投資信託選びで上手に活用したい「プロのアドバイス」

今回は、投資信託選びで上手に活用したい「プロのアドバイス」を見ていきます。※本連載では、毎年1000を超えるファンドを分析する投信評価会社に所属する「投信のプロ」が、投資信託の基礎知識を世界一わかりやすく解説します。

自助努力による資産形成が求められる時代

投資信託を選ぶのは難しいとよく言われます。まず、本数が多すぎて、やみくもにピックアップしてもキリがありません。自分にあった投資信託とはどんなものか整理するのが難しいです。そして、選んでみたとしても、その投資信託が思った通りのものなのか確認する方法がわからない・・・。このように、整理しないといけないことや確認する方法が分かりにくいので、「投資信託はわからない」となってしまうのです。

 

【図表】投資信託のイメージ

投信協会 投資信託に関するアンケート調査2015年より
投信協会 投資信託に関するアンケート調査2015年より
 

私たちは、よくわからないものには近づかない習性があります。「君子危うきに近寄らず」ということわざがあるように、危険なもの、リスクがあるものを遠ざけることは、生きていくうえで備わってきた大切な知恵の1つだからです。海外旅行では夜は一人では出歩かない、初対面のセールスマンには安易に本音を語らないなど、危なそうなことに対しては警戒心をもってのぞみますよね。よくわからない投資に二の足を踏んでしまうのも当然のことです。

 

一方で、これからは自助努力による資産形成がより一層求められる時代です。国の財政も厳しさを増し、公的な年金に頼るだけでは、ゆとりある老後を過ごせないことは目にみえています。老後破綻なる言葉も流行りました。

 

デフレが過去のものになりつつあり、社会保障の限界が迫るなかで、自分の老後は自分で守る世の中になってきたのも事実です。金融リテラシーの向上が声高く謳われているのもそのためです。でも、経験したことがないことを急に勉強したからといって簡単に身に付くものではないですよね。「損をするかもしれないくらいなら、利息がつかなくても預金にしておいた方がまし!」こういう考えに陥ってしまいがちです。

 

そこでぜひ考えてもらいたいのが、上手に専門家のアドバイスを受けることです。アドバイスを受ける相手は、ホテルでいうところのコンシェルジュです。良いホテルには、豊富な知識に基づいてそれぞれに合った提案をするようなサービスを提供してくれるコンシェルジュがいます。日本人は、他人にアドバイスを受けることが下手といわれています。無知をさらけ出すようで、恥ずかしくなってしまうのでしょう。ワインを注文するとしても、慣れていない人であればソムリエにお願いすることはためらいますよね。

 

また、投資信託を販売する人に色々と相談すると、自分の知識が少ないと足元をみられて、自分にとって最良の投資信託ではなく、販売担当者が売りたい商品を売り付けられてしまうという警戒心も働きます。でも、そんなに躊躇することはありません。最近では、むしろそういった風潮もやわらぎ、プロのことはプロに聞こうというふうになってきました。

 

ソムリエはワインを評価するプロです。同じく、資産形成においてもコンシェルジュやソムリエはいます。それは、ファイナンシャル・プランナーと呼ばれる、中立的な立場でお金の扱い方を教えてくれる人です。

販売担当者以外のプロにセカンドオピニオンを求める

米国では、個人の資産形成のためにアドバイスをする職業が広く認知されています。いまや、その人数は8万人ともいわれ、大手金融機関の営業職と同じくらいの人がいます。彼らは、顧客にアドバイスすることで、顧客の資産残高に応じたフィーを収入として得ます。そのため、金融機関のために商品を売るのではなく、顧客の資産形成のために商品を選択します。顧客に寄り添った立場でアドバイスをしてくれるのです。日本では、まだそこまでの業務は認められていないのですが、もっとも近い立場にあるのがファイナンシャル・プランナーなのです。

 

ファイナンシャル・プランナーの良いところは、中立的な立場としてアドバイスしてくれるだけでなく、投資信託などの資産形成に加えて、お金に関する人生設計全般についてトータルにアドバイスを受けられることです。

 

このように、金融商品を販売する人の意見だけでなく、別の人の意見を聞く機会や方法を持つことをセカンドオピニオンといいます。ぜひ、この言葉を覚えておいてください。セカンドオピニオンとしては、投資信託の販売担当者だけに任せるだけでなく、できればファイナンシャル・プランナーのような中立的な立場の人のアドバイスを受けることができるようにすることが理想です。ただ、金融の知識を得るために費用を払いたくはないという人もいるでしょう。そういう人は、せめて2ヵ所の金融機関の意見を受けるようにすることでも効果があります。

 

ネットを通じた取引を活用すると、利便性は高く、幅広い投資信託を比較的低コストで取引できます。これは、自分である程度のことを判断できる人にとっては便利なものですが、対面によるアドバイスを受ける機会はありません。このように、セカンドオピニオンを確保しておくべきかどうかは、自分の金融リテラシーのレベルに応じて違ってくるのです。

 

餅は餅屋ということわざもあります。自分の知識や経験のレベルを把握して、必要に応じ、資産形成や投資信託のコンシェルジュを上手に活用することが、長い目でみた際の近道でもあるのです。

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三菱アセット・ブレインズ株式会社 シニアコンサルタント

慶応義塾大学卒、唐木研究会出身。三菱UFJ信託銀行において、投資の専門家として20代前半から数十年にわたり、ファンドマネージャー、トレーダーとして一貫して運用の最前線に身を置き、市場のなんたるかを体得。その経験をもって、現在は、投資信託の評価会社である三菱アセット・ブレインズ(MAB)において、投資信託の販売支援や投資教育などを通じ、個人が安心して健全な資産形成に励むことができるための啓蒙に取り組んでいる。
書籍『顧客をリスクから守る資産形成術』(きんざい)を始め、資産形成に関する記事を新聞、雑誌に多数掲載。

三菱アセット・ブレインズ株式会社(MAB)
http://www.mab.jp/

著者紹介

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