今回は、自社製品の値決めは「社長自身」が行うべき理由を見ていきます。※本連載は、未来創造弁護士法人・代表弁護士、株式会社エイアンドティー・取締役で、税理士としても活躍する三谷淳氏の著書、『伸びてる会社の意外な共通点』(合同フォレスト)の中から一部を抜粋し、伸びてる会社に共通する「経理」と「会計」の特徴について紹介します。

「値決めは経営」・・・客が満足して買う値段を考え抜く

適正価格を考え抜かなければならないということを、稲盛氏は「値決めは経営」という言葉で表現しています。

 

お客様が満足して買ってくれる最高額を考え抜いて定めるのはとてもむずかしいことで、だからこそ値決めは部下に任せず社長がやるべきだというのです。

客が得る「感動の量」を値段に反映

この値決めの話で、私がとても印象に残っていることがあります。それは、関西で造園業を営むK社のお話です。

 

庭木の伐採や芝刈り、庭石や庭池などの工事を行う造園業は、土木業に分類されます。この業界での値付けは、人工計算でされるのが一般的です。

 

たとえば、その工事が、3人の職人で7日間かかる作業で、1人工(職人さんの1人1日あたりの手間代)が1万4000円だったとすれば、通常、値付けは次のようになります。

 

1万4000円(1人工)×3(人)×7(日間)=29万4000円

 

しかし、K社では造園業を、「家(や寺)から見える景色をつくる仕事」と定義したのです。これは、あたかも「画家が絵を描いて値付けする」ようなものです。

 

絵画の価格は、絵の具の値段や、描くのにかかった時間で計算されるわけでなく、その絵の素晴らしさが心を動かす量で決まります。同様に、造園も景色をつくる仕事なのだから、その景色を見ることによって得られる感動の量に値段を付けることにしたというわけです。

 

こうすることで、同じ人工で作業をしても5倍も10倍もの値段が付けられるようになったそうです。

伸びてる会社の意外な共通点

伸びてる会社の意外な共通点

三谷 淳

合同フォレスト

数多くのクライアントの経営改善に成功してきた著者・三谷淳氏が発見した「伸びてる会社の共通点」はこんなにも意外なものだった! 当たり前だけど忘れがちなことを、コツコツ続けた先に成功がある。半信半疑からでもいい、今…

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