生命保険による事業保障の準備を「早期」に行うべき理由

前回は、法人契約の生命保険で会社の利益を安定化させる方法について解説しました。今回は、オーナー経営者の生命保険の活用法について、さらに詳しく見ていきます。

「健康上の問題で入れない」場合もあるだけに・・・

オーナー経営者の生命保険活用法には、主に四つの方法がありますが、まずここで一つ目について解説します。それは事業保障のための資金として利用する方法です。

 

オーナー経営者が亡くなれば、事業に与える影響は少なくありません。中小企業の場合、オーナー経営者の才覚によって会社が運営されているケースが多く、後継者が育つ前に亡くなってしまえば、社会的な信用を失ってしまうことが少なくないのです。

 

特に借入金が多い場合には、注意が必要です。業績が落ちれば返済だけでも大変ですし、カリスマ経営者が亡くなったと知れば、銀行が一括返済を求めてくるかもしれません。そんな場合に備え、オーナー経営者が生命保険に加入して、万が一に備えるのは大切です。

 

問題は、年齢が高くなってから加入を検討した場合には、健康上の問題から加入できないケースも生じてしまうことです。ですから、事業の保障資金として生命保険に加入する場合は、できるだけ若いうちに加入するのがお勧めです。もし、高額な保険料を支払うだけの資金が用意できない場合には、期間の短い定期保険にとりあえず加入する方法もあります。

事業承継の後継者は、とりあえず保障の枠を買っておく

事業の保障資金として加入する生命保険は定期保険が一般的ですが、保障期間により保険料が高くなる場合があります。その点、期間の短い定期保険はほとんど掛け捨てになることから、保険料は割安になっています。

 

そこで、借入金対策として定期保険に加入して、事業保障資金を確保するケースがあります。一定期間が過ぎれば定期保険は保障が切れてしまいますが、そのときは、そのまま更新して保険を続ける方法もありますし、保険会社によっては定期保険を終身保険に変更ができるケースもあります。保障額はそのまま継続できるので、その時点で健康に問題があっても保障を継続することができます。

 

ですから、将来、後継者になることが明らかになっている場合には、事業承継がまだ先であっても、とりあえず保障の枠を買っておくことが重要です。

本連載は、2015年9月2日刊行の書籍『財を「残す」技術』 から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載会社に財を「残す」ための経費化のテクニック

株式会社東京会計パートナーズ 代表取締役

1960年東京都生まれ。大手損害保険会社を経て、1999年に生命保険を活用してオーナー企業の事業承継を支援するコンサルティング会社、ヒューマンネットワーク株式会社を設立、代表取締役に就任。2013年にはグループ会社として、オーナー個人の税務戦略に特化したコンサルティングを行う、株式会社東京会計パートナーズを設立、代表取締役に就任。1600人を超えるオーナー経営者や医療法人理事長を顧客とし、総合的な資産防衛のアドバイスを行っている。

著者紹介

財を「残す」技術

財を「残す」技術

齋藤 伸市

幻冬舎メディアコンサルティング

成功したオーナー経営者も、いずれは引退を考えなければいけない。そのときに課題になるのが、事業とお金をいかに残し、時代に受け継ぐかである。 保険代理店業を主軸として、オーナー社長の資産防衛と事業承継をコンサルティ…

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