海外進出の是非を見極める「SWOT分析」の実践

前回は、「SWOT分析」で見極める海外進出の是非について取り上げました。今回は、「SWOT分析」の実践について見ていきます。

些細なことでも、自社のSWOTを洗い出してみる

前回の続きです。

 

自社のSWOTをできるだけ多く箇条書きにしてみてください。一人で考えるよりも、社内や社外の仲間やブレーンを募って、大勢で考えたほうが、多くのアイデアが出るでしょう。

 

このとき、中小企業の経営者の中には、「自社の強みなんか特にない」「うちは普通の会社で特筆するようなことはない」などと謙遜して言う人が数多くいます。

 

本当に、そのように考えているのかもしれませんが、実際は、どんなに小さな会社であっても、自社で思っている以上の価値があるはずです。というのも、外部から価値と認められていなければ、会社というものは生き残れずに、倒産してしまうものだからです。

 

内部の人間にとっては当たり前すぎて気づかないだけで、企業として生き残って経営を続けている以上、その会社にしかない価値がたくさんあるはずです。

 

たとえば、納期に必ず間に合わせること、どんなに忙しくても手を抜かないこと、常に取引先への感謝を忘れないこと、などは、それを守っている会社からすると当たり前のことのように思えますが、世の中にはそうでない会社もたくさんありますから、得難い価値の一つと言えます。

 

謙虚であるのは良いことですが、あまり謙虚になりすぎても自社の強みがわからなくなってしまいますから、些細なこととご自身が思うことも含めて洗い出してみてください。

見過ごしていた強みに気がつく質問事項

たとえば以下のような質問に答えていただくと、強みの洗い出しにつながることがあります。ぜひ試してみてください。

 

●御社が顧客から高く評価されていることは何でしょうか。

●御社が提供していて、競合企業が提供していない製品・サービスはありますか。

●御社の製品・サービスの中で、特に売れているものは何ですか。

●御社の製品・サービスの中で、長期間にわたって売れ続けているものはありますか。

●御社の経営資源(人、もの、金、情報、技術、ノウハウなど)の中で、特に優れていると思うものは何ですか。

●御社が事業を継続・発展できたのは、どのような理由からでしょうか。

●その他、なんでもいいので、自社の良いところと考えられることはありませんか(社内文化、人脈、取引先とのネットワーク、社歴など)。

 

これらの質問の視点で、あらためて自社を分析してみると、見過ごしていた強みに気がつくことがよくあります。このSWOT分析は、海外進出のための分析ですから、最終的には「海外進出」に関する方向性を整理します。

 

しかし、国内の課題を放っておいて海外事業のみを検討することはバランスを欠くことになりますので、まずは「海外進出」の視点を傍らにおいて、SWOT分析を進めていただければと思います。

株式会社フォースウェイブ・コンサルティング 代表取締役

日系シンクタンク、米外資系製薬会社を経て独立し、株式会社フォースウェイブ・コンサルティングを設立。海外事業戦略コンサルタントとして、企業の海外進出から進出後の現地マーケティング等までを包括的に支援している。また、経営・会計コンサルティングおよびビジネス教育・研修に携わる。

・日本貿易振興機構(JETRO)
 サービス産業海外進出支援専門家
 海外展開セミナー講師
・TAC米国公認会計士コース講師
 TAC公認内部監査人コース講師
・MBA(経営学修士)
・USCPA(米国公認会計士)
・CIA(公認内部監査人)

著者紹介

連載自社商品の需要がある市場を見つけ出す 海外進出マーケティング戦略

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

国内頭打ち商品で利益を生み出す 海外進出戦略

田中 義徳

幻冬舎メディアコンサルティング

国内では売上・利益ともに頭打ちで生き残りが厳しく、海外進出を試みても撤退を余儀なくされる――中小企業はどこに活路を見出せばいいのでしょうか。 海外のマーケットでは、日本国内と同様のマーケティング、営業手法で成果…

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