
今回は、ハウスメーカーの知名度と設定家賃の関連性などを見ていきます。※本連載では、藤和コーポレーション株式会社代表取締役 牛島浩二氏の著書『知っていなければ助からない不動産投資の落とし穴』(現代書林)から一部を抜粋し、ハウスメーカーや建築会社が提案してくる「家賃設定」のカラクリについて解説します。
知名度の高い会社の物件は、家賃が高くても借りる?
これまで述べてきたハウスメーカーや建築会社の営業マンが常套句とする――、
「当社は○○ですから」
「上場して信頼性ありますから」
「テレビCMをやっていて、ブランド力がありますから」
――などの営業トークは、例えば本来、八万円が相場の家賃だとしても、こうしたブランド力という差別化で九万円にしても大丈夫ですよ、ということです。
しかし、これは本当の差別化といえるのでしょうか?
賃貸に住む人には、ハウスメーカーの名前は関係ない
本当の差別化というのは、建てた会社のネームバリューやブランド力とは違うのです。賃貸で住む人にとって、ハウスメーカーの名前やブランドはまったく関係ありません。自分が苦労して建てた自宅でもないのに「私、ここに住んでいます」というのは、何の自慢にもならないのです。
家賃を払う入居者はもっと現実的で、エレベーターが二基ある建物、広くて快適な部屋など、実利を求めています。ですから、本当の差別化というのは、立地や物件そのものにしかないのです。
差別化のキーワードは「他にない物件」、でなければならないでしょう。そこら辺に建っているのと同じ物件では、勝負にならないのです。有名ハウスメーカーが建てようが何をしようが、本当の差別化には何も関係ありません。