特集 アパート投資のメリットとリスクやマンション投資との違いとは

アパート投資のメリットとリスクやマンション投資との違いとは

マンション投資は多くの場合一室、あるいは数室を購入する区分所有という方法で行われます。それに対し、アパート投資は基本的に一棟まるまる所有します。ここでは、マンション投資は区分所有、アパート投資は一棟所有と前提した上で、二つの違いについて見ていきます。

 

■アパート投資のメリットとは

アパート投資では、空室のリスクを分散できるというメリットがあります。マンションを一室購入して貸し出す場合は、その部屋が空室になれば収入はゼロになります。しかし、アパート投資では複数の部屋を所有しているので、空室が発生し収入が減ることはあったとしても、収入がゼロになることは避けられます。

また、アパート投資は改修の計画が立てやすいこともメリットです。区分所有のマンションの場合は、複数の所有者がいるため、改修工事をしたいと思っても他の所有者の賛同が得られなければ実施することができません。一方、アパートならどのような工事をするかはオーナーの自由です。防犯カメラや防犯灯を設置したり、インターネット回線を敷設したり、アパートの付加価値を高める工事も自由に行うことができます。

さらに、アパート投資の場合は、土地を資産として残すことができることもメリットです。マンションの区分所有の場合は、敷地利用権はありますが、土地と建物を切り離して処分することはできません。つまり、築年数の経過とともに土地の資産価値が減っていくことになりますが、アパート投資の場合は、建物の価値がなくなっても価値のある資産として土地が残ります。

 

■アパート投資のデメリットやリスクとは

アパート投資では特に土地の選定を誤ると失敗につながるというリスクがあります。不動産投資すべてに言えることですが、失敗しないためには空室リスクをできるだけ減らすことが大切です。投資用マンションは、都心部の駅前など立地がよく入居者の需要が見込める場所に建設されていることが多いですが、アパートの場合は、もともと自分が所有する土地にアパートを建てることも少なくありません。本当にその土地で入居者の需要が見込めるかを、よく考える必要があります。

また、アパートの場合は入居者間の騒音トラブルが発生する可能性もあります。音が響きにくい鉄筋コンクリートで作られたマンションと比較すると、木造で作られることが多いアパートでは、隣家の生活音がうるさいと感じることがあります。もし、アパートの管理を業者に任せず自分の行うつもりなら、このようなトラブルの対処もしなければならないこともデメリットになります。

 

■アパート投資とマンション投資の違い

・初期費用
立地や築年数、建物の規模にもよりますが、一般的にアパート投資の方が多くの初期費用が必要です。区分所有のマンションの場合は一室のみ購入するのに対し、アパートでは土地を含め建物一棟を購入するため、購入費が高額になり借入金が多くなる可能性があります。

・ランニングコスト
維持管理の面でも、一棟アパートの方がマンションに比べてコストがかかります。設備の改修や、大規模修繕などの工事を行う場合、マンションの場合は他の区分所有者と資金を出し合って費用を捻出するため、一人当たりの費用は比較的少なくて済みます。しかし、アパートの場合は所有者がすべての費用を支払う必要があり負担が大きくなってしまいます。

・収益面
収益の面で比較すると、所有している部屋数が多いアパートの方が収益は大きくなります。ただし、アパート投資でも修繕費等をしっかりと蓄えておく必要があります。必要な工事を行うことができないと、建物の傷みから資産価値が減ってしまい、空室リスクにもつながるからです。

また、物件の広告などでは、購入価格と家賃収入だけで計算する表面利回りで表示されていることが多いですが、実際には管理費や修繕費などの諸費用、固定資産税、都市計画税などの税金、空室率なども考慮した実質利回りで計算する必要があります。アパート投資の方がマンション投資より家賃収入が多くても、諸費用が多くかかれば実質利回りは低くなる可能性もあります。購入しようとしている物件によって諸費用には大きな違いがありますので、よく計算してどちらが収益を見込めるかを比較することが大切です。

一棟アパート投資と、区分所有のマンション投資と比較して見てきました。アパート投資は多額の初期費用が必要です。また、維持管理していくためにも費用が発生します。投資である以上リスクは付きものですので、アパート投資特有のデメリットやリスクを十分に理解した上で始めるようにしましょう。

 

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