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払済保険変更後の法人保険による「借入活用」の仕組み

前回は、法人保険を「払済保険」として貯蓄代わりにする出口戦略を紹介しました。今回は、払済保険変更後の法人保険による「借入活用」の仕組みを見ていきます。

払済保険のもう一つの出口戦略として知られる「借入」

払済保険にした後、どこかのタイミングで解約すると「一時所得」の申告義務が発生しますが、解約は、一括だけでなく分割での解約もできるため、毎年の所得水準を考えながら、今年は100万円、今年は300万円など分割で受け取り、所得税・住民税を調整することはよく行われています。その調整によって、最終的に2425万円に対する税流出をゼロにすることが可能です。

 

非現実的な部分もありますが、一時所得には、年間50万円の特別控除(非課税枠)があるため、毎年50万円ずつ引き出せば、税流出が一切なく、2425万円全額を回収することが可能です。ただし、2425万円の場合、毎年50万円の分割解約をすると、最低でも48年は要してしまうため、非現実的です。毎年個人にどれくらいの全体所得があり、どれくらい受け取っていくかという調整が重要になります。

 

払済保険にした後、もう一つの出口戦略として、「借入」がよく使われます。次の図表を見てください。ほとんどの保険商品において、解約返戻金の70%〜90%の範囲内で、保険会社からお金を借りられます。図表では、解約返戻金の90%が借入枠となっており、2425万円×90%=約2182万円が借りられます。当然ですが、借入は「非課税」ですので、借入時に税を課せられることはありません。

 

[図表] 払済保険変更後の、借入活用の仕組み

 

なお、この仕組みは「借入」ですので、「金利」が発生します。金利はおおよそ2〜4%の間で商品によって違いますが、大きな注意点が一つあります。仮に、3%の金利である場合、日々利息が計上されていき、いつか、元金+利息の合計が、2425万円に達するときがやってきます。その到達した日に、この保険は「オーバーローン失効」という状態になり、消滅します。借入元金2182万円+利息分243万円の元利合計が相殺され、すべての債権債務が消滅します。最終的に、2425万円の解約返戻金のうち約2182万円を回収して終了ということになります。この失効については、解約と違って、融資を受けた契約者と税務署に対して、「支払調書」が発行されないため、注意が必要です。

一時所得の非課税分だけ引き出し、借入活用する方法も

さらに、この出口戦略では、一時所得の非課税分だけ引き出してから、借入を活用するという方法もよく採用されます。

 

先述のとおり、解約の際の一時所得の計算上、2425万円全額が対象額になるのではなく、4年目の買い取り金額と5年目の負担保険料については、一時所得の計算上、差し引いて計算されますので、仮に、この4年目の買い取り金額と5年目の負担保険料の合計額860万円を分割解約で受け取ったとしても、一時所得として申告する対象額はないということになります。そのため、借入を活用する前に、860万円分+特別控除50万円分だけ課税なしで受け取っておいて、残った1565万円の解約返戻金に対して、借入を活用して資金を回収するといったこともよく行われています。

 

●2425万円のうち、910万円分だけ分割解約する(一時所得課税対象なし)

●1515万円の解約返戻金の90%分(約1363万円)を借入する

 →合計で、2273万円回収する

幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載法人から個人へ…生命保険を活用した資産移転術

本書籍は、保険会社の中枢にいて、商品開発をはじめ、銀行・証券・税理士事務所をはじめとした全国の販売代理店支援やトラブル対応の経験を持ち、保険業界の裏事情をよく知る吉永秀史氏に監修をしていただきました。

本資料は、取材・調査に基づき、現実に存在している一般的な生命保険活用事例を示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投信元本の利回り等を保証するものではありません。また、本書籍は、平成30年1月1日現在の法令に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。記載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本書籍で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険を掛けられる人、その対象となる体を提供する人をいいます。

 

 

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監修 吉永秀史
編著 幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

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