
前回は、「ワンルームマンション」投資の人気が高まっている理由を解説しました。今回は、ファミリー向けマンション、コンパクトマンション投資の概要を見ていきます。
郊外でも一定の需要がある「ファミリー向け」だが…
ワンルームマンションが単身者を対象とするのに対し、ファミリー向けマンションは家族を対象とする投資用不動産です。家族の人数や子供の年齢などによりニーズが違うので、間取りや広さのパターンは多彩です。子供がいない家庭向けの2LDKから子供が複数いる家庭向けの4LDKくらいが一般的です。
立地もさまざまで、利便性に重きを置くワンルームマンションが都心部に集まっているのに対し、ファミリー向けマンションは郊外にも多数立っています。子育て世帯にとっては「近くに広い公園がある」など環境の良さが住まい選びの大きな条件となるためです。
ワンルームマンションに比べて、ファミリー向けマンションは郊外でも都心部でも一定の需要が見込めるという強みがあります。
しかし、ワンルームマンションに比べると価格が高く、リスクヘッジも難しくなります。例えば4000万円を不動産投資に向ける場合、下記図表のようにワンルームマンションなら2000万円の物件を2室、ファミリー向けマンションならば4000万円を1室購入できます。家賃はファミリー向けが14万円、ワンルームは7万円とすると表面利回りはどちらも同じですが、ファミリー向けを購入したA医師は、もし物件が空室になれば収入はゼロになります。
一方、ワンルームマンションを2室持っているB医師は2室同時に空室になるリスクは相対的に低いので、余裕を持って投資にあたることができます。
[図表]ファミリー向けとワンルームの空室リスク
単身女性にも人気のコンパクトマンション
ワンルームマンション(20〜30平米)でもファミリー向けマンション(60〜100平米)でもない第三のマンションとして最近注目を浴びているものに「コンパクトマンション」があります。面積はワンルームマンションより少し広めの30〜50平米台が多く、単身世帯が増加した東京で2010年頃からブームが始まりました。特に独身女性が自分の「城」として購入することが多く、このトレンドは関西にも広がっています。
最近では30代の単身者や子供がいない夫婦共働き(DINKS)の人が居住用として購入し、家族構成の変化により引っ越した後、賃貸されていることがあります。
[図表]コンパクトマンションのイメージ