特集 土地活用の種類別比較(メリット・デメリット・収益性)

土地活用の種類別比較(メリット・デメリット・収益性)

土地活用にはさまざまな種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。収入を得たいと考えているのか、節税対策なのかといった目的によっても最適な土地の活用方法は違ってきます。また、土地のある場所、面積や形状などの条件によっても採用できる方法に違いが生じます。 ここでは土地活用の代表的な5つの種類について、メリット・デメリットを紹介します。どの土地活用が自分の目的に一番合っているか、比較検討をして考えましょう。

 

■1.駐車場経営

駐車場経営では土地を区画割して、利用者へ貸し出すことで賃料を得ることができます。駐車場にもさまざまな種類がありますが、大きく分けると月極駐車場とコインパーキングなどの時間貸駐車場があります。

 

◇メリット

駐車場経営のメリットは、比較的初期費用を抑えられるということです。更地をそのまま利用するのであれば初期費用はほとんどかかりませんが、舗装したり、精算機や車止めなどを設置したりすればその分費用は高くなります。また、将来別の方法で土地を活用したいと考えたときにも、容易に他の方法に転用することができることもメリットです。

 

◇デメリット

一方デメリットは、比較的収益性が低いということが挙げられます。アパート経営などの家賃と比べると、駐車場の月々の賃料はわずかです。しかも、駐車場経営では節税効果が期待できません。土地に住宅が建っていれば固定資産税が6分の1に軽減されるという特例がありますが、駐車場の場合はその特例が適用されません。そのため、税金の支払いをすると利益がほとんどなくなってしまうということもあり得ます。

駐車場経営は、将来別の目的でその土地を利用する可能性がある場合や、初期費用をあまりかけずにいくらかの収入を得たいと考えている人に向いていると言えます。

 

■2.不動産経営(マンション経営・アパート経営) 

不動産経営とは、土地にマンションやアパートを建築し、部屋を貸し出すことで家賃収入を得るという方法です。土地の条件によっては建築基準法で建てられる建物の高さや大きさが制限されていて、周辺の建物の日照時間を確保するための日影規制も定められています。そのため、自分の所有する土地にどのような建物が建築できるか、事前にしっかりと確認しておくことが必要です。

 

◇メリット

不動産経営のメリットとして、大きな収益を期待できることが挙げられます。もちろん空室が発生することもありますが、立地によっては長期的に安定した収入が期待できるため、ゆとりある老後の資産として活用することができます。

また、節税対策としても有効です。マンションやアパートが建っている土地は一定面積までは固定資産税が6分の1、都市計画税が3分の1に減額されます。土地を所有しているだけでも税金がかかりますが、更地の場合と比較してマンションやアパートを建てた方が税金は安くなります。さらに、賃貸住宅を建てると、土地は自用地よりも評価額の低い貸家建付地に、建物は貸家となり、相続税算定の基準となる評価額が低くなるため相続税対策としても効果があります。

 

◇デメリット

一方不動産経営のデメリットとしては、初期費用が高額で、多くの場合多額のローンを組むことになるということが挙げられます。新築当時は満室でも、築年数の経過とともに空室が目立つようになるかもしれません。また、周辺の相場に合わせて家賃を下げなければならないかもしれません。それでも毎月のローンの支払いや管理費は必要なため、期待していた収入が得られず、場合によっては赤字経営になるリスクもあります。

不動産経営は、比較的安定した収入を得たい人や、税金対策をしたい人に向いていると言えるでしょう。多額の初期費用がかかるため、十分に計画してから始める必要があります。

 

■3.介護系施設経営

介護系の施設には、老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、グループホームなどがあります。

 

◇メリット

高齢化が進んでいるため、介護施設の需要はますます大きくなっていくと考えられます。そのため、介護施設経営は社会貢献にもつながるというメリットがあります。

また一般の賃貸住宅の場合は、空室リスクを減らすために立地がとても重要になります。しかし、介護施設の場合は、立地よりもその施設で提供されるサービスによって入居率に違いが生じます。そのため、どの介護事業者と提携するかは収益を得るために慎重に検討しなければなりません。

さらに、介護系施設では、国や自治体から助成金が受けられる場合があります。すべての介護施設が助成金の対象になるのではなく、要件が定められているので確認しておくことが必要です。

 

◇デメリット

介護施設のデメリットは、建築費が高額になることが挙げられます。また、入居率は介護サービスに依存するので、オーナーの努力だけではどうにもならない部分もあります。そのため、事業者選びを失敗すると、多額の借金を抱えてしまうことになりかねません。

さらに、介護施設は建物そのものが特殊な設計になっていることも多く、将来介護施設経営をやめて別の方法で活用しようとすると、リフォームに多額の費用がかかってしまう可能性あります。このように他の目的に転用しにくいというデメリットがあります。

介護施設経営は、社会貢献をしたい人、まとまった大きな土地を活用して安定した収入を得たい人に向いていると言えます。

 

■4.商業系施設経営 

商業施設にはコンビニやスーパー、ドラッグスストア、レンタルビデオ店などさまざまな形態があります。

 

◇メリット

商業施設経営では、土地所有者が土地を事業者に貸し、事業者が建物の建築と事業を行うという「事業用定期借地方式」と、土地所有者が建物を建築し事業者が一括で借り上げる「リースバック方式」があります。前者の場合、土地所有者は土地を貸し出すだけで建築資金の負担がないというメリットがありますが、後者は多額の初期費用が発生します。

 

◇デメリット

商業施設経営は収益の高さはメリットと言えますが、店舗の経営状態によっては契約が途中で解除されてしまったり、次の入居者が決まらなかったりするリスクがあります。また、景気の影響を受けやすいのもデメリットとなります。

商業系施設経営では、集客が見込める立地かどうかは大切な要素です。幹線道路や交通量の多い道路に面した土地を持っているなら、商業系施設経営は良い選択肢となるでしょう。

 

■5.太陽光発電

太陽光発電はソーラーパネルを設置し、発電した電気を電力会社に買い取ってもらうことで収益を得る土地活用方法です。太陽光を含め、電力は経済産業省が定める「固定価格買い取り制度」があり、買取価格や期間が定められています。

 

◇メリット

太陽光発電のメリットは、「固定価格買い取り制度」のおかげで長期的に安定した収益が見込めるということです。また、日当たりさえ良ければ立地はどこでもかまわないという点もメリットと言えます。地価が安いエリアや入居者の需要があまりないエリアだと、賃貸住宅を建てても十分な収益を期待することはできません。しかし、そのような土地でも太陽光発電なら投資金額を回収することが期待できます。

 

◇デメリット

一方太陽光発電のデメリットは、買い取り制度での買取価格が年々安くなっているため、利回りが低くなっていく傾向があるということです。ソーラーパネルの設置費用が高額のため、買取価格が安くなれば投資資金を回収するのが難しくなってしまいます。どれくらいの発電量が見込めるのかといった設備の性能や、設置する土地の広さなどもよく考慮する必要があります。

また、土地にかかる固定資産税や都市計画税は、住宅が建っていれば減税されますが、太陽光発電では税制上の優遇措置はありません。そのため、エリアによってはさらに利回りは低下する可能性があります。太陽光発電は、比較的地価が安く日当たりのよい広い土地を活用したい人に向いている活用方法だと言えるでしょう。

 

以上のように、土地活用の種類はいろいろあります。そのため、自分がどのような目的で土地活用をしたいのかをはっきりさせておくことが大切です。また、自分が所有している土地の立地・大きさ・形状・日当たりなどによっても最適な活用方法が違ってきます。どの方法で土地活用するのか、それぞれのメリットとデメリットをよく理解してから決定するようにしましょう。

 

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