今回は、「入居者からのクレーム」に迅速に対応すべき理由を見ていきます。※本連載は、株式会社タカ・コーポレーション代表取締役、中村 隆氏の著書『続・究極の不動産投資術』(株式会社タカ・コーポレーション)の中から一部を抜粋し、不動産の購入から、入居者募集、物件の維持管理まで、「究極の不動産投資術」の具体的な内容を解説します。

いかに「退室させないか」が満室経営の秘訣

私の場合小山市のマンションは自己管理していますので、クレームは私の携帯電話に直接かかってきます。この時私はクレームに対し迅速に対応しています。絶対にやってはいけないことはクレーム放置プレーです。これだけは絶対にやってはいけません。命取りに等しい行為です。いかに安く不動産を買うかで使った方がいい放置プレーは、クレーム対応では使わないでください。

 

私はこのクレームの電話は正に天の声と思っていつも聞いています。というのは無料で火災警報器を付けられたのも入居者のお父さんが火災警報器がないですねと言ってくれたことが原因でした。そのお陰ですべての部屋に無料で付けてもらいました。そして忘れないように私はすべてのクレームをパソコンで日記につけてレコードキーピングしています

 

特に騒音とかのクレームには直接騒音をだしている入居者にその場で電話します。間髪を入れません。騒音をだしたり騒いだりしている時にその入居者の携帯電話が鳴るわけです。現行犯です。その時は怒鳴ったりしません。穏やかにお話しします。「誰でも自分の部屋に居る時が一番心が安らぐ時です。あなたもそうでしょう。その安らいでいる時に隣で大音響で音楽を聴いていたら、あなただったらどうしますか?」と諭すように言うのです。そしてお互いの迷惑にならないようにと十分理解してもらいます。

 

あと水漏れした時や電器製品が故障した時もすぐに対応します。その時はマンションから車で3分にある業者にすぐ連絡してその日に対応してもらっています。業者に入居者の携帯電話番号を伝えて私の仕事は終わります。あとは業者から入居者にいつ行けばいいかと連絡がいきます。その時点で対応してくれたことにより入居者も安心し、大家の対応の早さに満足してくれます。

 

これは退室する動機を限りなく低下させる効果があります。何回も言いますが大家のすべきことは満室経営です。いかに早く入れるかよりももっと重要なことはいかに退室させないかなのです。のいかに退室させないかが実は非常に重要であり、あまり大家が意識していない点でもあります。ここに私がクレーム処理を迅速に対応している私なりの動機付けがあるのです。

クレームを「放置」すると後で増殖する!?

皆様も絶対にクレーム電話から逃げないで素早い対応をしてください。一つのクレームを放置していると後でもっと増えて自動増殖していつの間にか皆退室してしまうことになりかねません。これはゴミ自動増殖現象とよく似ています

 

ゴミ自動増殖現象とは、例をあげて説明しますと、あるかご付き自転車が駅に1台置いてある場面を想像してみてください。朝の通勤時にそのかごの中に1個のペットボトルが捨ててあったところを目撃しました。仕事帰りのその日の夜にその自転車を見てみると、なんとかごの中はペットボトルの山になっているではありませんか。あなたもそんな経験ありませんか? 私はこの現象をゴミの自動増殖現象と呼んでいます。

 

この現象が起きる原因は、ある人が飲み終わったペットボトルをこの自転車のかごに捨てると、次に通りがかった人の目には「ああここに今飲み終わったペットボトルを捨てれば手に持っているよりいい」と映ります。そしてそのかごには2本目のペットボトルが入っていきます。次に3人目のペットボトルを持った人が2本のペットボトルが入ったかごを見たら、どのようにその人の目に映るかちょっと想像してみてください。

 

そうです、大当たりです。そのかごは3人目の人にはゴミ箱に映ります。

 

「ああちょうど良かった、ここに飲み終わったペットボトルを捨てれば手に持つより楽だぞ」と思い、まるで本当のゴミ箱にでも捨てるように何の罪の意識なしで堂々と捨てます。なぜならその人はゴミ箱に捨てていると思っているからです。このようにゴミはゴミを呼びます。

 

昔ニューヨーク市は非常に治安が悪い都市でした。それが良くなったのは町中にあった落書きを徹底的に消したからでした。

 

これもゴミ自動増殖現象と同じです。誰かが壁に落書きすると次に通りがかった人がそれを見てこの壁は落書きしてもいい壁なんだと感じます。そうしたらその人はまるで大きいキャンバスに絵を描くように好き放題に描きます。誰も落書きしなければここは落書きしてはいけない壁なんだと思うのです。だから徹底的に消すことにしたのです。

 

ここで話をクレームに戻します。クレーム放置はクレームを呼びます。これは絶対に放置プレーしてはいけません。命取りになりかねません。このことを肝に銘じて皆様が実行してくれれば大家も入居者も皆ハッピーになれます。

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    本連載は、2012年3月20日刊行の書籍『続・究極の不動産投資術』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    続・究極の不動産投資術

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    中村 隆

    株式会社タカ・コーポレーション

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