前回は、「Airbnb」設立のきっかけを取り上げました。今回は、民泊流行の背景にある「シェアリング・エコノミー」の広がりについて見ていきます。

SNSの発展により多数のビジネスモデルが誕生

前回の続きです。

 

こうしたB&Bの土壌があったことに加えて、「シェアリング・エコノミー」の考えが欧米を中心に広がりを見せていることも民泊の世界的な流行を後押ししています。

 

「シェアリング・エコノミー」とは、個人や団体が保有する物や遊休資産、スキルなどを貸し出すなどして他者と共有・交換する仕組みです。貸し出す側には、「レンタル料などの収入が得られる」、借りる側には「所有していなくても必要なときに利用ができる」というメリットがあります。

 

インターネット、とりわけソーシャルメディアの発展により、時間、空間、立場を超えて人々が容易につながり合える環境・仕組みが整えられたことによって、シェアリング・エコノミーの可能性は大きく広がり、様々なビジネスモデルが生まれているところです。現在、展開されている主なシェアリングサービスを共有対象に応じて分類すれば、以下のような形になります。

 

① 乗り物
自動車を共有するカーシェアリングや自転車を共有するサイクルシェアリングなどがあります。自動車に関しては「ライドシェア(相乗り)」も諸外国では盛んに行われています。たとえば、アメリカ企業のウーバーテクノロジーズのサービスでは、利用者が車を呼びたい場所をアプリ内の地図上で指定すると、登録ドライバーがすぐに向かうので、タクシーと同様に使うことができます。

 

② 場所(スペース)
民泊のように住宅を提供する以外に、会議室やお寺、遊園地や野球場などのシェアも行われています。最近、日本では、〝駐車場シェア〟に大手企業が参入する動きが現れ始めています。

 

③ モノ
自動車以外の、衣服や家電製品などのモノも個人間のレンタルサービスのような形で貸し借りが行われつつあります。中でも、高級ブランドに特化したファッションシェアリングは女性を中心に人気を集めています。

 

④ 人
家事や日曜大工等の作業やベビーシッター、ペットシッターなどのスキル、ノウハウが、クラウドソーシングサイト(業務委託サイト)などを通じて提供されています。

 

これらの他に、「お金のシェア」として「クラウドファンディング」もシェアリング・エコノミーに含める見解もあります。クラウドファンディングとは、ある目的(何らかのプロジェクトやサービスの実現など)のために、インターネットを活用して不特定多数の人々から資金を集める手法です。

民泊はシェアリング・エコノミーのシンボル的存在

シェアリング・エコノミーの市場規模は年々拡大しており、矢野経済研究所の調査によれば、サービス提供事業者の売上高は2020年度には2015年度の約2倍となる600億円に達する見込みです。

 

中でも、民泊は、シェアリング・エコノミーの代表格、いわばシンボル的な存在と見なされており、とりわけ大きな経済的効果をもたらすとの期待が寄せられているのです。

 

[図表] シェアリング・エコノミーの国内規模推移と予測

本連載は、2016年12月16日刊行の書籍『民泊ビジネスのリアル』(幻冬舎メディアコンサルティング)から抜粋したものです。その後の法令改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

民泊ビジネスのリアル

民泊ビジネスのリアル

三口 聡之介

幻冬舎メディアコンサルティング

世界中で大ブームとなっている「民泊」。日本でも約4万6000件の物件が民泊用のマッチングサイトに登録されています。民泊が広まっている背景にはシェアリング・エコノミーの流行、人口減少による遊休不動産の増加、訪日旅…

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