前回は、スタッフの「経営感覚」を育み、クリニックの体力を高める方法を解説しました。今回は、クリニックスタッフの教育に効果的な「勉強会」のやり方について見ていきます。

クリニックの強みや自分の置かれた環境を考えさせる

前回の続きです。

 

「有志の集い」は、それぞれのスタッフに、日頃あまり意識していない、自分の働くクリニックの強みや、自分の置かれた環境について、あらためて考えてもらうことを目的としています。「有志の集い」を通して、スタッフはそれぞれ、クリニックの存在意義や、クリニックの環境について考えます。その結果、自分の働くクリニックに対して誇りを持ち、クリニックやお客様である患者、経営者である院長、そして周りのスタッフに対して自然と感謝の気持ちが生まれます。

 

「有志の集い」で培う「感謝」の気持ちとは、会社への感謝、経営者への感謝、そしてお客様への感謝です。これらの感謝を持つことをうながしていきます。経営者である院長とスタッフがお互いに感謝の気持ちを持つことで、強い信頼関係ができて「有志の集い」を共通認識としたコミュニティーができるようになります。

 

「有志の集い」で話し合われるテーマは、たとえば以下のようなものになります。

 

●あなたの会社(クリニック)の職種は何ですか?

●あなたの会社(クリニック)はどのようなサービスを提供していますか?

●あなたは会社(クリニック)のサービスの、どのようなところに誇りを持っていますか?

●あなたの会社(クリニック)はどのような方々に必要とされていますか?

●あなたが会社(クリニック)に対して感謝していることは何ですか?

●あなたが社長(院長先生)に対して感謝していることは何ですか?

●あなたがお客様(患者)に対して感謝していることは何ですか?

 

これらのテーマについて、ただ話し合うだけでなく、その話し合いで感じたことをレポートにして提出してもらいます。レポートの内容は、たとえば下記のようなものになります。

 

クリニックへの感謝の気持ちを自然と育てていく

「有志の集い」を通して、スタッフは「ありがとう」という感謝の気持ちを自然と育てていきます。これは自分がどのように恵まれているかの「環境意識」を持つことにつながります。

 

私たちが「有志の集い」を通じて、スタッフに培ってほしいと期待しているのは、次のようなことです。

 

●どんな会社でも売上の中から給与を支払っている。だから売上は大切にしなければならない。

●会社へのクレーム、自分のミスは素直に受け止める。そうでなければ会社の将来は自分の未来はない。

●業務に対する理解力、説得力には個人差がある。だから業務はできるだけ標準化、簡素化、単純化しなければならない。

●役割の充実は決めたことを必ず行う行動力から生まれる。朝礼や会議などは大事にしなければならない。

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    本連載は、2017年1月26日刊行の書籍『自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

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