前回は、相続税がゼロになる可能性もある「配偶者控除」の仕組みについてお伝えしました。今回は、申告期限を過ぎてしまったり、過少申告していた時などに課せられる相続税のペナルティについて解説します。※本連載は、公認会計士・税理士の御旅屋尚文氏、司法書士の池田秀樹氏、特定社会保険労務士の柳勉氏の共著『家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本』(神宮館)の中から一部を抜粋し、家族が亡くなったときに発生するさまざまな手続きについて解説します。

自主的に修正申告すれば過少申告加算税は課されない

相続税にまつわるペナルティはいろいろあります。気がついたらすぐに申告することが大切です。

 

◆延滞税

相続税の納付が期限後になり遅れた場合、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて利息に相当する延滞税が自動的に課されます。

 

◆過少申告加算税

誤って税金を少なく申告し、自主的に修正申告をした場合は、ペナルティはありません。誤って税金を少なく申告し、税務調査で指摘され修正申告した場合は、追加納付した税金の10%で計算。ただし、追加納付税額が「期限内に申告した税金」または「50万円」のいずれか多い金額を超えるほうに15%の税率で計算します。

悪質な場合には40%もの重加算税がかかる場合も

◆無申告加算税

申告書の提出を忘れて自主的に期限後に申告した場合は、納付税額の5%(申告期限から2週間以内であれば0)です。

 

申告書の提出を忘れて税務調査の後に申告した場合、納付税額の15%(納付税額が50万円を超える部分に対しては20%)です。

 

◆重加算税

申告書を提出したが、故意に財産を隠したり証拠書類を偽装した場合、納付税額の35%、申告そのものをせずに財産を隠したり証拠書類を偽装したりした場合、納付税額の40%が課せられます。

ここがポイント

各種ペナルティが課せられた場合の計算方法などは、国税庁のホームページにありますので確認してください。まずは法定納期限を守り、単純な計算ミスなどしないように気をつけることです。

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    本連載は、2016年12月11日刊行の書籍『家族が亡くなった後の手続きと相続がわかる本』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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