前回は、発毛を促進させる体づくりのために重要な生活習慣を取り上げました。今回は、発毛効果が実感できない場合でも、すぐに諦めてはいけない理由について見ていきます。

育毛・発毛ノウハウの核となるのは「体質の改善」

私自身、薄毛にコンプレックスを抱えて悩みながら、いろいろ試している間は、まさに暗中模索でした。しっかり発毛しだしてからは、「こうすればよかったのだな」とはっきりわかりましたが、それまでは何をやっても半信半疑です。

 

何かやってみてすぐに、「おや、この方法はよさそうだ」と感じることができればいいのですが、よいと思って取り入れたことでも、なかなか結果が出ないと「これは本当にいいのかな」と疑心暗鬼になります。たとえ薬を使っていても、発毛効果を実感するまでには〝年単位〟の時間がかかることがあります。だから、どんなに髪によいことをしていても、すぐには効果があらわれないのです。

 

まさにそういうところが、ハゲを食い物にする業者の〝つけ入る隙〟になっているのです。だから、肝心なのは、科学的・医学的に常識で考えて「体にいいことは髪にもいいのだ」と確信をもって、強い気持ちで体質改善を図っていくことだったのです。それが、育毛・発毛ノウハウの核と言っても過言ではありません。

 

そして、髪がまた生えてくると、もうひとつの発見がありました。周りの人に、「なんで生えてきたの?」と言われるのです。こっちもまだコンプレックスを引きずっていますから、フサフサの人から「なんで」と言われると、「なんだよ、生えちゃいけないのかよ」と思ったりもします。

 

でも、ハゲや薄毛を気にしている人から「どうやったの?」と聞かれたなら、逆に教えてあげたくなるのです。それで、「こういうことを地道にやってきたらなおったんだよ」と言うと、みんな「え?」と驚いたり、「へえ~!」と感心したりします。私は、本やネットで知識をあさったりしただけですから、自分のやってきたことは、みんなも知っていることばかりだと思っていたのですが、意外とそうでもなかったようです。「こういうことって、みんなが知ってるわけじゃないんだ」と思いました。

 

ということは、自分と同じように悩んでいる人たちに、「僕はこうやってハゲを克服しました」というノウハウを伝えていったら、喜んでくれる人も多いんじゃないか? そう思ったことが、今の育毛コンサルティングの仕事につながっています。

「髪が生えている自分」を強くイメージ

同じことをしても―たとえば同じ薬を使っていても、人によって違いというものは出てきます。体質などもありますが、強い気持ちをもつというのも、すごく大事な要素だと私は考えています。これ、根性論ではありませんよ。物事に真剣に取り組んでいる人にはわかっていただけるのではと思うのですが、人は、イメージできないことはなかなかできません。反対に、ありありとイメージできることって、実現しやすいのです。

 

今、陸上の短距離界では、日本人ランナーが100メートルで10秒を切るのも、時間の問題だと言われています。これは、速い選手が何人もそろって、実際に10秒台前半の勝負で切磋琢磨しているからだと思います。周りに10秒で走っている人がいるから、そうなるんですね。私の好きな野球で言えば、時速170キロの球を投げているピッチャーって、今はまだメジャーリーグのカブスに所属しているA・チャップマン投手しかいません。少なくとも、日本球界で記録上の最速は、日本ハムの大谷翔平投手が今シーズン記録した163キロです。

 

昔は、球場のスピードガンでエース級が150キロ出したら、観客がみんな「スゲエ~!」と言っていました。ところが、今は150キロの球を投げるピッチャーなんてざらで、140キロの変化球を投げるピッチャーまでごろごろいます。これは、150キロの球を投げるというのが、漠然とした夢の数字じゃなくて、たくさん具体例のある、身近な目標になったからだと思います。仮に、大谷選手あたりが170キロを出せば、日本でも160キロ台を投げるピッチャーがどっと増えるなんてことは、ありえますよね。

 

さて、そこで髪についても同じように考えてみましょう。

 

ハゲに関しては、昔なら「なおった人がひとりもいない」という世界でした。そういう世界で「俺はハゲをなおす」とか言っても、全然現実感がありません。本人も周りも「夢を見るのはいいことだ」と、笑い話のネタにするのがせいぜいでしょう。そういう世界では、中年を過ぎた男のハゲに毛が生えてきたとしても、「そもそも円形脱毛症みたいなものだったんだろう」とか、常識に合わせて解釈しますね。誰もマネをしようとは思いません。

 

でも、それって、よく考えたら、「感覚的にイメージできなかっただけ」なのではないでしょうか。今は、ハゲがなおった人が、いくらでもいるわけです。だから、まず、「発毛は可能か不可能か?」と言えば「可能である」というのが正解になります。そして、「自分にできるのか、できないのか?」と言ったら、そこからは本人のイメージ次第なんじゃないかと思います。

 

お腹の出ている人に、これから100メートルを走って10秒切れとか、160キロの球を投げろという話ではありません。この間まで生えていた髪を取り戻そうというだけのことです。やっぱり、疑心暗鬼の人はなおりにくいし、強い信念をもつと、それだけなおりやすいのです。

本連載は、2016年9月12日刊行の書籍『ハゲからの生還 なぜ、私はたった1年で「超フサフサ」になったのか?』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

ハゲからの生還

ハゲからの生還

杉山 哲矢

幻冬舎メディアコンサルティング

「ハゲ」…それは男性にとって、非常にデリケートかつ切実な悩みでしょう。 本書では、かつてハゲに苦しめられ、様々な努力の末に「超フサフサ」を取り戻した著者が、自ら体を張って検証した「本当に効果のある薄毛治療」を…

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