前回は、相続対策として「財産の生前移転」にはどんな手法があるのかを取り上げました。今回は、相続対策の視点から「将来の税制改正リスク」を考えていきます。

「いずれ規制の網がかけられる」という声もあるが…

相続対策については、税制改正の動向をも見据えつつ、最適化していくことも大事な鉄則です。

 

たとえば、一般社団法人の活用については、新しい手法として、否定的な考えを持つ税理士もいます。

 

反対派の「いずれ規制の網がかけられるのでは」という言い分の根拠として、相続税法66条4項の規定(「持分の定めのない法人に対し財産の贈与又は遺贈があった場合において、その贈与又は遺贈によりその贈与又は遺贈をした者の親族その他これらの者と特別の関係がある者の相続税又は贈与税の負担が不当に減少する結果となると認められるときは、その社団又は財団を個人とみなして、これに贈与税又は相続税を課税する。」)の存在を指摘する声もあります。

将来の税制改正時には、その都度真摯な対応を

もちろん私の会社で一般社団法人などを活用した手法については、複数の税理士に確認し、全て資産の移転は贈与や遺贈という方法を取らず、「適正価格での売買」という手法にて実践しています。

 

そもそも税制改正リスクありきで考えていては、効果的な相続対策を講じることはできません。アンテナを張ってさまざまな選択肢を用意し、将来の税制改正リスクについては、その都度真摯に対応し、メンテナンスをしていく。お客様寄りのサービスとはそうあるべきというのが私の考えです。

本連載は、2016年10月9日刊行の書籍『あなたの資産を食い潰す「ブラック相続対策」』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

あなたの資産を食い潰す 「ブラック相続対策」

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秋山 哲男

幻冬舎メディアコンサルティング

恐ろしい「相続対策の裏側」と「知っておくべきポイント」を大公開! ・相続税対策のうち8割が実は不要!? ・バックマージンが横行する業界の実態 ・相続後にお荷物と化す無意味なアパート・マンション ・税理士のうち約半…

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