今や手軽には売買できないNZオークランドの住宅

住宅価格が年々上がり続けるオークランドの現状には、現地の人々も困ることが多々あるようです。今回は、手軽には売買できなくなったオークランドの住宅事情を、実例を交えて説明します。

家を贈ることもある!? NZのバレンタインデー

ランタンフェスティバルが開催されるなど、まだまだ春節のお祝いムードが続くオークランド。そうこうしているうちに、バレンタインデーの日がやってきました。

 

 

日本のデパートでは、女性が男性に贈るチョコレートを探して、活気付いていることでしょう。オークランドでは、車のショールーム、オープンホームにカップルで訪問するなど、いつもと少し異なる風景が見られます。2月は、ファーストホームバイヤーが増える時期でもあるのです。

 

日本と違いニュージーランドでは、男性から女性への愛の印として、花束を贈ったり、車を新調したりします。中には、奥さん、フィアンセに家をプレゼントする人も・・・とっても豪快なプレゼントですね。

住宅価格の高騰に生活環境まで左右される現地NZ人

両親が投資用として持つ家の中から、息子夫婦の新居を提供する場合もあれば、親からデポジット分の援助を得て、後は自力でローンを組むケースもあります。

 

ある30代の夫婦の例をご紹介します。

 

2012年の3月、3LDKの家を購入。夫婦共稼ぎだったことに加え貯金もあったので、デポジット分を自力で用意をし、ローンを組みました。二人共公務員で、給与は安定していたようです。

 

室内は古かったので、キッチン、バスルームを改装。ご主人が自分で庭のフェンスやデッキ作りをして、新築同然に家を変身させました。子ども二人にも恵まれ、ファミリーホームとして約4年の時を経ていきました。

 

ある日、ご主人が仕事を転職。オークランドから、北へ2時間程度の海辺の街での仕事を得ました。そこで困ったのが、今の家をどうするかということです。今の家を売って、新天地で新居を購入をするか、二人は悩みました。

 

約4年前に家を48万NZドルで購入、改装費に5万NZドルほどかけていますから、合計53万NZドルでの購入。その家を今そのまま売却するとなれば、査定価格は70万NZドル前後となります。

 

家を売ってローンを返済すると、手元に残るのは70万NZドル−48万NZドル=22万NZドル。改装費にかけた費用5万NZドルを差し引くと、17万NZドルの利益です。この利益を手に、次の新天地で新居を買うか、それとも今の家を賃貸で運営し、新たなローンを組んで新居を購入するか・・・二人はその2択で悩んでいるのでした。

 

 

 

相談を受けた筆者はすぐさま、「今の家を売るのは止めなさい」と言いました。オークランドへ将来戻った時に家を持とうと思っても、買えない価格になっているであろうことが容易に想像できるからです。

 

あるリタイヤメント夫婦の事例を紹介します。十数年前、オークランドの西方面に自宅を持っていたご夫婦は、当時30万NZドルほどで家を手放し、オーストラリアのサンシャインコーストへと移住。移住した先ではプール付の4LDKの住宅を建設し、優雅な生活を送っていました。

 

しかし、年金を得る年齢となり、さぁニュージーランドへ戻ろうということになった時、オークランドの住宅は手が出ない金額となっていました。ましてや、高齢期に入っている夫婦には、オークランドで家を買うことはもはや不可能となっていたのです。

 

このように、現地のニュージーランド人でも、近年の不動産価格の状況及びキャピタルゲインの高騰には、生活環境が左右されるほど困らされているのです。ニュージーランドを出て行った人達にとっては、外国人と同等の買い物になるわけです。

 

住宅が高騰する時期に家を売ってキャピタルゲインが出ても、月日が経過し住宅価格が更に高騰していた場合、家を買い戻すことが非常に難しくなってしまいます。

 

このような事例を筆者は経験しているので、家を所有している若い世代の夫婦には、二重ローンで厳しくなっても、オークランドの家を手放さずに新天地で住宅を購入し、豊かな老後を目指しなさいとアドバイスするのでした。

 

言うのは簡単ですが、実際にローンを払い続ける二人にはどう判断されるのか・・・。まだ答えが出ておらず、銀行の融資次第でもあります。二重ローンが厳しければ、家を手放さずに賃貸運営し、新天地では賃貸運営で得た家賃収入で、賃貸物件に暮らすという効率のよい案もお薦めしています。

 

兎にも角にも、暮らしの中の「住居」がいかに大切なものかと考えさせられる事例でした。

「シェアハウス」で節約暮らしをする日本人の若者も

続いて、留学やワーキングホリデーのビザを利用して、ニュージーランドで生活している日本人の若者の状況をお話したいと思います。

 

ワーキングホリデーなら、31歳までニュージーランドに暮らすことができます。20代後半から31歳の人達は、日本で社会経験を積んで、会社の主流へと進む世代。そんな中、外国の地で自分の経験を生かし、時として全く異なる業種で活躍しています。

 

自分一人で1LDKの賃貸アパートで暮らすとなると、家賃も最低月8万円は必要になります。住居費、光熱費を加えると10万円は予算が必要になり、更に食費・行楽費を計上していくと、そんなに優雅な生活はできません。

 

そんな中、3~4名で1軒屋を賃貸し、共同生活をするグループもあります。生活費がシェアできるので節約になりますし、全く異なる業種同士が同じ屋根の下で暮らすことで、情報交換もできます。さらには、日本を離れて暮らす寂しさも紛れることでしょう。ニュージーランド社会の中で暮らしているたくましさに感動します。

 

日本人の家主にとっても、このような若者に暮らしてもらうことで、日本の若者に貢献しているという気持ちが生まれるようです。投資だからといって、ビジネス的なことばかりを考えない家主も多くいるのです。一方、現地の人達にとっても、日本人を好意的に思ってくれる人が多いので、貸してくれやすい現状があります。

 

 

家を購入できる人の数は低く、賃貸物件で暮らす若い世代、熟年層も多々いますので、オークランドでの賃貸物件投資は、社会貢献の場でもあるのです。

連載償却メリットでも注目!「ニュージーランド不動産」の最新事情

Goo Property NZ Ltd. 代表取締役社長

1982年、大阪女学院短期大学英語科卒業。カリフォルニア大学デイビス校留学。帰国後、旅行会社のツアーコンダクターに従事。1987年、ニュージーランドツアーの添乗を機に、移住希望を持つ。

1995年1月の阪神・淡路大震災を経験し、1996年に移住を実現。 自己の居住用物件さえあれば、落ち着いて生活ができると感じ、ワンルームマンション購入を実行。その経験を生かし、不動産業界に参入。当時インターネット環境が整いつつある中、日本語ウェブサイトを開設し、留学・観光・不動産投資についてのコンサルティングを始める。

現在、ニュージーランドの大手不動産売買仲介会社であるHarcourts New Lynn(ハーコウツ・ニューリン)支店にてセールスコンサルタントとして活動しながら、日本人のための投資コンサルタント会社Goo Property NZの代表としても活躍中。

著者紹介

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