今回は、老後資金としても活用できる生命保険の「解約返戻金」について見ていきます。※本連載では、CFP(サーティファイド ファイナンシャル プランナー)髙橋佳良子氏の著書『2択クイズでまるわかり! あとあとモメない「終活」はどっち?』(すばる舎)の中から一部を抜粋し、老後の生活設計と資産管理を中心に「お金終活」をどのように進めるべきか、その基本を解説します。

生命保険の種類によって解約返戻金にも違いが・・・

生命保険というと、多くの方は、「加入者が亡くなったときに、残された遺族が保険金を受け取る」だけの仕組みだと認識しています。しかし、生命保険には途中で解約しても、一定のお金が戻ってくる「解約返戻金」が設定されています。これが終活に活用できれば、介護・医療費、遊興費と使い道はいくらでもあります。

 

生命保険には基本的に3つの種類があり、「解約返戻金」として受け取ることのできるお金は、その種類によって変わります。

 

自分の保険の種類と、その内容を確認するところから始めましょう。

 

まずは「定期保険」

 

これは「15年間」、あるいは「60歳から80歳まで」、などとあらかじめ保障する期間が決まっているタイプの生命保険です。月々の保険料は割安となっており、保障期間中に死亡した場合は、保険料のわりに高額な保険金を受け取ることができます。

 

ただし、途中で解約してしまうと、「解約返戻金」はほぼ戻ってきません。この特徴から「掛け捨て型」と呼ばれています。

 

次に「養老保険」

 

こちらも、定期保険と同じで保障する期間が決まっているタイプです。

 

「定期保険」と違うのは、保険期間が満了すると、満期保険金を受け取ることができるところです。また、「解約返戻金」についても、支払ってきた保険料よりやや少ないか、契約期間の長さによっては上回る金額をもらえます。良いことずくめのようですが、保険料は定期保険に比べ、ずっと割高です。

 

最後に「終身保険」

 

これは、その名の通り、加入者の一生涯を保障し、死亡した場合に保険金が支払われるという、わかりやすいタイプです。保障は一生涯で、支払いは設定されている払い込み期間もしくは終身払いです。

 

そして「養老保険」と同じく、こちらも「解約返戻金」が出ます。払い込み期間の間に徐々に増加し、やがて支払った保険料を上回り、死亡時に支払われる保険金の額に近づいていく仕組みです。保険料は「定期保険」よりは高く、「養老保険」よりは安くなります。

より貯蓄に特化した「低解約返戻金型終身保険」も

最近では、より貯蓄型に特化した「低解約返戻金型終身保険」という商品も注目を集めています。短い期間に保険料を支払ってしまうことによって、保険料を上回る「解約返戻金」が受け取れるように設計されています。その代わり、支払い期間中に解約すると、元本を割ってしまう仕組みです。

 

このように「養老保険」と「終身保険」では、払い込み期間の長さによっては、保険料を上回る「解約返戻金」や満期保険金が出ますから、大きな出費を強いられたときや、介護・医療費が必要となった際に活用すると良いでしょう。

 

また、高齢になってから生命保険に加入する場合は月々の支払いも高額になるので、加入前に身の丈に合った保険料かどうか確認してください。

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    本連載は、2017年3月刊行の書籍『2択クイズでまるわかり! あとあとモメない「終活」はどっち? 』から抜粋したものです。稀にその後の法律、税制改正等、最新の内容には一部対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

    2択クイズでまるわかり! あとあと モメない「終活」はどっち?

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    髙橋 佳良子

    すばる舎

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