今回は、着物をもらうなら親の生前と相続後、どちらが有利なのかを見ていきます。※本連載は、久野綾子税理士事務所の代表税理士・久野綾子氏の著書『相続貧乏になりたくなければ親の家を賢く片づけましょう』(アチーブメント出版)の中から一部を抜粋し、実家の「モノ」の片付けに関するポイントをQ&A形式で解説します。

高価なものでない限り、贈与税や相続税はかからない

重要度 ★★★★☆

親の着物。

生前贈与 or 相続時

もらうなら、どっち?

 

答え:着物は生前贈与でもらう!

エピソードの継承は、生前にしかできません。

 

「亡くなった母の桐ダンスの中に、大量の着物が! 昔取引していた着物屋さんが廃業して、相談する先がない。どうしよう・・・」

 

など、着物の整理に困っているという話をよく聞きますが、着物は生前にもらう方がいいのでしょうか。それとも、相続でもらう方がいいのでしょうか。

 

ポイント① 税金

よほど高価なものでない限り、着物自体に贈与税や相続税がかかることはありません。仕立てた着物の形になっていると、他の人が着まわすということも難しいためお金に換えられるどころか、業者にお金を払って処分してもらうこともあるほど。生前でもらおうと、相続でもらおうと、税金の面では変わりません。

着物にはそれぞれの親のエピソードが・・・

ポイント② エピソード

それぞれの着物には、それぞれの親のエピソードがあります。

「この着物は私が成人式のときにつくってね・・・」

「あの着物はあなたの結婚式のときに着てね・・・」

こういったエピソードこそが、子どもにとってのちの宝物になるのです。

 

着物は、着ない人が遺品としてもらっても単なるゴミになってしまいますが、思い入れのある着物を加工して小物にしたり、形を変えることで親の思いを継承することができます。もちろん、着物を着る方、着ようと思っている方は、しみ抜きをしたりお直しをすることで、思いと着物の両方を継承することができます。

 

<遺品としての着物の選択肢>

①お直しして着る

②将来のために残す

③小物に変える

④捨てる

 

いきなりの「お金」の贈与は親に切り出しにくいもの。まずは「着物」の贈与を相続対策の一歩にしてみてはいかがでしょうか。

本連載は、2015年3月3日刊行の書籍『相続貧乏になりたくなければ親の家を賢く片づけましょう』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

相続貧乏になりたくなければ 親の家を賢く片づけましょう

相続貧乏になりたくなければ 親の家を賢く片づけましょう

久野 綾子

アチーブメント出版

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