今回は、インターネットで目にする不動産の「一括査定サイト」の仕組みについて見ていきます。※本連載では、「不動産高く売りたい.com」代表・露木 裕良氏の著書『不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと』(現代書林)より一部を抜粋し、売りたい人が抱える「事情」につけ入る不動産業者の実態を紹介します。

あたかも高く売れるように感じるが・・・

最近、ネットを見ていると〈不動産価格一括査定〉〈大手不動産業者10社により最高値査定をいたします〉などの広告やキャッチコピーが踊っていることに気づきます。

 

これは「一括査定」と呼ばれるサイトで、ウェブ上のフォームに物件情報を入力して送信すると、不動産会社から査定価格が届くという仕組みです。

 

これを利用すれば、あたかも高く売れるように感じますが、しょせん根拠のない査定です。しかも客をつかみたい業者は、専任媒介契約をまず締結するために高い査定価格を提示するでしょう。

 

当然、査定を依頼するあなたは、物件の所在地や所有者の情報を提供するわけですから、思わぬ相手にまで情報が洩れて、とんでもない業者が営業に来たり、DMや電話がかかってきたりすることも想像できます。

共同で顧客情報を手に入れる格好の仕組み!?

一括査定サイトは、売りたい方にとって便利なサイトに見えますが、実際にはそれ以上に業者にとってメリットがあるのです。業者にとっては、共同で顧客情報を手に入れる格好の仕組みなのです。

 

私が調べたところ、登録業者は一案件あたり1万5000円から2万円の費用を払っています。月に300件くらいの問い合わせがあるとして月に500万円くらいのコストをかけているわけです。一件の販売コストと考えたらとても割に合いませんが、名簿料と思えば安いものです。

 

あなたは、こうした思惑に踊らされてはいけません。

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    本連載は、2016年12月19日刊行の書籍『不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

    不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと

    不動産を「高く売る」ために知っておきたい大切なこと

    露木 裕良

    現代書林

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