中国の未来を考える 「新中国誕生」「内戦」のシナリオとは?

今回は、中国が今後歩む可能性のある「新中国誕生シナリオ」「内戦シナリオ」について見ていきます。※本連載は、金融情報全般を扱う大手情報配信会社、株式会社フィスコ監修の『FISCO 株・企業報 2017年春号 今、この株を買おう』(実業之日本社)の中から一部を抜粋し、中国経済の危うさと、日本経済に与える影響、世界経済への波及などを検証していきます(執筆:株式会社フィスコ所属アナリスト・田代昌之氏)。

資本家の資産を接収する政府が誕生!?

急進的で独裁的な勢力が政治闘争に勝利し、外資系資本や資本家の資産を接収するような政府が誕生することも考えられる。

 

国共内戦に勝利した毛沢東が資産没収を通じ、新国家の建設を進めたようなイメージであり、支配階級の力がより強くなる。

 

一時的には中国は世界経済から完全に切り離された形となり、人民元も他通貨との交換が停止され、経済は独自の歩みを余儀なくされるだろう。そして、徐々に市場を開放していくブロック経済が進むことになる。

 

地政学的には、中国包囲網が強固になり、諸外国との軍事衝突の危険性が高まっていくだろう。国民の統一にはナショナリズムを煽るのがもっとも効果的であるが、このシナリオの場合も、さらなるナショナリズムの高まりが予想されるためだ。

 

そうした状況下で、原油市況の急伸などで景気低迷下における急速なインフレが進む国も出てこよう。また米国などでは防衛特需の発生も想定される。

 

日本のマーケットにおいては、避難通貨としての円買いで短期的に急速な円高が進行し、株価も先行き不透明感から暴落となろう。しかし、長期的には米国一強支配によるドル高で、輸出産業の復活も想定される。

 

グローバル経済は、中国の資産凍結などによる損失が相次いで表面化するほか、対中貿易の消滅によって、各国の景気情勢も一斉に冷え込むことになる。また地政学リスクの急速な高まりから、世界各国で投資抑制の動きなども広がる可能性があろう。

軍区のクーデターから「全面的内戦」へ向かう可能性も

特定の軍区と政治勢力が結びついたクーデターにより、内戦が発生するシナリオとなる。足もとでは中央政府による軍の再編が進められており、そのようなシナリオ発生を低減させる努力は見て取れる。

 

ただし、薄熙来が粛清された際にも、軍による不穏な動きが見られたともされ、習近平が進める反腐敗闘争も当該シナリオの発生可能性を逆に高めることになろう。内戦状態になると、辛亥革命後にも見られたように、各軍閥を諸外国がその利害のために支援、混乱が助長され、内戦状態が長引く可能性もある。

 

日本では短期的には急速な円高が進み、中国経済喪失のショックから株価は暴落となるだろう。ただ、長期的には、中国に変わって日本が輸出基地としての地位を取り戻すことで株価は上昇していく。

 

世界的には各国で投資抑制の動きが加速。原油市場の急伸などにより急速なインフレが進む国も出てくるだろう。

 

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株式会社フィスコは、株式・為替など金融情報全般を扱う情報配信会社。ロイター、ブルームバーグ、クイックなどプロ向け端末や証券会社のほか、ヤフーファイナンスなど20以上の主要ポータルサイトに情報を提供する、投資支援サービスのプロフェッショナル集団。

写真はフィスコアナリストとして株式市場・個別銘柄や為替市場を担当する田代昌之氏。ビットコインなど仮想通貨についても造詣が深い。

著者紹介

FISCO 株・企業報 2017年春号 今、この株を買おう

FISCO 株・企業報 2017年春号 今、この株を買おう

株式会社フィスコ

実業之日本社

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