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法人から経営者への資産移転…オーソドックスな「3つの手段」

前回は、出口を「個人契約」とすることで税効果が高まる保険商品の例を紹介しました。今回は、法人から経営者への効果的な資産移転の手段として、保険を活用する方法を見ていきます。

「給与」「役員賞与」「勇退退職金」

法人で、税効果を得つつ、簿外で築いた資産を、いずれ何らかの形でオーナーや経営者の手元に移したいと考える人は多いと思いますが、どのような方法で資産を移すかによって課せられる税金は大きく変わるため、十分に注意しなければなりません。

 

特に、昨今の日本では、所得税・住民税をあわせた最高税率は55%と世界トップクラスのため、個人に資産を移転する場合は、注意が必要です。

 

資産を移転する方法は、オーソドックスなものとして次の三つがあります。

 

①給与(役員報酬)として支払う

②役員賞与(ボーナス)として支払う

③勇退退職金として支払う

 

まず、役員報酬として支払う方法を考えてみましょう。役員報酬を高くすると、最高税率55%となり、高額な所得税・住民税が発生し、経営者の手取り額はかなり減ってしまうことになります。

 

また、役員報酬においては、「定期同額給与」「事前確定届出給与」「利益連動給与」をはじめとした各種ルールがありますので、場合によっては損金算入そのものが否認されることもあり、ある程度のルールに縛られた資産の移転になります。提案スキルに乏しい税理士などの場合、所得税・住民税を気にせず、このケースで安易に提案していることが大半です。

「勇退退職金」は税流出が少ないとされるが、注意点も

続いて、役員賞与として支払う場合はどうでしょうか。こちらも役員報酬のケースと同様に、高額な所得税・住民税が発生してしまう可能性があります。

 

しかし、役員賞与は、原則的に損金に算入できません。会計上は経費ではあるのですが、税務上は「損金不算入」というルールになっているのです。そのため、やみくもに賞与を出しても、その分は損金とならず法人の課税所得が減らないので、法人税の効果はありません。

 

ただし、「事前確定届出給与」として、一定の期限までに「当期は賞与をいくら払います」と税務署に事前に申告していれば、賞与も損金として算入できる場合があります。とはいえ、金額が大きすぎればやはり税務否認を招きかねないので、注意が必要です。

 

最後は、勇退退職金として支払う方法です。勇退退職金は、他の所得と合算されずにそれだけで課税の計算がされるものです。

 

その計算過程の中で、「勤続年数」が長いほど控除が増加する特例や、課税対象を一気に1/2にできる特例があるなどで、実質税率を大幅に下げることが可能であるため、経営者が法人から資産を移す際の税流出の少ない手段としては、従来より最高の方法として君臨してきています。

 

ただし、退職金にも適正額が定められているので、損金算入そのものが否認されるケースもあります。

幻冬舎総合財産コンサルティング 執行役員

CFP・1級FP 行政書士
鹿児島市出身。1999年鹿児島大学法文学部卒業
大手ノンバンクでの債権回収業務を経て、FP・行政書士の資格を24歳で取得後、税理士事務所、保険専業代理店での保険販売・FPコンサルティング業務に携わる。
保険会社時代には、銀行・証券等の金融機関代理店をはじめ、日本全国の保険代理店の販売サポートに携わり、販路が多い業界の表裏事情に精通。
セミナーでは、他に類をみない、年間1000名以上の参加者が集まり、相談における取扱金額は100億円を超え、依頼は後を絶たない。
保険会社内部事情、営業の現場事情に関係なく、公平・正直に情報を伝えることを心がけている。
宅地建物取引士、証券外務員、貸金業の資格も保有。行政書士として、会社設立や遺言等の官庁法務書類作成もサポート。

著者紹介

GGOとは、GENTOSHA GOLD ONLINE(幻冬舎ゴールドオンライン)の略称。『あなたの財産を「守る」「増やす」「残す」ための総合情報サイト』を掲げ、企業オーナー・富裕層を主要読者ターゲットとして運営している(写真は編集長の立本正樹)。

著者紹介

連載資産防衛の最適ツール「法人保険」を活用した究極の税金対策

本書籍は、保険会社の中枢にいて、商品開発をはじめ、銀行・証券・税理士事務所をはじめとした全国の販売代理店支援やトラブル対応の経験を持ち、保険業界の裏事情をよく知る吉永秀史氏に監修をしていただきました。

本資料は、取材・調査に基づき、現実に存在している一般的な生命保険活用事例を示したものであり、データやスキームの正確性や将来性、投信元本の利回り等を保証するものではありません。また、本書籍は、平成30年1月1日現在の法令に基づいて作成しており、今後変更される可能性もあります。個別具体的な法令等の解釈については、税理士等の各専門家・行政機関等に必ずご確認いただくようお願いいたします。記載されている保険商品のイメージ図につきましては、概算値を表示しています。各スキームの導入時は約款や契約概要、パンフレットを必ずご覧ください。

なお、本書籍で示している「契約者」とは、保険料を支出する人で、契約の変更・解約などの権限を持っている人、「被保険者」とは、保険を掛けられる人、その対象となる体を提供する人をいいます。

 

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

法人保険で実現する 究極の税金対策 改訂版

監修 吉永秀史
編著 幻冬舎ゴールドオンライン編集部

幻冬舎メディアコンサルティング

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