「隣接地」を活用して不動産の価値を高める方法

自分の所有地の地形が悪く「塩漬け」状態になっている場合でも、隣接地を活用すれば問題解決できることがあります。

地形が袋地状で、売れそうにない土地をどうするか?

昨年、湘南の一等地を350坪ほど所有しているDさんから相談がありました。地形が袋
地状で入口が狭く、マンション業者や建売業者にはどうにも売れそうにないので、どうしたらいいか、とのことでした。

 

周辺の土地を調査したところ、隣接所有者の土地100坪と一体にすることができれば、
入口が広い整形に近い土地になることがわかりました。

 

隣接所有者は、一流企業への勤務を経て悠々自適の生活を送っていたようですが、バブル
期に土地を高値で購入して以来、購入時の半値程度にまで大幅に値下がりした土地を抱えて持て余している状態でした。

 

さっそくDさんの土地と隣地の両方を一体として鑑定評価してみると、いずれも単体での
鑑定評価より高くなるため(鑑定専門用語で併合増加という)、隣地所有者にもご説明して売却と配分案を提案しました。

 

その後は信頼を得てとんとん拍子に話が進み、450坪の敷地としてマンション業者の入
札にかけたところ、数社から高額での購入打診があり、単体での相場水準(当時)よりも極めて高い1.5倍程度の価格で売却に成功しました。

 

単独ではなかなか売れないでいたDさんはもちろん、隣接所有者の方にも時価相場の約2
倍の配分があったため、両者ともたいへん喜んでいました。

 

このように、売りにくい塩漬け状態の不動産も、様々に工夫すれば必ず問題解決できると
いうわかりやすい例です。

競売で隣接地を買い、資産価値を高める

また、所有地に価値がある場合、安い隣接地を買ってその土地の価値を高めることもでき
ます。

 

東京都目黒区に、私の取引先であるEさんの自宅があるのですが、数年前にその裏側にあ
る40坪の土地が競売に出されました。その土地は、道路には面しているもののL地形の土地で、競売価格は近隣の相場水準の半値以下でした。

 

Eさんは購入すべきかどうか迷っていたようですが、これらの土地が一体となると併合の
結果、二方道路になり、地型も良くなるため、私は購入すべきと判断しました。入札の結果、見事半値の2000万円で購入できたうえに、所有する土地全体の資産価値も大きく高まったのです。

 

自宅の所在する地方裁判所は、時々競売情報を発表しています。勉強になるので不動産
オーナーの皆さんにも見ておくことをおすすめします。

本連載は、2014年3月20日刊行の書籍『塩漬けになった不動産を優良資産に変える方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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東京アーバンコンサルティング株式会社 代表取締役社長

1967年、慶應義塾大学法学部法律学科卒業後、三菱信託銀行入社。本店不動産部配属となり、不動産仲介・鑑定・開発・各種コンサルティング業務に従事する。その後、米国ロサンゼルス支店融資課長、次長、本店国際不動産コンサルティング業務担当部長等を歴任し、1991年に米国三菱信託銀行(ニューヨーク)会長兼社長に就任。
95年、英国系国際不動産コンサルティング会社である日本ナイトフランク株式会社代表取締役社長に就任。97年に東京アーバンコンサルテング株式会社を設立、現在に至る。
不動産鑑定士。不動産カウンセラー(日本不動産鑑定協会)。不動産コンサルティング技能資格(国交省所管)。宅地建物取引主任者(国交省所管)。不動産専門調停委員(東京簡易裁判所)。

著者紹介

塩漬けになった不動産を 優良資産に変える方法

塩漬けになった不動産を 優良資産に変える方法

相馬 耕三

幻冬舎メディアコンサルティング

バブル崩壊以降、買ったはいいものの収益を生んでいない賃貸物件や、地価の暴落でほったらかしになっている土地を抱える不動産オーナーは多くいます。ソニー生命の不動産整備などを実現してきた経験豊富な不動産コンサルタント…

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