前回は、これまでの個人事業を「法人化」するメリットを紹介しました。今回は、逆に「法人化」のデメリットを見ていきましょう。

法人の場合、接待交際費は原則的に800万円まで

今回は、自社を法人化することの「デメリット」について見ていきましょう。

 

デメリット① 交際費課税の違い

 

資本金1億円以下の中小法人で損金として認められる接待交際費は原則的に800万円までとなります。一方、個人事業主の場合、収入を得るために支出したものと判断されれば、上限なしに交際費の経費計上が可能です。

 

デメリット② 赤字であっても、法人住民税の均等割税額が発生

 

赤字企業でも、法人住民税の均等割部分は課税となり、東京都23区の場合、資本金1000万円以下の場合で、原則7万円の支払いが発生します。

従業員がいなくても、社会保険の加入が義務付けられる

デメリット③ 設立時や事務手続きの負担やコスト

 

法人設立時に30万円程度の費用がかかるほか、会計処理の内容が複雑になることで事務負担が増加。顧問税理士を依頼すれば、報酬などのコストが増えることも予想されます。

 

また、会社の目的や事業内容など、一定の登記事項に変更があった場合、登記の変更手続きが必要となります。

 

デメリット④ 社会保険の加入

 

法人の場合、従業員がいなくとも社会保険の加入が義務付づられます。従業員がいる場合は、会社負担(半額折半)も増えます(個人事業の場合、従業員5人以上で要加入)。

 

とくに社会保険料については恒常的にかかる負担となるため、滞納したり、負担を避けて個人事業主に戻ったりといったケースも増えています。

 

長期スタンスで、次に挙げる税金負担も考え合わせ、メリット、デメリットを総合的に勘案するようにしましょう。

 

[図表]法人設立のメリット・デメリット

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    本連載は、2017年2月24日刊行の書籍『どんどん貯まる個人事業主のカンタンお金管理』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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    櫻井 成行

    幻冬舎メディアコンサルティング

    個人事業主にとって、日々のお金の管理や確定申告は、頭を悩ませることのひとつです。忙しい仕事の合間を縫って、毎年〆切ギリギリに何とか税理士に資料を提出する、という人も少なくないでしょう。数字や計算が苦手な人は特に…

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