法人保険を活用した資産移転・・・「MHPスキーム」の概要①

前回は、法人保険による資産移転について、税効果以外のメリットを取り上げました。今回は、長く支持されている資産の移転方法である「MHPスキーム」の概要を見ていきます。

活用するのは「低解約返戻金型の逓増定期保険」

では、法人保険の活用によって、具体的に資産がどのように移転されるのでしょうか。

 

まず初めに、すでに10年以上も続いているロングヒットなスキームである「MHPスキーム」について見ていきましょう。次の図表を見てください。

 

[図表] 会社の資産を社長に移転する仕組みのイメージ

まずは契約時の名義です。契約の形態は次のとおりです。

 

●契約者・・・法人

●被保険者・・・社長

●保険金受取人・・・法人

 

このとき、商品は「低解約返戻金型の逓増定期保険」を活用するのが一般的です。

 

当初4年間は法人の資産から保険料を支払います。このケースでは、保険料の50%分を損金に算入できるので、それだけでも法人の税効果が得られます。そして解約返戻率が大きく上昇する前年に、法人名義の保険を社長自らが買い取って、契約者を社長個人の名義に切り替えるのです。

 

このとき、契約の形態は次のようになります。

 

●契約者・・・社長

●被保険者・・・社長

●保険金受取人・・・社長の遺族

 

税法上、保険の評価は「解約返戻金相当額」と明確に決まっています。上の図表のように「解約返戻率18%、解約返戻金360万円」の時点での名義変更であれば、社長が法人に支払う金額は360万円です。保険を買い取った翌年に、個人で1年分だけ保険料を支払うと、解約返戻率は大幅に上がります。すなわち、社長個人としてはまず360万円を法人に支払い、翌年に一度だけ保険会社に保険料を支払えば、解約返戻金として2425万円の現金を受け取れるようになるわけです。

個人が得た所得に対し、「一時所得」の申告を行う

そして、最後に、個人が得た所得に対して、一時所得の申告を行います。一時所得の計算上、4年目に法人から買い取った際の支出分と5年目に1年分だけ支払う保険料、そして、特別控除である50万円を差し引いて、それに1/2を掛けると、申告する一時所得が算出されます。

 

<一時所得の計算式>

(2425万円-360万円-500万円-50万円)×1/2=約757万円

幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載法人から個人へ…生命保険を活用した資産移転術

本書籍は、保険会社の中枢にいて、商品開発をはじめ、銀行・証券・税理士事務所をはじめとした全国の販売代理店支援やトラブル対応の経験を持ち、保険業界の裏事情をよく知る吉永秀史氏に監修をしていただきました。

本資料は、取材・調査に基づき、現実に存在している一般的な生命保険活用事例を示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投信元本の利回り等を保証するものではありません。また、本書籍は、平成30年1月1日現在の法令に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。記載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本書籍で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険を掛けられる人、その対象となる体を提供する人をいいます。

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

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監修 吉永秀史
編著 幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

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