今回は、「VR」「AI」の現状と課題について見ていきます。※本連載は、ドローン・ジャパン株式会社取締役会長の春原久徳氏、近畿大学教授の山崎重一郎氏が著書として名を連ねる『インターネット白書2017 IoTが生み出す新たなリアル市場』(インプレスR&D)の中から一部を抜粋し、AI、ブロックチェーン、VR、コネクテッドカーやドローンなどのキーワードをもとに、最新テクノロジーの現在を解説します。

ゲームなどコンテンツ面の広がりが期待される「VR」

Oculus RiftやHTC Viveなどの高級ヘッドマウントディスプレイを筆頭に、PlayStationVRのようなゲーム用やハコスコのような簡易デバイスまで、VRの環境が整ったのが2016年だった。2017年もこの盛り上がりは続くと思われるが、特にコンテンツ面での広がりに期待がかかる。

 

現在、全方位撮影できるカメラやスマホのパノラマ撮影機能によって、だれでも気軽にVR素材を作り出せるようになった。その投稿先となるFacebookは、幅広い層にとってのVR体験の入り口になると思われる。

 

●サムスンの「GEARVR」

 

サムスンとOculus VRが共同開発したヘッドマウントディスプレイで、サムスン製スマホのGalaxyを装着するとVR体験が可能になる。スマホと組み合わせる簡易型ヘッドマウントディスプレイは、安価かつ気軽にVRを楽しむ手段として人気がある。

 

 

●全方位動画の「Facebook 360」

 

FacebookではVR表現への対応を積極的に行っており、全方位動画や写真の投稿や閲覧が可能になっている。Oculus RiftやGear VRなどの対応ヘッドマウントディスプレイを使うとVRとして楽しめるほか、スマホでも簡単なVRを体験できる。

 

「女子高生AI」とおしゃべりを楽しむことも・・・

AI(人工知能)は重要キーワードとして、引き続き自動運転や金融取引、医療といった幅広い分野で注目を集めている。Google、Facebook、IBM、アマゾン、マイクロソフトがAIで歴史的提携を発表するなど、世界的なIT企業も力を入れている。Googleの囲碁AIが世界トップ棋士に勝利したことが大きく報じられたが、一般メディアでも話題になることが増え、AIという言葉は世間に浸透しつつある。

 

ただし、製品の宣伝目的で乱用されている例も多く、技術の見極めが必要になっている。

 

●AIを活用したアマゾンの「Echo」

 

「Echo」は、アマゾンが開発する人工知能「Alexa」のインターフェイス端末で、音声を使ってコントロールできる。通常は無線スピーカーとしてリビングやキッチンに置かれるが、連携サービスが増えることで家電のハブになる可能性を秘めている。

 

 

●マイクロソフトの女子高生AI「りんな」

 

日本マイクロソフトは、AI技術のショーケースとして女子高生のボットを公開。TwitterとLINEのアカウントを通じて、一般ユーザーと会話ができる。高度なやり取りは難しいものの、適度に的外れな発言をするところはかえって女子高生らしいといえるかもしれない。

 

インターネット白書2017 IoTが生み出す新たなリアル市場

インターネット白書2017 IoTが生み出す新たなリアル市場

インターネット白書編集委員会

インプレスR&D

「The Internet for Everything」を掲げ、インターネットによる技術・ビジネス・社会の変革を伝える業界定番の年鑑。21年目を迎える2017年版は36人の専門家が寄稿。 LPWAと5Gという、2つの通信のイノベーションや、AI、ブロッ…

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