今回は、アパートに入居者を呼び込む「募集要項」の作り方を見ていきます。※本連載は、株式会社リーシングジャパン代表取締役・沖野元氏の著書『大家さんのための客付力』(週刊住宅新聞社)の中から一部を抜粋し、客付けを成功にさせるために必要不可欠な、大家の営業戦略を紹介します。

A4の紙1枚に記載するのが基本

前回の続きです。

 

③募集要項の作り方

 

3点セットの三つ目は「募集要項」です。これは入居者募集の注意事項や契約に際して大家としてお願いしたいことを、A4の紙1枚に記載したものになります。なぜ募集要項が必要なのか。ここで想定しているのは一般募集の場合です。複数の業者に媒介を依頼するケースになります。そうすると、複数の業者に大家としての方針を伝えなければなりません。これを容易にするためにまとめたものが、募集要項ということになります。内容としては次のようなものを入れます。

 

●鍵の開け方(キーボックスの場所や暗証番号など)

●内見時の連絡について

●入居者の審査基準

●契約書の特約に入れる内容・広告料

●物件の「U・S・P」と「ウィークポイント」

●その他

●連絡先

 

「内見数」を把握できるような工夫も加える

[図表]募集要項の例

 

これらの内容をA4の紙1枚にシンプルにまとめることが重要です。

 

まず「鍵の開け方」ですが、これは通常キーボックスになります。キーボックスは、ホームセンターなどで売っている鍵を入れてドアノブなどに取り付けることができる金属製の箱のことです。大きさにより3000円~1万円くらいです。4ケタの暗証番号で開けるタイプがほとんどです。このキーボックスの取付場所と暗証番号を記載するのです。

 

次の「内見時の連絡」というのは、経営者としての大家にとって欠かすことのできない成約率を出すためのものです。内見数を把握するために業者にその都度メールまたは電話で連絡をもらうようにするということです。そうしなければ、内見がいつ行われたかわかりません。これがキーボックスのデメリットでもあります。そのデメリットをカバーするために、その都度連絡をもらうのですが、「暗証番号を随時変更する」と伝えておけば、連絡してもらえる可能性も高いでしょう。

 

また、そう遠くない将来にアメリカで使われているキーボックスが日本にも入って来ると確信しています。このキーボックスはボックスを開けると自動的にオーナーにメールで連絡がいくという仕組みになっています。

 

次に「審査基準」とは、大家としてどんな入居者を望んでいるかということを明確に示したものです。ただしこれは理想を述べるわけではありません。こんな方でも大丈夫ですという許容範囲を示したものです。たとえば、アルバイトや水商売の方でも保証会社の審査が通った方ならOKとか、外国人の方でも日本語が理解できて、日本の慣習がわかっている方ならOKとかということです。

 

また、よくあるのは住居の場合の事務所使用がOKかどうかやワンルームの場合の2人入居がOKかどうかなどです。これらを明確にしていないと、その都度営業マンから確認の電話が入ってくることになります。注意点としては、書面にするわけですから差別的表現は避けなければならないということです。

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