外貨建て運用の開始前に数値化したい「目標」と「達成時期」

前回は、日本が抱える財政問題について取り上げました。今回は、外貨建ての資産運用を始める前にやっておきたい目標と達成時期の数値化について見ていきます。

資産運用は豊かに生きるための「ツール」

前回までの説明で、海外資産を活用した資産運用の重要性について認識できたと思います。少なくとも金融資産については、円に偏在させるのをやめ、外貨シフトを進めていく必要があります。しかし、外貨による資産運用をいきなり始める前にやるべきことがあります。

 

私は、資産運用は人生の夢や目標を叶え、豊かに生きるための「ツール」だと思っています。お金は必要な金額だけあればよい。資産運用とは「必要なお金をいかに手間をかけずに効率的に手に入れるかを戦略的に考えること」なのです。

 

 

実は、多くの人が自分が必要なお金以上を求めてムダな資産運用をしています。とすれば、資産運用を始める前にまずやるべきことは、自分がいつまでにいくらの資産が必要かという目標金額と達成時期を数値化しておくことです。なぜなら目標を決めてから資産設計を始めるとお金を殖やす最短距離を見つけることができるからです。

 

例えば「1億円貯める」といった目標を立てている人は本当に1億円必要なのか冷静に考えてみる必要があります。自分が本当に必要なお金がいくらなのかがわかれば、不必要なお金を殖やすために手間と時間を取られることがなくなります。そうなればお金に振り回される生活から解放されるのです。また、目標が明確であれば資産運用を続けようというやる気にもつながります。漠然と資産運用している場合に比べ、途中で投げ出してしまうことも少なくなります。

お金は人生の目標を実現するための手段にすぎない

お金はそれ自体が目的ではなく、人生の目標を実現するための手段にすぎません。お金だけでは目標を実現することはできませんが、一方でお金がないと実現できない目標があるというのも、また事実です。お金がすべてという考え方ではなく、お金との距離を上手に取っていく必要があるのです。

 

自分に必要な期日や金額を実際に数値化していく上で、その根拠になるのは、自分が何のためにお金が必要なのかという、本当の目的です。例えば老後の資金にしたい、家を買いたい、留学したい、起業したい……このような目標を実現するために必要なのがお金なのです。

 

多くの個人投資家は金額や時期を数値化することもなく、とにかく少しでも多く資産を殖やそうといきなり投資を開始します。このようなやり方では資産運用に計画性がなく、長期で効率的に資産を殖やしていくことができないのです。私が提案している「資産設計」のプロセスをまとめると下記図表のようになります。

 

 

[図表]資産設計のプロセス

 

まず、最初にやるべきことは、現状認識です。自分を知ることで「今、どこにいるのか」を把握します。そして、次にやるべきなのが、人生の目標の設定です。具体的な目標を設定することによって計画的・戦略的な資産設計が可能になります。その上で、目標を達成するために必要な「いつまでにいくら」を数値化し、それを達成するための運用戦略を考えていくのが正しい順番です。

 

目標は人によって異なります。例えば、

 

●マイホームを建てるために10年後に頭金の500万円

●自分のショップを開店するために15年後に1000万円

●老後の資金として20年後に5000万円

 

といった具合です。正確な金額は多少変動するかもしれませんが、その時にはまた新しい計画に変えればよいのです。目標の金額と時期が決まったら、それを今持っている資金と将来追加する資金を運用してどのように殖やすのか、具体的な計画を立てていきます。

 

将来の運用リターンは確実なものではありません。予定よりも早く目標に到達することもあるでしょうし、逆に運用がうまくいかず、資産が減ってしまうような事態もありえます。資産運用はこのように計画を立てても不確実な要素が多く、予定通りになることはほとんどないと言ってもいいかもしれません。それでもこのような具体的な数値を設定することによって、資産運用への取り組みがずいぶん変わります。目標金額が明確になるとやる気が出てきますし、具体化することでどのくらいがんばればよいのかが見えてくるからです。

本連載は、2014年4月25日刊行の書籍『究極の海外不動産投資』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。
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連載海外不動産投資を活用した資産形成&資産防衛のススメ

株式会社資産デザイン研究所 代表取締役

1986年、東京大学経済学部卒。MITスローン・スクール・オブ・マネジメント卒(MBA)。1999年に株式会社マネックス(現マネックス証券株式会社)の立ち上げに参加。2013年に株式会社資産デザイン研究所を設立し、代表取締役社長に就任。自らも投資家として活動する一方、資産運用に関する講演、セミナー、執筆活動など多方面で活躍する。また、一般社団法人海外資産運用教育協会の代表理事として、資産運用の重要性を広めるべく、人材育成にも力を入れている。主な著書に、シリーズ累計12万部を超える『〔第3版〕内藤忍の資産設計塾』(自由国民社)の他、『内藤忍 お金の話をしませんか?』(日経BP社)、『60歳までに1億円つくる術』(幻冬舎)などがある。
1996年から続く、公式個人ブログ「Shinoby’s World」は、毎日更新。毎週金曜日には「資産デザイン研究所メール」(無料)で、資産運用に関する最新情報を配信中。

著者紹介

究極の海外不動産投資

究極の海外不動産投資

内藤 忍+GTAC

幻冬舎メディアコンサルティング

海外不動産投資の最大の魅力は、海外の国や地域が持つ「成長力」に投資できること。とはいえ、やみくもに投資を行っても利益は得られません。目的に合った投資先に、適切な方法で投資することこそが「究極の海外不動産投資」な…

日本×世界で富を築く グローバル不動産投資

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