クリニックの待ち時間を減らす「問診票」の有効活用法

前回は、クリニック開業時に導入したい「順番予約システム」について取り上げました。今回は、問診票の有効活用でクリニックの待ち時間を減らす方法を見ていきます。

事前記入→医師が再確認する方法は「二度手間」に

患者の「待ち時間」を減らして、満足度を高める方法は、予約システムだけではありません。その他にも、旧来のクリニックには改善できる点が多々あります。

 

たとえば、クリニックや病院に行かれた方ならわかると思いますが、受付を済ませると、たいていは「問診票」というものを書かされます。そこには「今日はどのような症状で来られたのですか?」とか「既往症はありますか?」とか、医師の問診に当たる質問項目が並んでいます。実際の診察が始まる前に、患者に問診票に記入してもらうことで、医師の問診にかかる時間を減らして、待ち時間を少しでも減らそうと始められたものです。しかし、この問診票は、思ったほど効率よく機能していない面があります。

 

まず、目の悪くなった高齢者の中には、問診票の質問に丁寧に記入してくれない人がいます。どうせ後で医師に話すからいいやとばかりに、問診票の回答をおざなりにする人もいます。たしかに、問診票に記入したとしても、医師は診察時に口頭で確認をします。逆にいえば、それをしなければ、患者に安心してもらえないという面もあります。患者の方も、やはり対面できちんと話したいという思いがあるのでしょう。年配の方であればあるほど、そのような傾向が強くなります。その結果、問診票と医師の問診は二度手間になっているだけで、せっかくの問診票があまり有効に利用されていないという実態があります。

看護補助スタッフのサポートで、問診の時間を短縮

では、どうしたら問診票を有効に利用して、医師の診察時間を短くして、患者の待ち時間を少なくすることができるでしょうか。実は、患者が、問診票にきちんと回答してくれないのには理由があります。それは、患者は素人であって医療の専門家ではないので、問診票に何を書いたらいいのか、よくわかっていないのです。そのため、きちんと問診票に記入したつもりの患者でも、大事な情報が抜けおちていることが多く、後に医師が質問することで「ああ、そういえば」と教えてくれるようになることがあります。だから問診票はあてにならないと考える人が多いのですが、患者が一人で問診票を完成させることができないのであれば、そこに対面での手助けがあればいいのです。

 

私が開業支援したクリニックでは、患者が問診票に記入するのを、看護補助のスタッフがお手伝いすることになっています。患者が書いた問診票を見たスタッフが、わかりにくい記述や、不足している情報について、直接、対面で患者に確認をして、問診票をより精緻なものに完成させるステップを踏んでいるのです。

 

このシステムを取り入れたおかげで、医師による問診の時間が短縮されて、診察の効率が向上しました。医師が対面する前に、看護補助スタッフによるヒアリングの段階を入れておくだけで、患者の「話を聞いてほしい」という欲求も満たされますし、医師は自分にしかできない診察と説明に徹することができます。

 

このクリニックでは効率化によって、より多くの患者を診ることができるようになりました。医師の年収も上がり、1年目は1000万円、3年目には3000万円を超え、開業から5年経過した今でも、年収3000万円以上をキープし続けています。

本連載は、2017年1月26日刊行の書籍『自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

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連載自己資金ゼロで「儲かるクリニック」を開業する方法

株式会社GSKコミュニケーションズ 代表取締役

1971年生まれ。
1999年から労務を主にしたコンサルティング業務を行い、2004年、株式会社GSKコミュニケーションズを設立。
不動産賃貸業、管理・ソフトウェア開発のほか、飲食業や人材派遣、自動車販売業などさまざまな業種のコンサルティングに従事。さらに2006年4月より「大志の会」「有志の集い」「市川直樹塾」を主宰し、中小企業経営者に向けて講演会やシンポジウムなどを積極的に開催。これまで300社以上の中小企業経営者のコンサルティングに取り組んでいる。 2011年にはしいの木子どもクリニックを開業、クリニックと調剤薬局の経営コンサルティングを手がけ、開業以来5年間で約9万人の患者の集患に成功している。

著者紹介

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

市川 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医は慢性的な医師不足で時間外の労働が多く、給与も働きに見合わず、過酷な労働環境におかれています。 一方、そうした状況から理想の医療の実現を目標に開業する医師もいますが、都市圏のクリニックは今や乱立状態にあり…

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