前回は、多様化・大型化しても無人営業が可能なコインランドリーについて紹介しました。今回は、無人営業の「旨味」が享受できるコインランドリーのメリットを見ていきます。

無人営業が可能な事業はなかなか見当たらないが…

前回の続きです。

 

私自身も、この疑問が頭に浮かんで以来、いろいろ考えてみましたが、無人でOKな事業というと自動販売機の設置ぐらいしか思いつきませんでした。

 

たとえば自動販売機は、一般社団法人日本自動販売機工業会の調べによると2014年で全国に503万台あり、売り上げの総額は4兆9526億円だそうです。1台当たりの年間売り上げは約98万円になります。1カ月で10万円には届かない。

 

それにくらべてコインランドリーは、いついっても客が全然いないなという印象を受けるような店舗でも、年間200万円から300万円は売り上げています。外から見て、いつも客がいるなと感じるような店なら、軽く1000万円は売り上げているでしょう。

 

もちろんコインランドリーと自動販売機では、必要な面積が違いますから、単純にくらべることはできません。洗濯機1台当たりの売り上げでいったら、同じようなものなのかもしれません。ですからいろいろな種類の自動販売機をならべ無人店舗をつくったら、けっこう儲かりそうな気がします。

食品衛生法が適用される事業は許可や責任者が必要に

しかし自動販売機というものは、飲料水や食料品も販売できますが、無許可で設置できるのは、きちんと密封されたパッケージに入った商品を販売する場合だけです。カップに飲料水やスープなどを注いで販売するタイプのものを設置する場合は食品衛生法が適用されるので、飲食店営業や喫茶店営業などの許可が必要です。

 

このように自動販売機でも、ちょっと店舗風にして中にテーブルと椅子でも置き、ラーメンやスープなども提供できるようにすると、とたんに許可が必要になります。飲食店営業の許可をとろうとすれば常勤の食品衛生責任者を置かざるを得ないので、当然、無人営業はできなくなります。

 

高速道路のパーキングエリアにいくと、食堂や売店と一緒にたくさんの自動販売機がならび、コーヒーはもちろん、ラーメンやハンバーガーなどを販売しています。あれを見ると、町中にもっとこうした食品の自販機を設置した無人店舗があってもいいと思うのですが、法律上は一般の飲食店や喫茶店と同じ扱いになるため、コインランドリーのような無人店舗の旨味はないということなのです。

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

手堅く・長期的な利益を得る コインランドリービジネス新常識

鈴木 國夫

幻冬舎メディアコンサルティング

「ローリスク・ハイリターン」な投資先として近年注目を集めるコインランドリー。しかし実際のところ、コインランドリーは本当に儲かるビジネスなのか? 本書では、業界に携わって37年のベテラン社長が、業界の歴史から最近の…

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