今も人気の毎月分配型投資信託 本当にお得なのか?

今回は、今も人気の高い「毎月分配型投資信託」について、その基本的な仕組みと、投資商品としてのメリットとデメリットをお伝えします。※本連載では、日本でも始める人が増えている投資信託について、なかなか利益を上げるのが難しいという現状を踏まえつつ、お勧めできる運用手法をお伝えしていきます。

「分配金=預貯金の利息」という大きな誤解

日本で現在も根強い人気がある「毎月分配型投資信託」ですが、最初の設定は1997年といわれています。日本で購入できる投資信託に占める割合は、今でも60%を超えています。今回はこの毎月分配型投資信託のメリット、デメリットをわかりやすく解説していきます。

 

そもそも、投資信託における「分配金」とは何でしょうか。投資家の中には、分配金=預貯金の利息と誤解されている方もいるようです。しかし、投資信託の分配金は、預貯金の利息とは異なり、投資信託の純資産の中から支払われます。そのため分配金が支払われると、その金額相当分、基準価額が下がります。ここを理解されることが重要で、高分配を出しているファンドは、その分、基準価額が下がる可能性があるということです。

 

次にチェックするポイントとして、分配金の種類です。分配金には「普通分配金」と「元本払戻金(特別分配金)」の2種類があります。

 

【図表 分配金の種類】

(注)個別元本とは、投資家それぞれに算出される平均取得価格
(注)個別元本とは、投資家それぞれに算出される平均取得価格

普通分配金は、運用によって儲けが出た時に、利益の範囲から配当している「健全な分配金」といえます。

 

元本払戻金は、しばらく特別分配金と呼ばれていましたが、「特別」という名前からボーナスが出たと誤解されることが多くなり、呼び方が代わりました。これは、利益が出ていないにかかわらず出された分配金で、いわば「不健全な分配金」といえます。つまり、投資した資金を返却してもらっているにすぎないのです。

 

運用報告書など「分配金のお知らせ」をチェックして、受け取った分配金がどちらの種類の分配金なのかを確認することが重要です。

分配金支払いがあるため「複利効果」が期待できない

最後に、メリット、デメリットを簡単にまとめます。一般的には、メリットよりデメリットの方が大きいという意見の方が多いでしょう。

 

メリット

・投資信託を売却せず、運用を続けながら、その運用成果を毎月受け取ることができる。

 

デメリット

・複利効果がない。本来、分配金として支払われなければ、そのまま投資資金として運用され続けていたはずが、分配金を支払ったことで、運用される資金が少なくなり、その結果、複利の効果が得られにくくなる。

・一方で、分配金を減額すると解約が多くなって、運用自体に支障が出かねない。

 

投資信託協会による「2015年投資信託に関するアンケート調査」によれば、毎月分配型投資信託を保有している顧客のうち、「分配金として元本の一部が払い戻されることもある」ということを理解している顧客はたった37%にすぎません。

 

また、毎月分配型投資信託での苦情で一番多いのが、毎月一定の分配金が振り込まれるので順調に運用され儲かっていると安心していたのに、現金化してみると投資した金額から大きく目減りしてしまっていたというケースです。

 

これらのことから言えるのは、分配型投資信託は、分配金がもらえるからという理由だけで飛びつくのではなく、しっかりとメリット・デメリットを理解したうえで、購入を検討することが大切です。

本連載は、一般的な投資信託の仕組みなどを紹介することを目的にしています。投資を促したり、筆者が所属する「幻冬舎アセットマネジメント」に勧誘することを目的としたものではありません。また、投資にはリスクがあります。リスクに十分に考慮をして、投資判断を行ってください。本連載の内容に関して投資した結果につきましては、著者及び幻冬舎グループはいかなる責任も負いかねます。

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幻冬舎アセットマネジメント 事業開発室 室長

1984年、日興証券(現SMBC日興証券)入社。個人富裕層向けの資産運用アドバイス、外資系金融機関への機関投資家営業ののち、投資開発部、ファンドマーケティング部でデリバティブ商品、投資信託業務に従事。
2001年からは三菱UFJ証券(現三菱UFJモルガンスタンレー証券)で商品開発本部に所属し、銀証連携により企業オーナー、個人富裕層に対しての商品企画、販売プロモーションを経験。
2011年、バークレイズ・ウェルス・サービシズに移り、日系メガバンクとのプライベートバンキング事業立ち上げに参加。プライベートバンカーとして、資産5億円以上の富裕層顧客に資産のコンサルティング業務を行う。
2017年1月から現職。これまでの経験を生かし、金融機関とは一線を画し、企業オーナー、富裕層の財産を守る為に、公正、中立な情報の提供を心がけている。

著者紹介

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