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連載スリランカIT企業の「少数精鋭」組織術【第2回】

スリランカの伝統にもマッチするIT系の新組織形態

スリランカ組織論

スリランカの伝統にもマッチするIT系の新組織形態

Google・Facebook・Amazonにならって、Leapset社のスリランカ支社にも導入された少人数チーム制度。今回は、その組織形態の特徴をご紹介します。

Leapset社の少人数チームの4つの特徴

スリランカでソフト開発を行うLeapset社が行った組織改革には4つの特徴がある。第一に、縦割り組織から6人以下のエンジニアによる自主性の高い少人数チームの集合体へと変えた点だ。このチーム制を導入してからは、各チームでひとつの製品を開発し、チームを横断して関わる相談役(メンター)の指導を受けるかたちを取るようになった。

 

次に、チーム内の全メンバーすべてに、開発プロセスとプログラミング言語の習得を求めた。通常、ソフトウェアエンジニアは一つの言語を専門とする。しかし、少人数で進めていくためには、川上から川下までのすべてを理解しないといけない。

 

三つ目は、チームでの協働を重視した。この協働により、適応計画の策定、変更に対する迅速かつ柔軟な対応、一度作ったモデルを少しずつ改良しながら完成させていく進化的開発、継続的な改善、そして素早いアウトプットが可能になるのだ。

 

そして最後の点として、プログラム開発にテスト駆動開発という手法を採用した。この手法では開発序盤に、必要とされる改善点や新たな機能についてコードを書く前にテストを書く。次にそのテストが動作する必要最小限な実装をひとまず行い、後にその新しいコードが諸条件を満たすよう洗練させていく。

 

Leapset社の少人数チームはこの4つの特徴を活かし、最適なパフォーマンスを発揮できる、いわゆるインセイン・モードを発動できるようになった。偶然ではあるが、インセイン・モードの本元である米国テスラモーターズ社もまた5、6人単位の少人数チーム制を採用していたのだ。

実はスリランカ警察にも残る少人数制の伝統

共同創設者のShanil氏は、スリランカでは以前から少人数チームの仕組みは上手く実践されているのだと指摘した。しかし、それはテクノロジー業界における話ではない。内戦中、スリランカ警察特殊部隊(Special Task Force)は2、3人でのチームを編成し、職住を共にさせながら、特殊任務を遂行させていた。

 

海軍も敵の小さな船の大群に対し、頻繁に巨船で立ち向かう必要があったことから、似た手法を取り入れた。小さな船と戦うためには巨船では素早く動き回ることが出来なかったため、3人の水兵を乗せた小さな船を複数配置し、小回りを効かせながら攻撃することが可能になった。

マネージャーを必要としない管理体制

更にShanil氏は、少人数チームという考え方がスタートアップ文化とも馴染む点を付け加えた。「もし私が明日から新しい会社を立ち上げるとしましょう。30人も雇わないでしょうね。そして、一つのチームには多くても5人しかいれません。そして、チームごとに製品開発を進めてもらいます」

 

チームの規模はこの程度がまさに最適であり、このサイズを維持することで、個人の能力は活かされメンバーの起業家精神やチームの創造性を呼び覚ますことができるとShanil氏は強調した。なぜなら、各チームが製品を開発する企業そのものだからだ。このチーム制を採用すると、より早い決定を下すことが出来る、その一方でチームが大きくなると、そのマネジメントに時間がかかる。つまり、開発に充てることが出来る時間がマネジメントに費やされてしまうのだ。


次回は、少人数チームを導入するメリットをさらに詳しくご紹介します。

この連載は、GTACが提携するスリランカのメディア「ECHELON」が2015年5月に掲載した記事「Increasing Productivity by Thinking Small」を、翻訳・編集したものです。

ECHELON

『ECHELON(エシュロン)』は、スリランカの三大ビジネス誌のひとつ。著名な経営者・ビジネスパーソンのインタビュー記事から、同国の金融・経済・投資・不動産などの最新事情、ラグジュアリーなアイテムやライフスタイル等の記事を幅広く掲載。経営者層やハイクラスなビジネスパーソンなど、同国の物的・知的富裕層を多数読者に抱える。(写真はチェアマンのChanna De Silva氏)

著者紹介

連載スリランカIT企業の「少数精鋭」組織術

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