地域通貨と法定通貨を「交換可能」にする意義とは?

前回は、地域通貨の価値を左右する「法定通貨」との関係について説明しました。今回は、地域通貨と法定通貨を「交換可能」にする意義について見ていきます。

地域通貨の価値の乱高下を防止することが可能に

地域通貨が法定通貨により担保されていることは、別の視点から見てもメリットがあります。

 

法定通貨と交換でき、交換レートを設定していれば、それが担保の根拠となりますので乱発できなくなります。地域通貨の価値が上下して混乱するといった事態を防ぐことができるわけです。

 

また、前述の通り、地域経済の自立的活性化には通貨の三つの機能を限定することが大切です(地域・期間・目的)。

 

しかし、円は圧倒的に汎用性と利便性が優れているため、機能を限定することができません。地域内で循環させるという目的を達成する上で円は「便利すぎる」のです。

 

しかし、地域通貨なら限定可能です。あえて汎用性・利便性を抑えた地域通貨を活用することで、円によって価値が裏付けられているという信用を踏まえながら、地域経済の活性化を実現することができるのです。

円によって価値が支えられる「旅行券」「地域商品券」

身近な例がプレミアム地域商品券や旅行券です。これらは円で買うことができ、円に換えることはできないという特性があります。つまり、条件つきではありますが、円によって価値が支えられています。

 

また、地域住民が対象のプレミアム商品券には20~30%、地域外の観光客を主な対象としたプレミアム旅行券や宿泊券には40~50%というプレミアムがあり、その分は政府や経済産業省、自治体など行政が一定の予算金額の範囲内で負担していますので乱発はできません。

 

この二つの点を満たしているからこそ、一定の消費喚起効果や地域経済の活性化につながっているわけです。

本連載は、2016年9月9日刊行の書籍『地域通貨で実現する 地方創生』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載地域通貨で実現する「地方創生」

フェリカポケットマーケティング 代表取締役社長

1984年、大手IT企業入社。8年間の欧州駐在を経て2001年ICカードフェリカ事業の国内・海外営業の責任者に。交通や電子マネー、社員証など事業は軌道に乗っていたものの「交通や電子マネーではなく、衰退しつつある地域経済のために活かすことはできないか」と考えるように。地域活性のためには、大企業だけでなく、中小企業や個人店舗もICカードの利便性を享受できるような仕組みが必要とし、2008年1月フェリカポケットマーケティング株式会社を設立、社長に就任。現在でも全国各地を飛び回り、地元の方々との直接のコミュニケーションを第一として、現場主義を貫きながら「地域を元気にする」仕組み作りに奔走している。

著者紹介

地域通貨で実現する 地方創生

地域通貨で実現する 地方創生

納村 哲二

幻冬舎メディアコンサルティング

本書は、地域活性化に興味のある人や自治体・企業・団体に向けて、地域活性化のための1つの有効な手段と思われる「地域通貨」を軸にした、事例紹介を含めた参考書・指南書です。 地域活性化は都市・地方の双方にとって喫緊の課…

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