1300社を超える企業が導入 人気を集める「株主優待」とは?

本連載は、大和インベスター・リレーションズ株式会社(代表取締役社長・長谷川常雄氏)の著書『株主優待ガイド2017年度版』(ソシム)の中から一部を抜粋し、近年、ますます増える株主優待の基礎知識や最新事情をご紹介します。

株主へ利益を還元する「株主優待」

マイナス金利の導入により、貯蓄以外で資産を効率的に増やす方法として株式投資に注目が集まっています。その主な魅力は、キャピタルゲイン(値上がり益)とインカムゲイン(配当)の2つのリターンです。これらに加え、個人投資家の間で「株式投資の第3のリターン」として“株主優待”が人気となっています。多くのマネー誌が特集を組んだり、優待愛好家と呼ばれる投資家の登場も人気を後押しする要因となっているようです。

 

そもそも株主優待は企業があげた利益を株主へ還元する方法の1つで、株主に対する定期的なプレゼントのようなものです。上場している全ての企業が行っているわけではありませんが、現在では1,300社を超える企業が導入しています。

 

導入している企業は、長期的に株式を保有してくれる個人株主をつくるための有効な策として捉えているようで、優待内容は企業によって様々で、バラエティ豊かな内容となっています。これまで優待を実施していなかった企業でも導入が検討され、今年は108社が株主優待を新設しています。

 

Eストアーは、100株以上保有で500円分のオリジナルクオ・カードを贈呈する株主優待を2016年7月20日に発表しました。他にも、早稲田アカデミーは、100株以上保有で保有年数が3年未満では1,000円分、3年以上では2,000円分のクオ・カードがもらえる優待を発表しています。

 

最近の優待の内容で目立つのは、先の2社も採用している「クオ・カード」です。現金と同じように使えることから、個人投資家から人気のようです。他には「カタログギフト」も多くなっています。優待を新設した企業で「カタログギフト」をとりいれているのは、新日本空調萩原工業日本コンセプトなどです。

 

他にも、アドソル日進は、4,000株以上保有でクオ・カードか紀州梅ギフトが選べるカタログを優待品の1つとしています。自分で好きなものが選べるという楽しさが人気の理由かもしれませんね。

 

各社が趣向をこらして行っている株主優待。目うつりするぐらい様々な内容がありますね。次からはトピックスごとにほんの一部ですが、いくつかの会社を紹介していきます。

 

左上:新設のEストアーは100株以上保有で500円分のオリジナルクオ・カード
右上:アドソル日進は4,000株以上保有でクオ・カードの他、選べる紀州梅のカタログギフト
下:新設の早稲田アカデミーは保有年数に応じた額のクオ・カード
左上:新設のEストアーは100株以上保有で500円分のオリジナルクオ・カード
右上:アドソル日進は4,000株以上保有でクオ・カードの他、選べる紀州梅のカタログギフト
下:新設の早稲田アカデミーは保有年数に応じた額のクオ・カード

PRも兼ねて新商品などを贈る企業も

株主優待の定番といえば、食品や飲料、化粧品、日用品などの自社商品。自社商品のPRも兼ね、新商品などを株主に贈るとともに、株主に商品を利用してもらい自社への愛着や理解を深めてもらう狙いがあるようです。また、株主からも普段使うものなどや新商品をいち早く試せるということで根強い人気があります。

 

ダイドードリンコは「オンリーDyDo」のおいしさを盛り込んだ3,000円相当の自社グループ商品が年2回もらえます。コーヒーやソフトドリンク、ゼリーなどの商品がセットになっていて、充実した内容となっています。

 

また、2016年9月14日に優待の新設を発表した、総合製紙メーカーの大王製紙は、300株以上保有で1,000円相当の自社商品、1,000株以上保有で2,000円相当の自社商品がもらえます。少し高級なトイレットペーパーやティッシュなどの商品がもらえるようで、ちょっと嬉しくなりますね。

 

すかいらーくは、2016年2月に優待内容の拡充を発表し、保有株数に応じて、ガストやバーミヤンなどの自社店舗で使用できる優待券を年2回もらえるようになりました。また、西松屋チェーンは、全国の「西松屋」で使用できる優待券を保有株式数に応じてもらえます。家族が多い家庭ではこのような優待品は喜ばれるのではないでしょうか。

 

左上:ダイドー・ドリンコは人気の自社グループ商品を年2 回
左下:すかいらーくは自社店舗の優待券を年2 回
右上:大王製紙は保有株数に応じた自社製品
右下:家族にも嬉しい西松屋チェーンの優待券
左上:ダイドー・ドリンコは人気の自社グループ商品を年2回
右上:大王製紙は保有株数に応じた自社製品
左下:すかいらーくは自社店舗の優待券を年2回
右下:家族にも嬉しい西松屋チェーンの優待券

株主限定のオリジナルギフトがもらえる!?

他にも優待のためにオリジナル商品を用意している会社があります。株主にならないともらえないという“特別感”が投資家の間で人気になっています。代表格は、アサヒグループホールディングスの株主限定プレミアムビールや日清食品ホールディングスのひよこちゃんオリジナルグッズ。

 

アサヒグループホールディングスの優待内容は、100株以上保有で株主限定プレミアムビールの他に、酒類商品詰合せや清涼飲料水・食品商品詰合せや寄付などから選べますが、多くの株主はビールを選択するようです。

 

日清食品ホールディングスは、100株以上保有で1,500円相当のグループ製品詰合せセットか寄付のいずれかが選択できますが、ひよこちゃんオリジナルグッズは300株以上保有の株主が対象になります。盛りだくさんな製品の詰合せとオリジナルグッズがもらえると人気の銘柄となっています。

 

2015年8月に優待導入を発表したオエノンホールディングスも株主限定オリジナル商品を贈呈しています。発表後、初めての贈呈品は、自社の技術をベースに作ったオリジナル本格焼酎でした。今後どのようなオリジナル商品が登場するか楽しみですね。

 

また、創業265年の繊維総合商社のタキヒヨーは、2月末と8月末の年2回、1,000株以上保有で、社長がこだわって選び抜いたオリジナルギフトがもらえます。さらに、2月末には50万円分の旅行券が抽選で10名に当たるというユニークな試みも行っています。株主なら毎回どんなギフトが届くのか、もしかしたら旅行券が当たるかもとワクワクしますね。

 

上:アサヒグループホールディングスの株主限定プレミアムビール
下:日清食品ホールディングスは300株以上保有でひよこちゃんオリジナルグッズ(写真は保冷ショッピングバッグ〈2016年6月贈呈分〉)
上:アサヒグループホールディングスの株主限定プレミアムビール
下:日清食品ホールディングスは300株以上保有でひよこちゃんオリジナルグッズ(写真は保冷ショッピングバッグ〈2016年6月贈呈分〉)
 
 
 
左:オエノンホールディングスの株主限定オリジナル商品(写真はオリジナル本格焼酎「酒女神(オエノ)」720mℓ〈2015年12月末〉)
右:タキヒヨーは社長が選ぶこだわりのオリジナルギフト(写真はMade in 尾州カシミヤマフラー〈2016年
8月末〉)
左:オエノンホールディングスの株主限定オリジナル商品(写真はオリジナル本格焼酎「酒女神(オエノ)」720mℓ〈2015年12月末〉)
右:タキヒヨーは社長が選ぶこだわりのオリジナルギフト(写真はMade in 尾州カシミヤマフラー〈2016年 8月末〉)

※2016年9月末現在の公表情報他をベースとして編集・掲載しております。内容が変更になっている場合がありますので、最新の情報についてはご自身でご確認をお願い致します。

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連載株式投資「第3のリターン」株主優待の最新事情

大和インベスター・リレーションズ(株)は、大和証券グループの一員として、上場企業のIR活動を支援。「株主優待ガイド」は、独自の調査を行い、株主優待実施企業の情報を収集・掲載。多くの投資家から好評を得ており、今年で15冊目の発行を迎える。

写真は、代表取締役の長谷川常雄氏
1982年中央大学法学部卒業後、大和證券(株)に入社。事業法人向けの営業に従事。旧大和証券キャピタル・マーケッツ(株)執行役員、大和企業投資(株)専務取締役を経て、2015年より現職を務める。


大和インベスター・リレーションズ(株)WEBサイト: http://www.daiwair.co.jp/

著者紹介

株主優待ガイド 2017年版

株主優待ガイド 2017年版

大和インベスター・リレーションズ

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