クリニックの立地選定に重要な「2つのポイント」とは?

前回は、クリニック候補地の集患見込みを把握するためのデータ収集術を取り上げました。今回は、クリニックの立地選定に重要な「2つのポイント」について見ていきます。

小児科なら幼稚園ではなく、保育園の近くに

調査書を見てクリニックの立地を選ぶポイントは大きく分けて2つになります。

 

ひとつめは、診療圏内に患者対象となる人口が多いかどうかです。そして2つめは、診療圏内に強い競合となるクリニックがあるかどうかです。ひとつめの条件だけを考えると、人口の多い都市部がよさそうな気がしますが、そのような場所はクリニックの数も多いため、必ずしも開業に適しているとはいえません。また、自らの開こうとしている医院に合った対象患者が多いかどうかも考慮に入れる必要があります。

 

たとえば、小児科のクリニックを開きたいのであれば、必要なのは子どもの人口です。郊外の閑静な住宅地などは一見よさそうに見えますが、実はよく調べてみると、開発されたのが30年前で、現在は高齢者ばかりということもあります。また、現在は子どもが多くいる住宅地であっても、10年後には子どもたちがみんな成人して、小児科に来なくなるということも考えられます。

 

小児科を開くのであれば、現在、20~30代の夫婦が多く住んでいて、今後10年間は出産が続くような地域がベストです。その指針となるのは保育園や幼稚園の数です。1㎞圏内に2〜3軒あるとベターです。特に1㎞圏内は、幼稚園よりも保育園のほうを私は重視しています。幼稚園の場合受験などで遠方から通う場合がありますが保育園は家の近くを選びます。つまり保育園の近くは子どものいる家庭が多いのです。中でも、質のよい保育園の近くにクリニックを開くことができれば、高所得層の患者を集めることが可能になるのです。

競合クリニックがあるところは避ける

2つ目の条件も重要です。精神科や眼科、皮膚科のようなマイナーな診療科目のクリニックが、それほど人口の多くない街に2つもあれば、どちらかは潰れてしまいます。内科であれば、同じ診療圏内にクリニックが2つあっても並び立つかもしれませんが、わざわざ競合のいるところで開業する必要もありません。

 

ちなみに、現在競合するクリニックがある場所でも、医師が高齢化しており、廃業を考えているというケースもあります。その場合、開業すると、地域の医師からライバルとしてではなく、後継者として厚遇されることもありますから、一概にはいえません。開業前に、地域の医師会などに顔を出して、その地域の開業や廃業の状況などを知っておくのもいいでしょう。

 

いずれにしろ、開業場所を選ぶことは、今後の生活の基盤となる場所を選ぶことでもあり、一筋縄にはいきません。

 

[図表]診療圏

本連載は、2017年1月26日刊行の書籍『自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

株式会社GSKコミュニケーションズ 代表取締役

1971年生まれ。
1999年から労務を主にしたコンサルティング業務を行い、2004年、株式会社GSKコミュニケーションズを設立。
不動産賃貸業、管理・ソフトウェア開発のほか、飲食業や人材派遣、自動車販売業などさまざまな業種のコンサルティングに従事。さらに2006年4月より「大志の会」「有志の集い」「市川直樹塾」を主宰し、中小企業経営者に向けて講演会やシンポジウムなどを積極的に開催。これまで300社以上の中小企業経営者のコンサルティングに取り組んでいる。 2011年にはしいの木子どもクリニックを開業、クリニックと調剤薬局の経営コンサルティングを手がけ、開業以来5年間で約9万人の患者の集患に成功している。

著者紹介

連載自己資金ゼロで「儲かるクリニック」を開業する方法

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

自己資金ゼロ・ローリスクで 儲かるクリニックを開業する方法

市川 直樹

幻冬舎メディアコンサルティング

勤務医は慢性的な医師不足で時間外の労働が多く、給与も働きに見合わず、過酷な労働環境におかれています。 一方、そうした状況から理想の医療の実現を目標に開業する医師もいますが、都市圏のクリニックは今や乱立状態にあり…

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