「トクホ(特定保健用食品)」なら効果を期待できるのか?

今回は、「乳酸菌のサプリメント」は本当に腸に良いのかを検証しました。今回は、「トクホ(特定保健用食品)」なら効果を期待しても良いのかを検証していきます。

厳しい認定基準と審査が課せられるトクホだが…

トクホ(特定保健用食品)は、特定の保健の効果が科学的に認められた食品を指し、消費者庁の審査、承認を経て「トクホマーク」の使用が許可されます。一部のヨーグルトやオリゴ糖についても、「お腹の調子を整える食品」「ミネラルの吸収を助ける食品」などの表示で、このトクホに数多くの商品が登録されています。

 

しかしその承認を得るには大がかりな研究や調査をもとに、人を対象にした裏付けが必要です。

 

製品がトクホマークを取得するまでには、とても厳しい認定基準と審査が課せられています。医学的・栄養学的なデータも示さなければなりません。申請の手続きも保健所、都道府県、そして消費者庁と何段階も行う必要があり、申請する企業はそのたびにデータの提出が求められます。

 

ここまでするにはコストもかなりかかるため、トクホが申請できるのは大企業に偏りがちという実情もあります。ところが、これだけ費用も時間もかけて承認されたとしても、消費者にとっては表示の内容が絶対のものであるとは限らないのです。

 

以前、脂肪の吸収を抑えるとしてトクホに承認された植物油が、発がん性物質を含むと指摘され、メーカーがトクホを取り下げ販売中止にしたことは、記憶に新しい人も多いのではないかと思います。

 

このケースから、トクホの二つの問題点が見えてきます。

 

まず、トクホの認定基準はあくまで日本の消費者庁の基準によるものであることです。このケースでは、ヨーロッパで近年議論されている成分が問題となりました。安全な食品や成分についての基準は、国によって違いがあるのが現状です。

 

それにも関わらず、トクホは一度許可されると、前述のような大きな問題が起こらない限りは、無期限にマークをつけて販売することができます。

 

食品の健康効果に関する研究は日々進歩し、見解が変わっても決しておかしくないのに、ひとたびマークを取得すれば、絶対的に身体に良いもの、というイメージがうえつけられやすいのです。これがもう一つの問題点といえるでしょう。

 

少し横道に逸れますが、トクホを取得した製品の多くに含まれている成分に「難消化性デキストリン」というものがあります。

 

これは水溶性食物繊維で、一緒に食べた糖や脂肪を抱きかかえて、そのまま便として出す作用があるので、食後の血糖値や中性脂肪が上がりにくいこともわかっています。さらに、人に対する安全性も証明されており、食品に配合しやすい成分です。

 

トクホの評価基準の中でも、特に安全性に関しては重視されていますので、難消化性デキストリンのような、健康問題がまず起こらないとされる成分は許可が通りやすいといえます。

 

「整腸作用(お腹の調子を整える)」や「食後血糖値の上昇抑制作用」「食後中性脂肪の上昇抑制作用」を目的としたトクホのほとんどには、難消化性デキストリンが配合されているのはこうした事情によるものです。また、難消化性デキストリンはトクホ以外でも、サプリメントなどに便通を良くする目的で利用されています。

自分で確かめ、選ぶ姿勢が大事

しかし、このようにメカニズムが明らかで効果も証明されている成分でさえも、誰にでも同じように作用するかどうかはわかりません。

 

トクホのすべてを疑うべきとまでは言うつもりはありませんが、少なくとも、「お腹の調子を整える食品」でトクホをとっているものなら必ず、自分のお腹にも良いだろうと盲目的に信じ込むのはどうかと思います。

 

便通の改善や、膨満感の解消など、お腹の調子は自分で比較的短期間のうちに実感できるはずですから、トクホの中でも、手ごたえが得られそうなものを自分で確かめて選ぶ姿勢が大事でしょう。

 

なお、2015年より、メーカーの責任で消費者庁のガイドラインに沿って臨床試験や論文などの科学的根拠を示せば、国の審査なしで食品の機能性をうたえる「機能性表示食品」制度がスタートしました。

 

トクホに比べ、申請にかかるメーカー側のコストは少なくてすむので参入しやすいメリットはありますが、今のところまだ商品数は少なく、消費者の受け取り方や消費への影響などをメーカー各社が〝様子見〟している感があります。

 

また、示された科学的根拠に乏しい商品も散見されるという意見もあるようですので、消費者としては、トクホと同様に、表示を鵜呑みにするのではなく、自分の身体で確かめることが大切であると考えます。

本連載は、2016年4月30日刊行の書籍『不老「腸」寿』から抜粋したものです。記載内容は予防医学の観点からの見解、研究の報告であり、治療法などの効能効果や安全性を保証するものではございません。

株式会社光英科学研究所 代表取締役

昭和15年山口県山口市生まれ。昭和34年に電子工学系専門学校を卒業後、義報社に入社。同社の大谷光瑞農芸化学研究所にて、乳酸菌生産物質の生みの親である正垣一義氏に師事し、乳酸菌の培養技術を学ぶ。昭和44年、光英科学研究所を設立。以降、約50年にわたり「乳酸菌生産物質で、世界人類の健康増進に貢献する」という理念のもと独自の研究開発を行い、現在も多くの人の健康長寿に貢献し続けている。

著者紹介

連載巷にはびこる「間違いだらけの整腸法」

不老「腸」寿

不老「腸」寿

村田 公英

幻冬舎メディアコンサルティング

本書では、約50年の長きにわたり乳酸菌の研究を行ってきた著者が、本当に効果のある腸内改善のノウハウについて解説していきます。「乳酸菌生産物質」を活用した腸内改善を行えば、100歳まで健康に長生きすることが可能になる…

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