株の売買等にかかる税金を軽減できる「損益通算」の概要

今回は、「損益通算」の概要を見ていきます。※本連載は、税理士法人恒輝・代表社員で税理士の榎本恵一氏、渡辺人事経営研究所・所長で特定社会保険労務士の渡辺峰男氏、人事戦略研究所・代表で社会保険労務士の吉田幸司氏、YMG林会計グループ・代表で税理士の林充之氏の共著、『知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版』(三和書籍)の中から一部を抜粋し、働き盛りの会社員が知っておきたい「税金」の基礎知識について解説します。

利益と損失の差引計算を行うが、通算不可の赤字もある

損益通算とは、2種類以上の所得があり、一つの所得が黒字で他の所得が赤字といった場合(例えば不動産所得が黒字、事業所得が赤字の場合など)に、その各所得の黒字と他の所得の赤字とを一定の順序に従って差引計算を行うというものです。

 

損益通算については、細かい要件がありますので、簡単にご紹介しておきますが、詳しくは税理士等の専門家にご相談下さい。

 

(損益通算の対象となるもの)

基本的には、不動産所得、事業所得、譲渡所得、山林所得の中で赤字となったもの

 

(損益通算できない主な赤字)

①株式の売却により生じた赤字

②居住用ではない土地や建物等を売った場合の赤字の金額

③生活に通常必要でない資産(別荘や競走馬、1個30万円超の貴金属や骨董品など)を売った場合の赤字

④不動産の賃貸業を営んでいて、土地を買うために借入をした場合、その支払利子に相当する部分の金額

⑤配当所得、一時所得、雑所得の赤字

株の売買に関する申告が面倒なら、特定口座を利用

証券会社が株式の売買損益を計算してくれる特定口座という制度があります。証券会社に特定口座を開設すると、証券会社がその特定口座内における株式などの売却による所得の金額について計算し、「年間取引報告書」を作成してくれます。

 

これにより簡便に申告を行うことができます。また「源泉徴収あり」を選択した場合には、その特定口座における株式などの売却による所得は申告不要とすることができます。

 

[図表]株の売買等にかかる税率

※2014年から2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税2.1%を所得税と併せて
申告・納税することになります。
(注1)「譲渡損失の繰越控除」の適用や、他の証券会社の開設する特定口座ならびに一般口座との
損益通算等を利用するためには確定申告を行う必要がある場合があります。
(注2)上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得との損益
通算の特例の適用を受けている場合にはその適用後の金額、上場株式等に係る譲渡損失の繰越
控除の適用を受けている場合にはその適用前の金額になります。
参考)国税庁HP
※2014年から2037年までは、復興特別所得税として各年分の基準所得税2.1%を所得税と併せて 申告・納税することになります。
(注1)「譲渡損失の繰越控除」の適用や、他の証券会社の開設する特定口座ならびに一般口座との 損益通算等を利用するためには確定申告を行う必要がある場合があります。
(注2)上場株式等に係る譲渡損失と申告分離課税を選択した上場株式等に係る配当所得との損益 通算の特例の適用を受けている場合にはその適用後の金額、上場株式等に係る譲渡損失の繰越 控除の適用を受けている場合にはその適用前の金額になります。
参考)国税庁HP

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連載働き盛りの会社員が知っておきたい「税金」の基礎知識

税理士法人恒輝 代表社員
株式会社ウィズダムスクール 代表取締役
税理士
ファイナンシャルプランナー
日本人事総研グループ加盟人事コンサルタント 

1963年、東京都生まれ。1986年、専修大学商学部会計学科卒業。2000年、産能大学大学院経営情報学研究科経営情報学専攻修了(MBA)。
最近では、企業に対する分かりやすい決算診断の提案と個人に対するライフプランの重要性を説くセミナー活動に情熱を燃やし、起業家の応援を行っている。
著書として『負けない!』(マンガ)、『税務会計論』(共著)、『一般社団法人・財団法人の法務と税務』(共著)、『企業を支える人々へのメッセージ』、『勝経営と三遊亭金時のおもしろ経営塾』(マンガ)、『経営者会計論』(共著)、『税務会計の基礎』(共著)、『経営コーチ入門』(共著)、『その時、会社が動いた』(共著)、『経営コーチ』『ワーク・ライフ・ハピネス』(共著)、『社長、ちょっと待って!! それは労使トラブルになりますよ!』(共著)など。

著者紹介

渡辺人事経営研究所 所長
特定社会保険労務士
日本人事総研グループ加盟人事コンサルタント 

1961年、岡山県生まれ。関西大学商学部商学科卒業。現在、社会保険労務士業に加え、「応援します。良い会社づくり!」をモットーに、人事・労務、財務、金融等の経営に関する幅広い知識で経営計画策定、人事諸制度策定・運用指導などのコンサルティングを行うかたわら、各地で講演活動、研修事業を行う。
著書として『自己責任時代のサバイバルブック』(共著)、『社長、ちょっと待って!! それは労使トラブルになりますよ!』(共著)。

著者紹介

人事戦略研究所 代表
社会保険労務士
日本人事総研グループ加盟人事コンサルタント 

1964年滋賀県生れ。大谷大学文学部社会学科卒業。人事制度の構築、運用、労務管理指導、就業規則等の作成・運用指導、助成金活用指導・手続き代行、社会保険・労働保険の手続き代行、社員研修、能力開発のための個別指導、経営指導、各地での講演活動等を行う。また、滋賀県産業支援プラザ、福井県産業支援センター、各地の商工会議所等の公的機関の登録専門家として地域の中小企業への経営指導にあたっている。
著書として『自己責任時代のサバイバルブック』、『社長、ちょっと待って!! それは労使トラブルになりますよ!』(いずれも共著)。

著者紹介

YMG林会計グループ 代表
林充之税理士事務所 所長
税理士 

1961年、神奈川県生まれ。法政大学経済学部卒業、山梨学院大学大学院公共政策研究科修了。現在、YMG林会計グループ代表として、財務分析を中心にした経営相談を数多く手がける。起業家支援にも力を注いでおり、多くの起業家の「経営コーチ」としての信頼も厚い。また、相続・事業承継においても幅広い相談を資産家の方々の「相続コーチ」として数多くの実績を持ち、経営と資産税の両方のニーズにお応えする幅広いコンサルティングが特徴。講演実績も豊富で判りやすい語り口が好評。
著書として『ときめき会社法』(共著)、『経営コーチ』(共著)、『経営コーチ入門』(共著)『その時、会社が動いた』(共著)、『社長さん今が決断の時です』(共著)、『サラリーマンのための相続トラブル対策』(共著)、月刊税理「この資産にはこの評価」など。

著者紹介

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版

知って得する年金・税金・雇用・健康保険の基礎知識 2017年版

榎本 恵一,渡辺 峰男,吉田 幸司,林 充之

三和書籍

年金の額が少なかったり、税金を多く払うことになったり、給付金を貰い損ねたり・・・。そういった「生涯損失金」は正しい法律・制度の知識がなかったり、古い法律知識のままだったりすることで発生します。本書は、家庭全体の…

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