前回は、投資家目線で見た「太陽光発電事業」の将来展望について見ていきました。今回は、ジャパンインベストメントアドバイザー(JIA)の執行役員で、事業開発本部副本部長の楠田喜彦氏が考える『20年間の安定した発電を可能にする「O&M」』について紹介します。

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実際の発電量と事前の予測発電量には差が出ることも…

前回の続きです。

 

既設の太陽光発電所からの安定的なリターンを維持するためには「O&M(オペレーション&メンテナンス)」が重要です。しかし実際にはO&Mとは名ばかりの、ずさんなサービスをO&Mとして提供しているところも多いのが実情です。パワーコンディショナ停止のアラートしか見ていない場合や、その確認さえ行わないまま半年に1度、発電所に行くだけというO&M会社も存在します。

 

当社では発電パフォーマンスを最大化するにはどうすればいいか、また低コストで保守管理をするにはどうすればいいのかなどの提案をしてくれるO&M会社とお付き合いしています。そういった観点からアドラーソーラーワークスとは互いに相談しながら、どうすれば発電所のパフォーマンスを最大化できるのかを議論し、出来る限り具体化した対処を行っています。

 

発電パフォーマンスを重要視するようになったきっかけは、初期の発電所を1、2件購入した直後の数か月で、実際の発電量と事前の予測発電量にかなり開きが出る場合があると分かったことです。投資にあたっては、当初から第三者機関の発電量予測を実施していましたが、その際にプロが使用するソフト「PVsyst」で計算された発電シミュレーションや評価項目を見て、投資するか否かを決定していました。

 

権威ある第三者機関のレポートですので、それを信じて投資をすればいいと安易に考えていたのですが、実際に発電が始まってみると、期待していた発電量を得られない場合もあり、なぜ期待値より少なかったのかを検証し必要な対策を講じるため、特に稼働直後は念入りに発電パフォーマンスを検証するようになりました。

正しい「分析」と最適な「メンテナンス」が必須

発電パフォーマンスは、主にPR(Performance Ratio)値で評価しています(※JISC8960の定義では「システム出力係数」)。PR値とは、日射のエネルギーが理想的な状態で、ロスなく電気に転換されたと考えた場合の仮想の電力量に対して、実際にどの程度の発電量が得られたのかを示す比率のことです。

 

このPR値に基づいて発電パフォーマンスが良いか悪いかを判断しなければ、結果として得られた発電量に対する天候・日射量の影響と発電所の性能・実力とを区別して評価することが出来ません。例えば、昨年夏は異常気象による夏の長雨で発電量が極端に落ちましたが、これは発電所の性能の問題ではありません。こうした点もきちんと分析して、ファンドに出資していただいている投資家様にご報告しています。毎日・毎週の発電量をO&M会社に協力してもらいながら検証しているのです。

 

また、メンテナンスにはコスト感も重要です。例えば、設計や施工の段階ではその土地では発電に影響を及ぼすような雪は降らないと予測していても、異常気象等の理由で予想よりも雪が降ることがあります。そうした場合、いつ、どの程度の積雪を判断基準にして人を入れたほうがいいか、慎重な見極めが必要です。

 

特に、小さい発電所では、遠方から人員を派遣するとあっという間にコスト割れしてしまいますので、こうした例に限らず、いつ、何のO&Mを実施するのかをO&M会社と相談し、互いに知恵を出しながらトラブルを解決しています。

 

 

 

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