン・給与勘定タイプのイメージ

所得税・住民税、社会保険料負担も考慮を

ここでの注意点は「給与」となっている点です。給与として計上するということは、経営者個人の所得額を増やすことになるため、金額によっては最高55%までの所得税・住民税率が課される可能性があります。また社会保険料の増加につながることも考えられます。法人としては損金に算入できても、個人で高額な税や社会保険料負担を課せられてしまっては元も子もありません。

 

「給与」として経理処理を行う場合は、所得税・住民税、社会保険料負担のことも考えて処理する必要があります。このプランでは、3年を経過すると、1億円が社長個人に支払われ、社長個人に一時所得の申告義務が発生します。給与勘定タイプにおいては、一時所得の計算上、給与と処理したものについては差し引いて計算ができるため、一時所得の計算は次のようになります。

 

(1億円-5250万円-50万円)×1/2=2350万円

 

この2350万円を他の所得と合算して申告する形になります。仮に、所得税・住民税の最終合算税率が55%である場合、約1292万円の税が課せられ、手残りは、約8708万円となります。

貸付金勘定タイプ・・・「役員貸付金」で処理

二つめの経理処理パターンは、貸付金勘定タイプです。

 

次の図表を見てください。契約形態や商品スペックは同じです。違いは経理処理です。保険料の経理処理が、50%分は「支払保険料」という損金算入処理、残50%分は「役員貸付金」という債権債務発生の処理(債権の増加処理)になっています。

 

[図表2] 逆ハーフタックスプラン・貸付金勘定タイプのイメージ図

ここでの注意点は、この「役員貸付金」です。貸付金ということは、社長に保険料相当額を貸し付けていることになるため、法人として債権、社長個人として負債が残ります。

 

この社長個人の負債をどういった形で返済するかが非常に重要なポイントです。この社長個人に相続が発生すると、原則債務も相続されてしまうため、何らかの形で消していくこととなるでしょう。

役員借入金精算タイプ・・・半分は債権債務発生の処理に

三つめの経理処理パターンは、役員借入金精算タイプです。

 

次の図表を見てください。契約形態や商品スペックは同じです。違いは経理処理です。保険料の経理処理が、50%分は「支払保険料」という損金算入処理、残50%分は「役員借入金」という債権債務発生の処理(負債の減少処理)になっています。

 

[図表] 逆ハーフタックスプラン・役員借入金精算タイプのイメージ

 

ここでの注意点は「役員借入金」です。このケースは、もともと法人が社長個人から負債を負っている場合に採用されます。

 

不動産投資家などに多いですが、物件を買うために個人から法人に貸付をしている場合はよくあります。これも、相続が発生すると「債権」として原則相続されますので、どういった形で消していくかは多くの法人で問題になっています。

 

債権の株式化(DES)や、債務免除など、いろいろな方法はありますが、いずれも自社株の評価など難しい問題があります。このタイプの逆ハーフタックスプランを通じてであれば、計画的に消しこんでいくことができます。

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幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載法人から個人へ…生命保険を活用した資産移転術

本書籍は、保険会社の中枢にいて、商品開発をはじめ、銀行・証券・税理士事務所をはじめとした全国の販売代理店支援やトラブル対応の経験を持ち、保険業界の裏事情をよく知る吉永秀史氏に監修をしていただきました。

本資料は、取材・調査に基づき、現実に存在している一般的な生命保険活用事例を示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投信元本の利回り等を保証するものではありません。また、本書籍は、平成30年1月1日現在の法令に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。記載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本書籍で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険を掛けられる人、その対象となる体を提供する人をいいます。

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

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監修 吉永秀史
編著 幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

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