前回は、SNS投稿で外国人旅行客に観光地をアピールする方法について取り上げました。今回は、外国人旅行客を呼び込むSNS投稿で結果を出す方法について見ていきます。

外国人を巻き込むプロジェクトにはノウハウが必要

外国人を巻き込み、SNSなどを利用するインバウンド事業は、やり方次第で大きな効果をもたらすことができます。ただし、それは日本人だけで進めるプロジェクトに比べ、大きく勝手が違います。外国人とスムーズにコミュニケーションをとり、彼らのやる気を引き出すためには、相応のノウハウがいるのです。

 

そのため、こうしたプロジェクトの立案・運営は、一朝一夕にできるものではありません。私の会社にこの種のプロジェクトに関する豊富な蓄積があるからこそ、成功に導くことができたのです。

 

こうしたプロジェクトを成功させるには、数年単位で取り組んで経験を重ねること。そして、現場で生きたノウハウを得ながら、プロジェクトを逐次修正していくことが大切です。それでも、どうしても行き詰まってしまうこともあるでしょう。その場合は、外国人とのコミュニケーションに慣れた企業に助けを借りるということも有効だと思います。

口コミを広めるために「コアなファン」を呼び寄せる

ひと昔前、多くの外国人旅行者は、「ロンリープラネット」という旅行ガイドブックを持参していました。広告を掲載せず、その地域を旅した人々が公平な立場から記事を書くのが特徴。さまざまな国や地域の歴史や文化、観光スポットの説明などが、かなり細かく説明されている本です。今でも、ロンリープラネットを片手に日本を訪れ、旅を楽しんでいる人はたくさんいます。いわば「旅行者のバイブル」だったのです。

 

しかし最近は、「トリップアドバイザー」がその地位を奪おうとしています。これは世界最大級の旅行サイトで、旅行者が口コミ情報を投稿することができます。ここで高い評価を得たことで、旅行者が爆発的に増えたケースも珍しくありません。

 

有名なのは、兵庫県豊岡市城崎町の城崎温泉です。志賀直哉の小説『城の崎にて』の舞台になったことで知られる城崎温泉ですが、以前は外国人にとって「知る人ぞ知る観光地」といった位置づけでした。ところが、コアな外国人ファンがトリップアドバイザーなどの場で城崎温泉の素晴らしさを情報発信したことで、多くの人が訪れるようになったのです。

 

口コミ情報を広めるためには、そのきっかけとなる「コアなファン」を呼び寄せることが大切です。そうした層は情報感度が高く、知的好奇心も強いもの。彼らに満足してもらうには、観光地の歴史的背景をていねいに説明したり、季節ごとのイベント情報をきちんと伝えたりすることが大切です。

 

とりわけ重要なのが、写真スポットの提案です。「桜と五重塔」「富士山と湖」といった日本的な風景や、他では撮影できないような絶景スポットを提案し、それが旅行サイトで口コミを呼べば、爆発的なインバウンド需要を得ることも夢ではありません。

 

写真のパワーは強力です。地域で撮影した美しい写真をウェブサイトで公開し、情報発信力の高いファンの関心をひくよう工夫してみましょう。

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